マーケティング、エバンジェリズム、ときどき旅。

ホントに自分がなりたいのはマーケターかエバンジェリストか、はたまた旅人なのかを徒然に書いていくブログです。

2歳になりました -- CMC_Meetup 成長記

コミュニティマーケティングを、みんなで考えて広めていくコミュニティ」が必要だと考えて、Community Marketing Community  = CMC_Meetup を立ち上げたのが、ちょうど2年前でした。立ち上げから2年たって、ビジネスにおけるコミュティへの注目度や、コミュニティマーケティングそのものへの関心も随分と高まってきたと思います。そこで、CMC_Meetup の2年の歩みを振り返りながら、コミュニティマーケティングの今の立ち位置や今後についてまとめてみます。

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B2B、B2C、C2Cと全方位で拡大

2018年の今、コミュニティマーケティングを取り巻く状況はどのようになっているのでしょうか? AWSにおけるJAWS-UGの「成功例」がロールモデル化していることもあり、コミュニティマーケティング的なアプローチがIT系を中心としたB2B企業にかなり認知が広まってきています。B2Cでも、従来は「口コミマーケティング」や「ファンマーケティング」と表現されていたところにも、明確にコミュニティを志向した施策については、「コミュニティマーケティング」というラベルで紹介されることが多くなってきますし、最近大きく市場を伸ばしているC2Cの分野でもコミュニティマーケティングの注目度が上がっています。

2年前は「コミュニティマーケティングをやっています」と会社やマーケ担当が明言していることが(私が在籍していたAWSを除き)ほとんどなかったわけですが、今だとちょっとサーチしただけでもいろいろな会社の名前が出てきます。

【B2Cの例】ヤッホーブルーイング

www.is-assoc.co.jp

【C2Cの例】Anyca (DeNA)

seleck.cc

B2Bの例】ヌーラボ

seleck.cc

 

この状況であれば、コミュニティマーケティングに関する勉強会や記事を見ても不思議な感じはしないと思いますが、この流れができる2年前に、どうしてCMC_Meetup が立ち上がったのか?

CMC_Meetup はなぜできたか?

 これは2016年の夏に、私がAWSを卒業した頃にさかのぼります。会社を辞めたことで、声がかけやすくなったのだと思いますが、いろいろな企業の方から私に「マーケティングの話を聞かせて欲しい」という依頼が多く来るようになったのがキッカケです。私的にはプロダクトマーケ、イベントマーケ、リード管理など、オールラウンドにマーケティングの話をする気満々(今でも自分のことは「オールラウンドマーケター」だと信じていますが、、、)だったわけですが、どこに行っても聞かれるのは「JAWS-UGをどう作ったか?」 とか、「コミュニティマーケティングを教えて」という話ばかり。つまり、そこにニーズがあることに気づかされたわけです。

でも、いろんな会社を回ってお話しても、先方は初めて聞くお話なので喜んでいただけるものの、私は毎回ほぼ同じ話と同じ質問に答える、ということの繰り返しになるので、私が得るインプットはすごく少ないことになりますし、なにより効率が悪い。だとすると、聞きたいと思っている方に集まってもらって、そこで聞いてもらったり、質問いただいたり、更には聞いたことを実践した人にお話いただく方が、何倍もアウトプットもインプットも増えるわけです。これがCMC_Meetup という場を作るきっかけにななりました。

言い換えれば、コミュニティマーケティングという概念を、コミュニティマーケティングの手法で広める、というアプローチをすることに決めたわけです。

で、2016年11月に投稿した【ゆる募】がコチラ。

www.facebook.com

 

初期メンバーがコミュニティの成長曲線を決める

コミュニティ立ち上げ時の参加者を誰にするか、がコミュニティマーケティング成功のポイントというのは、常々CMC_Meetup でもお伝えしているわけですが、今回もそのセオリーに則って、「熱量が高く」「実際に行動を起こしやすい」メンバーを起点にしようと思い、先ほどの【ゆる募】投稿をしたわけです。

この投稿を見ると、いいね!が250に対して、コメントが50くらい(この時点で20%)。さらに、実際にメッセージを私に送って参加表明してくれた方が35名程度(250人→35名=14%)でしたから、関心が有っても行動できる人はだいたい15% ~20%前後ということになります。これは自分の経験値とも会う数字で、「よさそうだ」と感じても、実際に行動に起こすまでには多くのハードルがある事を表しています。

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逆に、コミュニティの中心に、こうした「行動できる人」をなるべく多く置くことで、その後のインフルエンスも大きくなる、つまりコミュニティ拡大のスピードが速くなる傾向があるのです、CMC_Meetupでは、こういう行動できる人を(ボウリングピンに例えて)1stピン、と呼んでいます。

