昨年、ほぼ20年ぶりにリターンライダーとなったときに何に乗るかいろいろと迷った挙句に選んだのが、GSX400S 「カタナ」 でした。他にもいくらでも選択肢があったのに、なにゆえこんな車歴20年以上の旧車を選んだのか、また乗ってみてどうだったのか書いておこうと思います。
フォトジェニック
これにつきます。角度的には、この斜め前からのショットが一番好きで、特徴的なフロントカウルと、ハンドルからシートまでの長いタンク、フィンが切ってあるエンジンから集合管、ツインショックのサスにつながる造形がなんともいいです。
独特なメーターや、ほかの方向からの造形、景色の中においてもフォトジェニック。
おかげでインスタグラムを始めたほどです。バイクって、スペックや装備ももちろん重要なのですが、本来的には(特に家族持ちにとっては)合理的な乗り物ではないので、スタイルが気に入るかどうかは重要な要素ですよね。そういう意味では、私にとってカタナはとても満足度の高いバイクであったことは間違いありません。
そうそう、400とは言え、エンジン幅以外は750/1100に近い車格ですし、水冷のラジエターも見えにくい位置にあるので、GSX400Sはなかなかいいチョイスだと思いますよ。もうそろそろいいタマもなくなりつつあるので、このスタイルにピンときたらお早めに。
話しかけられる
ある種「オッサンホイホイ」的な要素がすごく強いバイクですね。カタナ自体はレースでの戦績もパッとしませんし、性能での絶対的なトップの位置にいた期間も短い(カワサキ Ninja 900にいろんな意味で抜き去られた)わけですが、生産中止後20年近くたった今でもこのバイクを覚えている人、知っている人がとにかく多いです。まさに記録よりも記憶に残るバイク。
理由の一つは、間違いなくマンガの影響。世代や趣味、趣向によってベストは異なると思いますが、代表的なものを上げると
というところでしょうか。個性の強いキャラが乗っていたことで、カタナがある種「神格化」していった感じですね。誰かプロデューサーが仕掛けたわけでもないですが、カタナというブランドにその人ごとにストーリーがある感じ。ちなみに、私のお気に入りはキリンの中でも「RUN THE HAZARD」編ですかね。意外と初期のキリンおじさんの話しか読んだことない人もいるかと思いますが、この若いキリンが出てくるストーリーもおすすめです。東本先生の作画クオリティも安定してきていている時期の話でその意味でもおススメ。単行本なら19巻から35巻ですね。
で、とにかく行く先々で話しかけられます。信号待ちの時でさえ、隣のバイクから声をかけられるほど。声をかけてくれるのは自分の前後10歳くらいの層が多いのですが、若者も「おー、これがカタナですか。実物を近くで初めて見ました」的な感じで話しかけてきてくれますね。あと外人ウケもよく、飛行機で隣り合わせた外人から(自分かカタナが出ている雑誌を読んでいたので)話しかけられることも。カタナじゃなければ、これだけ多くのバイク乗りの人と話をすることもなかったかもしれませんし、純粋にカタナの話をするのは楽しいですね。
カスタムしやすい
車歴が長いのと、人気のある車種なので、様々なカスタムのパーツやTIPSには事欠きません。自分のカタナは、免許の制限があり400だったのですが、このモデルの定番カスタムといえばインパルスの17インチホイールへの換装。これで選べるタイヤの種類もぐっと広がりますし 、フロント18インチの癖も解消されるわけです。幸い、自分が購入したのは初めから17インチホイールに換装済。さらにKERKERの集合管がついていたので、音的にはこれ以上うるさくしちゃいけないレベルではありますが、4気筒の良さを堪能することができました。高速のトンネルの中とかで回転数高めで走るとホントにいい音がします。リヤサスも社外品が入っていたのですが、これはフィーリングが良くなかったので購入後にYSSのモノに変更したのですが、この旧車につくサスペンションがいまだに新品でリリースされていることにも驚きます。このサスで、初めて「減衰調整」の重要さを学びました。
旧車なので、ETCやUSB端子の取り付けにはスペースが厳しい感じもありますが、ちゃんとTIPSがあって無事に装着。旧車ながらもこうした装備のおかげでツーリングもとても楽に。ただし、これも買ったときについていたバックステップは恰好はいいのですが、長距離ツーリングにはつらいポジションでした。(峠はもちろんOKですが)
あと、メーカーのスズキからのパーツ供給もすごくきちんとしていて、新規の部品もいまのところちゃんと手に入ります。このあたりはさすがの日本車クオリティ。
もうちょっと手元に持っていたら、ポジションやブレーキ周りで、もっといろいろと手を加えていたことでしょう。そういう意味でもいつまでも手を入れ続けられる、オッサンホイホイなところがありますね。
おまけ:リセールバリュー
20年以上前のバイクなのに、買う時も結構高いなと思ったのですが(乗り出しで50万円以上)、さすが人気車種ですね。今回車両入れ替えで下取りをお願いしたところ30万円で買い取ってもらえました。1年ちょっとでの差額=20万円をどう見るか、ですがやはり20年以上たったバイクが新車時の価格の半額程度で売れるというのは、リセールバリューが高いバイクだといえるでしょう。
おかげで、次のバイクに踏み出しやすくなりました。
What’s Next?
とても気に入っていたカタナなのですが、最近限定解除したことで大型バイクへの入れ替えを考えるようになりました。がカタナも気に入っているので
とカタナを手元にもつ選択肢も含めいろいろ考えたのですが、自分のバイクの使い方がツーリング主体だということが分かってきたので、もう少しツーリング向けに振ったバイクに乗り換えることにしました。これから新しいバイクの引き取りに行ってくるわけですが、やはりカタナはいいバイクだったということで、感謝も込めてブログに。
ありがとう「カタナ」!