情シスがITコミュニティにもっと参加すべき理由
ここのところコミュニティ(マーケティング)の話で呼ばれることが多くなっていることを以前も書きましたが、
今度は、企業イベントでこの話をする機会に恵まれました。その舞台はサイボウズさん主催の「Cybozu Days 2016」で、メインオーディエンスは情報システムの方々。というわけで幕張の会場まで行ってまいりました。
毎度ながら入れる名刺が無くてスミマセンw #cybozudays pic.twitter.com/GggOAo6GTt
— Hideki Ojima (@hide69oz) 2016年11月10日
ちなみに、この日の基調講演では、「40代男性×無職」が一番心配されるポジションと紹介されたようで。。。 今回もパスに入れる名刺がなくてすみません(笑)
情シスとITコミュニティ
もともと、サイボウズガルーンで情シスの方へのリーチは多いベンダーさんのイベントなので、今回のオーディエンス設定は納得ですが、問題はコミュニティ話に興味のある人がどの程度いるか。というのは、私が知る範囲では、企業の情シスの方がコミュニティに出てくるケースがまだまだ少ない(または遅い)からです。
例えばJAWS-UG界隈だと 東急ハンズの長谷川さん、フジテックの友岡さん、ヤマハ発動機の原子さんなど、情シスの方で積極的にコミュニティ活動に参加(というよりリード)している方もいるわけですが、絶対的な参加者数としてはまだ少数派といえます。しかし、いろいろなテクノロジーの目利きや、導入効果を知っておいたほうがいい情シスの人こそ、コミュニティにもっと参加すべきだと思っているので、今回のセッションは、私にとっては恰好のエバンジェリズムの場=アウェイであるわけです。
ですから、より多くの情シスの方に参加してほしいと思っていたのですが、当初はこのセッションの集客は出だしが良くなかったようです。「コミュニティ」というキーワードが情シスの方には響きにくいと思われることと、よくよく見ると、同じ時間帯には駅伝で有名な青山学院大学の原監督のセッションなど、なかなか強力な布陣でこれも逆風だったのかな、と。
Cybozu Days 2016 【東京】 - セッション情報登録 - サイボウズ株式会社
でも、サイボウズさんの継続的なプッシュもあり、最終的にはエントリーは満席に。当日も多くの方にセッション会場にいらしていただきました。セッション前に一緒に登壇するサイボウズの伊佐さん、アスキーの大谷さんといつものHere We Go!写真。
セッション開始直後に、会場にいらした方に挙手をしてもらったのですが、おおよそ半分くらいが情シス関連の方、で、コミュニティ参加経験がある方は数人しかいないという、期待通りのオーディエンス層。
情シスの人がITコミュニティに参加するメリット
パネル形式で行われたセッション内容については、アスキーさんの記事にも上がるとは思うので、このブログではセッションを通じて私がお伝えしたかったことを少し整理しておきたいと思います。
情シスの方がIT系のコミュニティに参加すべきと私が思っているポイントは、次の三つです。
- 情報収集のスピード:クラウド時代は製品や技術情報アップデートのスピードが速く、ベンダーからの説明やカリキュラムを待っていると周回遅れになることが多い。コミュニティ、勉強会に参加することで最新の情報に接することができます。コミュニティに出てくる、出てこないでここは大きな差が出るようになっています。
- 得られる情報の幅が広い:ベンダーから提供される「製品の機能・性能」情報ではなく、使っている人による「導入・運用にかかわる」情報が得られる。更に、「ベからず集」的な導入失敗例や、自社の課題に対するコメントや回答も得られる。それも無償です。
- リクルーティングに有利:自社に必要な人や、パートナーなど自社にとって必要なリソースと知り合える確度が高まります。また、コミュニティで自社の立ち位置が知られれば、求人やプロジェクトに応募してくる人も(適切な層から)増加する傾向にあります。
登壇側に回ることで、メリットが増大
では、単にコミュニティに情シスから人を送り込めば、上記のメリットが得られるか? という問いには簡単にYesとは言えません。なぜなら、会社側に持ち帰れる情報=メリットの量が、参加する人のセンサーやコミュニケーション能力に依存する部分が大きいからです。しかしながら、メリットを増大させるうえで一ついい方法があります。それは「登壇側に回る」こと。
これは多くのコミュニティを見てきて確信があるのですが、登壇側に回った方には、そのあとの懇親会やネットワーキングで、他の人から話しかけられることが圧倒的に多くなります。つまりインプットが多くなるんですよね。
情シスのマネージャーの方々は、部下がコミュニティに参加することで一番懸念されるのは「情報漏洩」的なものだと思うのですが、PC紛失やファイルの流出ではなく、人による(実害のある)情報漏洩は、情報量や拡散力(複製力)から言っても、意図的に行われない限りリスクはかなり低いです。意図的に情報漏洩させたければ身元が分かりやすいコミュニティからする人は少ないでしょうし、少なくともコミュニティへの参加と、情報漏洩リスクの増加は相関関係にはありません。
で、逆にコミュニティで発表したり発言したりすることで、フィードバックが得られたリ、組織やその人の認知度が高まり、結果的に情報が向こうからやってくるという状況を作り出しやすくなります。別に何十分もあるプレゼン枠から始める必要はありません。多くのIT系コミュニティの勉強会で用意されているLT(ライトニングトーク)枠や、Q&Aの時に、皆の前で(←これ重要)質問をするだけでも全然違います。情シスのマネージャーの方が、部下をコミュニティに送り出すことがあれば、ぜひ登壇側に回るようにプッシュしてほしいです。
ホントにデメリットは少ないのか?
一番起こりうるデメリットとしては、外の世界を知ってしまった人が転職してしまうことがある、ということでしょうか。でも、これはそれ以上魅力的な職場環境を用意するしか手はないと思いますし、いくら隠していても、いつかはわかってしまうでしょう。
それよりは積極的にコミュニティに出て行って、周りを惹きつけられる存在、チームになったほうが断然前向きですし、メリットも多いです。
食わず嫌いになっている情シスの方も多いと思いますが、百聞は一見に如かず。ぜひ、気になる製品や技術の(興味のないテーマは自分事にならないのでダメ)コミュニティに参加してみてください。
コミュニティでは、製品、技術だけでなく、こんな実践的な話も聞けますよ。
コミュニティ運営者のためのコミュニティ、始めます。
この日のセッションでも、コミュニティをはじめたい(運営側に回りたい)が、どうすればいいか、という質問が多く聞かれました。どうやらここには共通の課題や興味があるようなので、私もコミュニティ運営側に回って、こうしたトピックについて語れる場を作ってみようと思います。
先日Facebookでも書きましたが、11月24日に初回をやってみようと。一緒にやってみたい、という方はご連絡を!