マーケティング、エバンジェリズム、ときどき旅。

ホントに自分がなりたいのはマーケターかエバンジェリストか、はたまた旅人なのかを徒然に書いていくブログです。

異端から先端へ。普及期に来たコミュニティマーケティング

「リスキリング」が最近は話題ですが、私もマーケティングスキルの学び直し、ということで昨年4月から7月まで早稲田大学NEO のマーケティング講座に通っていました。久々に毎週学校にいったり、課題をグループ討議したりで、すごくいい時間になったと思っています。

学びは沢山あった一方で、ひとつ感じていたのは、こういうマーケや経営講座のカリキュラムに「コミュニティマーケティング」が普通に採用されるようになるのは、いったいいつだろう? ということ。NEOの講座でも、コミュニティの重要性や、活用事例に触れるセッションはいくつかありましたが、一コマまるまるコミュニティマーケティングについてレクチャーされるセッションはまだありませんでした。そこから考えると、「コミュニティマーケティング」はまだまだマイナーな存在ということなのかもしれません。

コミュニティマーケティングは「異端」なのか?

そもそもコミュニティマーケティングというコトバが、今の文脈で日本で流通するようになったのは、2014年のこちらのログミーの記事からだと思います。

logmi.jp

この記事がスタートってことは、コミュニティマーケティングというコトバや考え方自体が私の造語や体験から始まっているわけで、そこからして「オレオレ理論」っぽい要素も多く、異端と言われれば否定しづらいですね。アカデミアとかでの研究対象にも、ほとんどなっていないと思うので、主流ではない考え方なのかもしれません。とはいえ、今「コミュニティマーケティング」というワードでGoogle検索すると、各社のサービス紹介等が広告としても出てくる=「コミュニティマーケティング」が広告ワードして購入されている実績もあるわけです。記事が出て(2014年)から8年ほどたって、実カテゴリーとしては存在感が出てきているように思います。

そして、コミュニティマーケティングを考えるコミュニティ=CMC_Meetup のグループ参加者は最近ますます増加傾向で(3,400名を超えました)、オフライン、オンライン含め、コンスタントに会合も開催され、#CMC_Meetup のハッシュタグでの発信も絶え間なく行われるなど、二―ズや実践者、アウトプットは確実に増えてきています。

www.facebook.com

 

外市場での "Community Marketing" との答え合わせ

そんな中、自分の中では大きな出来事だったのが、昨年秋のこの会食。

 

Asanaでグローバルでのコミュニティマーケティングを統括(Head of Global Engagement Marketing)しているJoshua Zerkel と、実務面から戦略面に至るまで幅広に話をさせてもらいました。(引き合わせてくれたAsana Japanの長橋さんに感謝!)

コミュニティを他のマーケティング施策と組み合わせることの重要性、ROIやKPIに対する考え方、コミュニティマネージャーに求められるスキル、果てはCMX Hub(世界最大規模のコミュニティマーケ/コミュニティマネージャー向けFacebook グループ)でやり取りされる投稿に関するコメントまで(笑)、お互いの考え方や実際の行動が、かなりシンクロ率高いなと感じました。

ツイートにも書いているんですが、ここで重要だったのは「違う市場、違うプロダクト、違うステークホルダーでも、コアの考えが同じってことを確認できたのでヨシ‼︎ 」ということ。オレオレ理論や自分の限られた経験値だけの事ではない、っていうのをすごく実感できた会合でした。

「足し算」で終わらない、「掛け算」になるコミュニティマーケ施策を!

異端かどうかはともかく、「コミュニティマーケティング」を実装したい、学びたい、というニーズは年々増加しているように感じます。

私のバックグラウンドからすると、いわゆるSaaS/サブスクかつB2Bな方々からの引き合いが多い様に思うかもしれませんが、最近はB2C、D2Cな方からの相談も多いですし、B2Bでも非ITの製品・ソリューションを扱う企業からのご相談も多いです。

実際、2022年9月の京都、2023年2月の福岡で開催されたICC サミットでも、コミュニティマーケティングのワークショップを担当させていただいたのですが、どちらも定員を超えるエントリーをいただき、その属性もかなり幅広でした。

ICC サミット 福岡でのワークショップの模様

そして、こういうコミュニティマーケティングのワークショップやレクチャー系の場で最近私が協調していることが、コミュニティ施策を「足し算」で終わらせず、「掛け算」にするアプローチ

あまりにも「コミュニティ」の盛り上がりやアウトプットだけに注力しすぎると、確かに一定の効果はあがるものの、ビジネス全体への貢献度は、プラスα程度の施策で終わってしまいます。

こちらのスライドにあるように、コミュニティがスケールする施策で、「顧客獲得」「顧客育成」「顧客理解」につながるためには

コミュニティ施策が、後ろ行程にあるマーケティング施策、営業施策、カスタマーサクセス施策にどんなバトンを渡すことになっているのか、または前工程から何を受け取ることになっているのか、そしてそれがどれくらい渡すことができれば「うまく行っている」といえるのかが、クリアになっている必要がありますね。

コミュ二ティはどこからバトンを受け取り、どこに渡す役割を持っているのか?

その為には、全社Objectiveから、コミュニティ施策のObjectiveを設定して、Who、What、Howを考えるという、OWWHフレームワークの活用も、ぜひ行っていただきたいです。

 

※参考スライド:CMC_Meetup 福岡オープニング資料:

speakerdeck.com

コミュニティマーケティングは異端から先端へ!

上で書いた通り、コミュニティ施策に向き合う=顧客に向き合うことが不可欠なわけですし、LTV重視の昨今のビジネス戦略とも相性がいいことがわかります。

これは、コミュニティマーケティングは、もはや「異端」ではなく、マーケティングに必要なエッセンスのど真ん中な部分と深くつながっている。むしろ、「先端」ともいえる部分を担うのではと考えています。

今年あたりからは、コミュニティマーケティングが、異端から先端にポジションチェンジする時期ではないかと思っています。この考え方に賛同いただけたり、確かに!と思われる方は、CMC_Meetup の活動などで、ぜひご一緒できればと!