Social Distancing なバーチャルマスツーリング、実践してみました。
先日、いわゆる3密対策(密閉、密集、密接)を避ける外出方法として、平日夜にバイクでソロで走る「平日ソロナイトランのススメ」をブログで書いたのですが、
今回、身の回りのテクノロジーを組み合わせて、更に発展形のフォーマットを試したら参加者にも好評だったので、ブログでアウトプットしてみます。
ヒントはZoom飲み
人間は本来ソーシャルな生き物で、これだけ自粛が続いて人との接点がなくなると、あの手この手で代わりの関係性を探すものです。
で、私の周りでは多く見かけるようになったのがZoom飲み、つまり遠隔地の人をZoomでつないで(Zoom以外でもできるわけですが、UIと招待のしやすさからかZoomを選択する人が多い模様)、バーチャルな飲み会をやるというもの。これで、家での一人飲みが、俄然ソーシャルな場になるという事ですね。
Zoom飲みした人の感想を読むと、総じてポジティブなようです。離れたところにいても(=Socail Distancing 成立)、時間、体験を共有できる感が強いとのこと。これって、単に職場をオンラインでつないでお互いのデスクを流しっぱなしにしても、こういう共感は得づらいでしょう。やはり「飲む」という能動的な行動(Active)を、同時に行って(Realtime)、お互いの様子を見聞きして反応できる(Interaction)、という3要素が必要なんでしょうね。
なので、このフォーマットをバイクのナイトランに取り入れてみることにしました。そう、3密を避けたソロナイトラン(Active)を同じ時間帯に(Realtime)、オンラインでやりとりしながら(Interation)走るという方法。名付けて「バーチャルマスツー(マスツーリング:複数名でのバイクツーリング)」です。
ルール設定と用意したアイテム
まずは、やってみよう! ということで、某Facebookグループで参加を呼びかけたところ結構反応が。
参加者もそろいそうだったので、金曜日の夜に実行することにしました。で、次にやったのが具体的なルール設定。何事も、新しいフォーマットを複数名で楽しむ時には、簡単なルール設定(これはやってよい、これはやらない方がよい)をしておくと混乱が少ないです。そして、Zoom飲みと同じく、本来の「3密を避けて楽しむ」という主旨を重視して、以下の通りに設定しました。
<ルール設定>
- 原則ヘルメット、グローブは常時着用 → PAなどでばったり遭遇になってもヘルメットは脱がずに、オンライン経由で会話
- コース取りは、各自バラバラで
- オンライン開始時間、終了時間だけざっくり設定
- 常時しゃべっていなくても大丈夫。基本は運転にフォーカス
- 家からや、クルマでの参加もOK
これは、主に飛沫感染を防ぐためのSocial Distancing を徹底するためのものですね。で、オンラインなので、別にバイクに乗っていなくてもOKなわけで、今回はクルマ組や家から飲みながら参加のメンバーも。今回、これがすごくよく作用して、家から参加組の心強さを体感することになります。
<用意したアイテム>
- インカム付きヘルメット(これがないとコミュニケーションできない)
- スマートフォン
- Zoom(音声、動画共有用)
- Facebookメッセンジャー(テキスト、写真、位置共有用)
- Relive(ルート記録用)
ちなみに、バイクにマウントしたスマホはこんな感じ。Zoomには自分の走行中の動画が流れる仕組み。
Zoomに関しては、無料版だと40分で一旦通信がきれてしまうので、今回は某氏の有料アカウントの環境にinvite していただきました。このアカウントがなければ、3時間に及ぶバーチャルマスツーはできなかったと思うので、大感謝! です。
やってみて、どうだったか?
