マーケティング、エバンジェリズム、ときどき旅。

ホントに自分がなりたいのはマーケターかエバンジェリストか、はたまた旅人なのかを徒然に書いていくブログです。

How to start a movement -- ムーブメントの起こし方。「コミュニティマーケティング」の場合 --

タイトルはアレですね。我々コミュニティにかかわる者のバイブルともいえるデレク・シヴァーズのTED2010の動画からいただいています。

www.ted.com

 

明日開幕! コミュニティマーケティングの祭典:CMC_MAX

いよいよ明日(2020年6月26日)、金曜日の夜からの前夜祭、そして翌土曜日には本編、懇親会とCMC_Meetup MAX!(以下、CMC_MAX) な2日間が始まります!

cmcmeetup.com

思えば、2016年10月に「コミュニティマーケティングを考えるコミュニティ」としてスタートしたCMC_Meetup ですが、発足後3年半ほどでFacebookグループには2,500名近い人が参加、ミートアップの数も40回以上とそれなりの規模と回数になっています。この「顧客に向き合う」というコミュニティマーケティングの考え方が、今回のCMC_MAXをきっかけにより多くの人に伝わるようになればいいなと考えています。

特定企業のサービスや製品のように、すでにユーザーが付いていたわけでも、海外で話題になっているコンセプトやバズワードを持ち込んだわけでもない、「コミュニティマーケティング」という考え方が、0からスタートして、全国カンファレンスをやろう! というところまで来たのか、そのムーブメントの起こし方を紐解いてみたいと思います。

要素その①:関心軸の「言語化」「ラベル付け」の重要性

冒頭のデレク・シバーズの動画は、社会運動やコミュニティが起こるメカニズム、リーダーを作り出すフォロワーの重要性など、ムーブメントの「起こり方」については、かなりわかりやすく解説してくれています。ですが、肝心の「起こし方」についてはあまり説明がないのです。

この動画における半裸で踊りだした最初の人のような、フォロワーを生み出すほどの強い興味の対象をどのように作り出すか? についてはこの動画では語られていません。

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で、実はこの部分が、コミュニティ立ち上げの際に多くの人が課題に感じているところではないかと思います。

CMC_Meetup では、それが「Sell Through the Community」 という考え方であり、それに #コミュニティマーケティング というラベルが付いたことで、多くの人に見つけられるようになったのだと思っています。

そのきっかけとなったのは、おそらくこの記事。

logmi.jp

この時が、Sell through the Community の考え方に「コミュニティマーケティング」というラベルが付いた最初のタイミングではないかと思います。

これ以降、「アマゾンのクラウド事業で、なんかコミュニティでビジネスがうまくいっているらしい」という、関係者であれば真似してみたいと思っている事象が、「コミュニティマーケティング」という言葉で呼ばれるようになります。これが2014年の8月ことなので、ざっくり6年ほど前のお話。ここから「コミュニティマーケティング」という名称を変えることなく、関心軸を表す言葉として続いていることになります。

※今、「コミュニティマーケティング」で検索すると、さまざまなコンテンツが見つかると思いますが、そのほとんどはこの後に生み出されたものであることが、コンテンツ作成の日付を見るとわかると思います。

要素その②:フォロワーの可視化

上記の記事以降も、コミュニティマーケティングが話題になることはしばしばありましたが、イベントや記事毎での単発の動きであり、「知る人ぞ知る」的な感じで、それほど大きなムーブメントになっていなかったと思います。この流れが変わったのが、2016年10月のCMC_Meetup、コミュニティマーケティングを考えるコミュニティの立ち上げです。

 これ以降、「コミュニティマーケティング」という関心軸に人が集まり、アウトプットが積み重なるようになります。

ただし、単にコミュニティを作るだけは、フォロワーやアウトプットが増えるわけではありません。フォロワーになったりアウトプットをしやすくするための仕掛けやフレームワークが必要です。CMC_Meetup では、初回から

  • コンテキストファースト
  • オフラインファースト
  • アウトプットファースト

の3つのファーストの重要性を説いていて、これが実際の活動をしやすくしていたと思います。こうした基本原則や行動指針は、繰り返し、いろんな人が使わないと定着していきません。CMC_Meetup では、私もほぼ毎回この3つの重要性をご紹介していましたし、発表者の方々も、ことあるごとにこの3つのファーストをプレゼンの中で引用いただいていたので、浸透が進んだと思います。

逆にいうと、こうした原則や指針は、シンプルかつ腹オチしやすい言葉であることが重要だとおもいます。

この結果、フォロワーや関連コンテンツが沢山増えて、多くの人の目にとまるようになりましたし、CMC_Meetup に参加したり、FBグループに登録すれば、メンバーやコンテンツがどんどん増えていく様が実感できるようになります。

前述のデレク・シヴァ―ズの動画でいうと、次々に人が集まっていく様を広場のみんなが見ている状態と同じです。

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このように流れが可視化されることが、ムーブメントを起こすうえで不可欠な要素となります。

要素③:変化への対応

要素の3つ目としては、変化する環境に素早く対応する、ということがあります。要素その①でお話したとおり、「コミュニティマーケティング」という言葉自体は変化していませんが、関心を持つ人が増えるにつれ、聞きたい内容や参加した人の地域も広がっていきます。それに応じてビギナー向け、経験者向け、B2C事業者向けなどの、関心軸を「株分け」しての分科会開催や、地方での開催も積極的に行ってきました。

また、直近ではコロナ禍により「オフラインファースト」の実施が難しくなってきたという環境の変化に合わせ、現在はオフラインファーストの代わりに「トラストファースト」へと切り替えてきています。

これも、なぜ切り替えた方がいいのか、なぜこの言葉なのか、腹オチできる説明が必要ですね。こちらについては、このブログに書いたように、背景や考え方をコミュニティ参加者に共有するようにしています。

stilldayone.hatenablog.jp

更に、その動きに合わせ、オフライン重視でに開催してきたミートアップもオンラインへの切り替えを急速に進めています。

前回のTokyo開催分(4月14日開催)で、初の完全オンラインでミートアップを実施したのに続き

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CMC_Meetup自体のYouTubeチャンネルも開設。

www.youtube.com

そして、明日からの CMC_MAX。これもオフラインファーストの考えにのっとって当初は企画していたものの、このコロナ禍への対応で、完全オンラインでの開催に移行したものです。

基本を変えない、のはもちろん大事ですが、より大きな流れにどのように対応するか、流れと流れをぶつけて勢いを損なうのではなく、むしろ勢いを増すためにどのような変化が必要かを考え、素早く実践する、というのがムーブメントを長く続けるうえで重要かと思います。

CMC_MAX で、ムーブメントの起こし方の追体験

というわけで、6年近い時間をかけて醸成された、「コミュニティマーケティング」というラベル、旗のもとに集まった人たちの活動の集大成が、明日からのCMC_MAXということになります。コミュニティを通じてのムーブメントの起こし方を理解したい人や、あえてコミュニティに懐疑的な人も、明日からのCMC_MAXの各セッションを通じて、ムーブメントの起こし方の追体験をして欲しいです。

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それでは当日、オンラインでお会いしましょう!