一方で、CLSは「どの地域のどんな課題に向き合うのか」がスタートなので、地域ごとでだいぶ内容や登壇者が異なります。しかしながら、集客や登壇者発掘の方法には、コミュニティマーケティングの手法(Sell Through the Community)を使っていますし、イベントだけでなく、コミュニティとして成立できるように「コンテキストファースト」「トラストファースト」「アウトプットファースト」の3つのファーストは徹底して行っています。
2022年から、CLS高知からのスピンオフ的に始まった「CLS道東」は、高知とはセッション内容や登壇者層というHowの部分は結構違いがありますが、Sell through the Communityの活用や、3つのファーストの徹底など、フレームワークは同じものが適用されています。つまり、内容は違うけど、地域活性という目的や、イベント設計のフレームワークは共通というのが、CLSの各地イベントでの特徴といえます。
一部、「社外取締役」のような、個人請けしかできない業務もあるので、全てがStill Day One合同会社経由というわけではないですが、常時6~8社位の支援に関わっています。この数が自分的にはコンテキストスイッチがきちんとできる範囲、ってことになりますね。そして支援方法も大きく代走・伴走・コーチ、という3つのレベルにわけて運用しています(全部「代走」だとこの数はできないですよね)。
個人としても発起人であり、Still Day One としても継続してスポンサードしているCLS高知のような地方イベントも、オフラインファーストを徹底して、現地現物でしか得られないインプット、アウトプットをしていきたいと思っています。こうした地方でのイベントでもテーマさえピン!ときたらどんどん参加していきたいので、ぜひお声がけいただければと!
あ、今年のCLS高知【初鰹編】は、エントリー開始2時間で100名近いチケットがSold Out する、という人気イベントに成長しました。今回エントリーができなかった皆さん、ぜひ10月の【戻り鰹編】をお見逃しなく!
LINE CLOVA:LINE社の中でも、B2B&AI事業を中心とするCLOVA事業を、2020年から足掛け2年サポートしています。 ここは私がAWS時代に、マイクロソフト側でAzureの啓蒙活動の最前線にいた砂金さんがカンパニーCEOを務めているという関係性から、(ガンダム史観的に)旧ジオン軍と連邦軍の将兵が同じ艦に乗っている的な状況を楽しんでます。
サイボウズ & AvePoint Japan : サイボウズは昨年から継続、そしてAvePointは今年から新たにマーケティングの支援をしています。 国産SaaSの雄であるサイボウズさん、そしてマイクロソフト系のエコシステムにいるAvePointさんは、自分の「土地勘」からすると、少し遠いかなと思っていたのですが、マーケティングで自分が大事にしているフレームワークである、OWWH(Objective / Who / What / How)が、この国産ISV・外資ISVの両社でもきちんとワークして、最近では2社の社内資料にまでOWWHが浸透してきているのは嬉しい限りです。
私としては、この5つの能力を「コミュニティマネージャー」が併せ持つのが理想だと思ってきたのですが、実際の例を見ると a) に偏っていることが多く、b) や c) について苦労している例が多くみられるようです。
ただし、これ自体は悪いことではありません。というのは、a) の能力というのは、あとから習得するのは結構難しいのに比べ、b) と c) の能力は後から学んで習得できるものなので、a) を満たす人であれば、後からb) c) を習得するプロセスを組めばいいわけです。
ですが、現実は、b) c) をバックアップしたり、トレーニングしてくれる人がいないままコミュニティマネージャーにすべてが任され、孤立していくというケースが少なくないようです。
これは、最近聞くようになってきた、コミュニティマネージャーの「後継者問題」も、同じ課題をはらんでいるように見えます。初代の(成功した)コミュニティマネージャーの人が、a) b) c) が全部できていた状態から、次の担当への代替わりが、b) c) の能力確認やトレーニングが十分でないまま行われてしまうと、社内のステークホルダーへの説明や協力が滞り、いつのまにか活動が袋小路に陥ってしまいがち。
ここでの解決策は、a) b) c) 全部を兼ね備えた人を探すよりも(いればもちろん最適な人、です)、b) c) を上司やチームがバックアップやトレーニングできる状態を目指した方が現実的であるといえるでしょう。こうした体制をとることで、「レイヤー構造の落とし穴」にはまる確率を下げていくことができると考えています。
最近、コミュニティマーケティングを支援するITツールや人的サポートサービスも増えてきていますが、それを活用する上でも、自社の担当者・部門は a) b) c) のどの能力を備えているかで、必要なサポートが変わってくるはずです。このあたりの見極めも、コミュニティマーケティングを成功させるうえでは重要になってくると思います。