結論、これはアリです。いつもグループで走るときは隊列を気にしながら(途中ではぐれたり、ミスコースしたりしないように)なので、先頭やシンガリは割と神経使いながら走ることが多いのですが、それを気にせず、道路状況をみながらどんどんコースを変えて走れるのはかなり自由な感じ。なのに、皆といっしょに走ってる感。これは新しくて楽しい。
コース取り的には、首都高で同じ時間帯、PAの数も限られるので、開始時間にPAに入ると、ばったり会っちゃうことも。このときも、お互いヘルメットは外さず、インカム経由(Zoom経由)での会話です。
が、だいたいはこんな感じにバラケてます。Social Distancing ヨシ!
ちなみに、こちらが当日の私のコース取りです。前回のソロナイトラン同様、今回も渋滞なくスムースな行程でした。
家飲み組がコントロールタワーに
前述したとおり、今回は家飲みしながら参加している人たちがいて、ここから「誰と誰が近くを走ってる」「だいたいみんなこのあたりにいる」的なガイドがどんどん入ってきて、これが全体把握をする上で凄く役に立ちました。この情報を聞きながら、ランデブー走行したり、同じPAに入ったり(休憩中も会話はインカム経由!)が簡単に出来ますし、PAの閉鎖情報もタイムリーに共有されるので、走るのが楽でしたね。
ちなみに、今回のコントロールタワーはこんな感じだった模様。
バイクで走りながらだと、視覚的な情報量は限られるので、こうした自宅組(デスクトップ組)がいるとすごく助かりますね。
※自宅組の特典は、飲みながら参加できること、です!
集合写真と〆ラーもオンラインで
グループでナイトランするときは集合写真、そして〆の深夜のラーメンがお決まりなのですが、これもオンラインで。
集合写真は、それぞれの場所からZoomのカメラに入って、スクショをとるスタイル。
https://micro-keyword.hatenablog.com/entry/2020/04/04/112806
で、そのご流れ解散で各自ラーメン屋へ。で、ここでもオンラインで〆ラー(〆のラーメン)体験を共有。
実は、深夜に複数台のバイクを停められて、まとまって入れるラーメン屋(しかも、味もよくなければいけない!)を探すのはそれなりに大変だったりするのですが、今回はそれもスムース。
ちなみに私が入ったお店は、こんなご時世でガラ空きでしたね。どこに座ってもSocial Distancing な感じで、今後の経済が心配になります。
Zoom以外は?
バーチャルマスツーで要となる、常時オンラインコミュニケーションできる環境として、使いやすさ優先でZoomを利用しましたが、要はオンラインで音声や、適宜動画共有ができればいいという事なので、他ツールを使うのも問題ありません。が、使い勝手やバッファリング等を見ると、Zoomがかなり優秀なように思います。今回も、ツーリング中に接続が切れることは一度もありませんでしたし。が、ここまでの通信品質だと通信量も気になるところだと思います。
下記は今回参加者の3時間くらいのツーリングでのZoomの利用実測値ですが、共有までに。
- 動画+音声:約1.5GB
- 音声のみ :約400MB
ある程度、月間のデータ容量に余裕がある契約でないと、動画込みはちょっと負担が高そうですね。私は、auのデータMAXプランなので、安心して使ってましたが。
あと、バイク組は常時GPS(ナビ)も動かしているので、スマホのバッテリー消耗にも気を使う必要がありますね。Zoomで動画配信もしながらの場合、バイクから給電していてもバッテリー残量が減るという激しさだったので、バイク組は何らかの給電準備は必須かなと。
また、昨今のZoomのセキュリティ周りの報道とかで、これを使うことに不安がある人もいらっしゃるかと。なので、皆さんのほうで実施される際は、ツール選定はご自身が納得いくものをドウゾ。ちなみにZoomで指摘されている懸念事項のいくつかは4/3までのアップデートで改修されている模様。
音声だけならFacebookメッセンジャーでも、LINEグループ通話でもいいんですが、ZoomのようなUIがあった方が楽しいのは間違いないですね。もし、このツールがいいよ!というのがあれば、ぜひ共有してください。
では、皆さん、Social Distancingで良い走りを!