以前のエントリーで、マイクロソフトの澤さんとエバンジェリズムについて対談した話をしましたが、その時の様子がCodeIQさんで、記事になっていました。
当日の内容はこちらを読んでいただければと思いますが、この時に参加者の方からいただいた質問で、「響くプレゼンテーション(スライド)の作り方」について、コツがあれば教えてほしいというものがありました。会場で、澤さんといっしょにお答えしたのですが、結構澤さんとやり方がかぶっているところもあり、面白いなと思った次第です。
特に、この二人だけの特別なやり方というわけではないでしょうが、逆にいうと二人とも共通した方法ということは、普遍的に効果がありそうなのでポイントだけまとめてみます。キーワードは、イメージ、質問、俯瞰です。(キホンのキである、レイアウトやフォントを揃える等、見栄えの話は入れてません)
イメージはGoogle先生に聞こう
スライドに細かく文章を書くいても、実際のプレゼンの場ではかえって伝わりにくくなりますよね。なので、画像をつかったシンプルなスライドにしたい方も多いと思います。でも、なかなかドンピシャなイメージが湧かない、ということがありますよね。そんなときは迷わずGoogle先生に聞きましょう。
まずそのスライドで伝えたいテーマ、結倫、問題定義をなるべくワンフレーズに絞り込みます。で、そのフレーズをGoogleで画像検索かけると、その言葉を想起しやすいイメージがいくつか出てきます。そのイメージやイラスト(実際は、それに似たものをフリー素材のサイトや、自分で写真を撮ったりしたものを使いますが)をスライドに適用するという流れ、文字を極力排除することで、シンプルで伝わりやすいスライドが出来上がります。
同じ言葉でも日本語と英語でそれぞれ検索すると、けっこう違ったイメージが検索されるので面白いです。
参考:商用利用可能な写真素材まとめ
参考:商用利用可能なイラスト素材まとめ
参加者への質問を入れよう
わりと基本的なテクニックですが、スライドの初めのほうに、会場向けの質問を入れておくとよいです。できれば手を上げてもらえるものがいいので、Yes / Noでこたえられるものとか、三択問題とか。こうしたスライドを用意しておいて、会場の人に手を挙げてもらうことで、オーディエンスのプレゼンへの興味や集中力が意外なほどあがります。質問の回答が意外性があると興味をひきやすくなりますが、もちろんプレゼン内容に関係ある質問でないと効果は少ないので、念のため。
どうしてもいい質問を考えられない、という時は参加者の属性を聞くのもいいです。どんな立場の人が参加しているのかを参加者と共有するだけでも、そのあとの話の進め方が簡単になりますよ。
質問を共有しよう
先ほどとは逆、つまり会場から質問をしてもらう構成にしておくと、プレゼン内容に対する参加者の理解が高まりやすいです。キーノートのような大きな会場だとオペレーションが難しいですが、参加者が100名未満の場合、セッション内にぜひ入れるといいですね。
日本だとセッションの後に、個別に質問に来ることが多いですが、これだと質問内容も共有されないし、結構同じ質問になんども回答することになるので、誰も得をしないです。よっぽどの大会場でない限り、質問はセッション内で吸収を。どうしてもセッション後に対応するしかない場合も、質問者には一列にならんでもらわず、扇形に集まってもらって質問のやりとりを共有するようにするといいです。これは澤さんオススメの方法。
紙に出してストーリーを俯瞰しよう
スライド作成途中に、なんどか見直しをすると思いますが、個々のスライドに入り込むと全体の流れが見えなくなることもあるので、全体のスライドを俯瞰するクセを付けましょう。澤さんはPC上で俯瞰作業を行うことが多いと言っていましたが、スライド枚数が多くなるとモニターの画面ではすべてを一覧することが難しくなりますので、それなりのスキルが必要となります。
そこで私のおススメは紙の印刷。PPTの場合6スライドを1枚に印刷する設定で、更にプリンターの設定を2ページをA4で1枚に印刷するようにすると、A4ヨコに12枚のスライドが入るカタチになります。スライドが60枚になっても5枚のA4に収まりますので、十分一覧性があります。
これを机に並べて、ストーリーを俯瞰します。気になったところに赤入れしたり、スライドの入れ替え、削除を書き込んでいくことで、スライド全体がブラッシュアップできるわけです。私の場合、90分くらいに及ぶキーノート用のスライドを作ることも多かったので、そうなるとスライド数も100枚を超えることもありましたが、この方法を使うと十分対応できます。また、これだけ一枚のスライドが小さく印刷されたカタチでレビューすると、シンプルなメッセージだけがスライドに残るようになりますので、個々のスライドのブラッシュアップにもつながります。
また、この方法はプレゼンのストーリーを共有する時にも有効です。他の人(上司)のプレゼンを作る必要がある方はぜひお試しください。