逆に行動が遅い人や、情報のGiveの前にTakeを要求するクレクレ君タイプの人は初期にはあまり混ぜないのが賢明です。CMC_Meetup では「ワナビーズ」と呼ぶこの層の人たちにも、いずれはコミュニティに参加してもらう必要がありますが、その前に1st ピンの人たちを集積して、コミュニティの熱量を上げておく必要があるのです。

そんなわけで、2年前の2016年11月に開催したキックオフの模様がコチラ。「行動する人」主体で立ち上げたので、初回からツイート数やブログなども結構ありましたね。

stilldayone.hatenablog.jp

コミュニティ拡大の3軸

マーケティングとしてコミュニティを捉えた場合、そのコミュニティが継続的に拡大していくことが重要だというのは皆さん異論のないところだと思いますが、熱量を失わないままコミュニティが拡大するための軸として、以下の3つを挙げることができます。

  • 自走化:ベンダー側の担当者と、コミュニティの成長スピードの依存関係を無くす。つまり担当者が参加しなくてもコミュニティが自走できれば、より多くの活動ができるようになる。もちろん自走化=自分ゴト化なので、熱量も高まることに。
  • 地方展開:コミュニティはオフライン起点になることが多いので、「集まりやすさ」は重要な要因。初めは東京や大阪で始まったコミュニティ活動が、地方に展開していくのは、コミュニティの成長スペードやカバレッジを広げる意味でも不可避。
  • 株分け:1回のミートアップ参加者が増えていくと、だんだん全員の関心ゴトに応えることが難しくなり、全体の熱量が下がることにもつながりかねない(初めての人 vs. 常連の構図もこれ)。なので、ある程度関心軸が分かれてきたら、関心軸毎にミートアップを「株分け」するのが、参加者を増やし続ける意味でも、熱量を維持、拡大する意味でも効果的。

ちなみに、地方展開と株分けは、共にコミュニティリーダーを増やす施策にもつながります。コミュニティリーダーの数が増えることで、コミュニティの全体の熱量もさらに上がっていくわけです。

コミュニティマーケティングフレームワークを遵守して成長

2年前に発足したCMC_Meetup は、まさにこうしたコミュニティマーケティングフレームワークを実践して大きくなっています。

東京や各地で開催されるミートアップの多くが、場所確保やスピーカー手配など自分たちで行う「自走化」に向かっている一方で、開催単位も都市ごとだけでなく、B2C専門支部(B2C事業者のミートアップ)や、Deep Dive(コミュニティマーケティングを実践しているマーケ担当者のミートアップ) など、東京開催ながら、株分けされたミートアップも増えてきており、上記の3軸で規模を拡大していることがわかります。

また、コミュニティ成長の3つのファースト:コンテキストファースト、オフラインファースト、アウトプットファーストも徹底しました。特にアウトプットは回を重ねるにつれてその量もどんどん増加し、今月の東京でのミートアップではついに2時間のミートアップで。約1,000のツイートが投稿されるほどに。

※こちらのブログでは過去10回の東京開催のまとめを確認できます。

note.mu

こうしたフレームワーク遵守活動の結果、CMC_Meetup はこの2年で下記の規模までに成長しています。

  • ミートアップ数:27
  • Facebook グループ参加者数:1,500+
  • #CMC_Meetup ツイート総数:4,800+

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著名人のオンラインサロンでもなく、有名な会社の製品でもなく、「コミュニティマーケティング」という新しいマーケ手法という関心軸だけで、これだけの共感者、フォロワーが2年で誕生したことの要因には、やはりコミュニティマーケティング成長のためのフレームワークをきちんと遵守したことが大きいと思います。
 

What's next?

今後も自走化、地方展開、株分けを加速させながら、CMC_Meetup が広まっていくでしょうし、なにより重要なコミュニティマーケティングの実践者がどんどん増えていく事になるはずです。そして、実践で得た知見はアウトプットファーストの考えに則り、どんどん公開してほしいと思います。

というわけで、コミュニティマーケティングに関する皆さんのナレッジや体験、考察をぜひアウトプットしていただきたい、と思い、コミュニティマーケティングアドベントカレンダーも用意してみました。

ぜひこのカレンダーに参加して、皆さんも「行動する人」になるキッカケにしていただけると嬉しいです。

adventar.org

まだCMC_Meetup に参加したことがない、という方にはぜひこちらのFacebookグループにもご参加下さい。きっと「行動する人」になりたくなるはず!

www.facebook.com