マーケティング、エバンジェリズム、ときどき旅。

ホントに自分がなりたいのはマーケターかエバンジェリストか、はたまた旅人なのかを徒然に書いていくブログです。

AWS 太平洋戦線をかく戦えり。

この週末は旅に出ている予定だったのですが、諸々あってキャンセルに。そうしたら、現ウフルの八子さんから、八子さん主催のクラウド系の勉強会でお話ししませんか? とのご連絡が。すでに、登壇まで24時間切っていましたが、これまでの振り返りをするいい機会でもあると思い、お受けしました。とりあえずその時に決めたタイトルが「AWS 太平洋戦線をかく戦えり」。

で、表紙に使おうと思った写真がコレ。

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先日のアメリカ東海岸旅で久しぶりに再会してきた空母「INTREPID(イントレピッド)」。第二次世界大戦から、ベトナム戦争までを戦い抜いた歴戦の空母ですが、退役した姿がちょっと自分にも重なりつつ、の採用です。

ヨコ(競合)を見るのではなく、前(顧客、市場)を見よう

 当日の会合のお題は゛日本のクラウドの「今と今後」゛。私自身は、国産ベンダーで働いた経験はない+AWSの今後を語る立場にはないので、あくまでもAWSでやってきた事実ベースのお話しと、外から国産クラウドベンダー(主にIaaSレイヤ)の皆さんを見てきて思ったことを交えお話ししました。

お伝えしたかったことを一言でいうと、「自分の顧客、市場はどこか」を理解、定義することがとても重要ということです。AWSのサービス自体の競争力(機能、料金とも)が非常に強いのは私がこのビジネスに関わった7年前も今も変わらない(というか、より強くなっている)わけですが、そのAWSと同じ市場を戦うのか、それとも違う市場で勝負するのか、国産ベンダーの皆さんは少し曖昧だったのではないかと感じていました。実際、「EC2に比べて」とか、「S3のAPI互換で」といった、個々の機能や価格でのピンポイントでの比較の話が多かった(今でも!)ように思います。もちろん、そうではないベンダーさんや担当の方もいたと思いますが、私が外から見ていた限りは前(顧客、市場)を見るより、ヨコ(競合製品)を見ていた人が多かったように感じています。

顧客、市場を見る重要性は、以前もブログで書いた通り。

stilldayone.hatenablog.jp

 

製品力があれば勝てるほど、ビジネスは簡単ではないと思っています。現に、AWSが日本でスタートした時のポジションは結構逆風だったわけです。

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ビジネスに「IF」は禁物ですが、日本の市場だけで勝負するのであれば、AWSも盤石だったわけではなく、あらゆる顧客層にリーチするのは到底できない状況でした。実際、「(米国とは市場が違うから)、日本でAWSは流行らない」と対面で言われたことも多々ありました。であるのであれば、日本の顧客、市場に合わせた戦略で、国産ベンダーがマーケットをとることもできたはずです。

詳細はスライドを見ていただければいいと思いますが、その当時のAWSの日本における市場設定は「アーリーアダプター」の獲得であり、そのための戦略は「ボーリングピン戦略」です。いわゆる「キャズム理論」に基づいたやり方で、別に特殊な考え方でも手法でもないのですが、思いのほか同じアプローチをされている方は少なかったように思います。

キャズム理論については、はぜひこちらを。古典ですが、今でも十分通用する書籍です。

 

5年たっても変わらないマインド

当日は国産クラウドベンダーの方々のプレゼンを拝聴する機会があったのですが、その中でも、「お客様が皆クラウドを望んでいるわけではない」とか、「SIからすると扱いづらいと思うので」、というクラウドファーストな視点からは程遠い、クラウドへのネガティブバイアスに同調しすぎたお話しをする方も複数見られました。AWSが東京リージョンを開設して、地理的なハンデを克服してから=直接的な競合になってから5年たった今でも、対抗軸の国産ベンダーさんがこうおっしゃるのは残念な気がしました。やはり新しいマーケットを一緒に作っていくプレイヤーであれば、真の意味でクラウドファーストなパッションを(少なくとも事業責任部署や企画担当であれば)持ってほしいところです。その思いがないと、新しい市場を攻略するのは、社内的にも社外的にもかなり困難に思います。もちろん、クラウド市場を立ち上げたくない(=現状ビジネスを延命、または拡張したい)、というのであればネガティブバイアスを利用する戦略もあるでしょう。また、クラウドはあくまでも品揃えの一つで、マーケットを取りに行くつもりはなかった、というのであればそれも納得です。でも、会場にいた多くのベンダーの方が、「今後クラウドファーストになる」「その市場で成功したい」と思っていらっしゃるとのことだったので、なおさら不思議な感じになったわけです。本気でやる気がないと、勝負には勝てないですよね。

クラウド戦役は第二幕へ

(IaaSの)アーリーアダプターをめぐる、第一次クラウド戦役はほぼ終了したと思います。これからはマジョリティの方へのクラウド浸透を推進したり、クラウド前提のIoT、ビッグデータ、AI、VR、決済周りの新しいアーリーアダプター獲得といった次の戦場に移ってきているというのが私の認識です。当然ながらAWSもこれまでのやり方から、新しい市場に向けた体制、戦略に急速にシフトをしているわけですが、その時に第一次クラウド戦役と同じ轍を踏むのか、新しいアプローチで国産ベンダーが先行するのか、注目したいところです。

先日、元マイクロソフト(現LINE)の砂金さんと、第一次クラウド戦役を振り返る(+ちょっとだけ将来展望を語る)対談がありまして、このあたりについても語っています。もしよろしければ、こちらも併せてごらんいただければと。

thinkit.co.jp

週末発表したスライドはコチラに。何かのご参考になれば幸いです。では、Good Selling!

www.slideshare.net

 

 

 

外から見たAWS re:Invent 2016 雑感

年々拡大するAWS最大のユーザーカンファレンス、AWS re:Invent。今年の来場者はついに30,000人を超えたとか。日本からの参加者もツアーだけで500人を超える(ツアー以外も含めると600人近いという話も)ということで、これだけの人が費用を払って参加するベンダーイベントはそうそう無いと思います。

今回、開催時期に私もアメリカにはいたものの、ラスベガスではなく東海岸のほうに。そこからソーシャルやネットニュースで流れてくるre:Inventの様子をみていたわけですが、初めて外から見たre:Inventの雑感を。

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 ※撮影:集合写真家 武市 真拓

ロックスター、ハミルトン先生降臨!

今回初めての試みだった、初日夕方のキーノートに、我らがジェームス・ハミルトン先生が登壇。風貌だけでなく、タイトル(役職)も”VP & Distinguished Engineer"とロックです。

itpro.nikkeibp.co.jp

今回のキーノートで、初めて生のハミルトン先生を見た人が多いかと思いますが、彼は飛行機での移動をしない人なんですよね。なので、日本のAWS Summit Tokyoにも何度か招聘をトライしたことがあるのですが、ついぞ叶わなかった人です。

AWSに入社したときから、社内のイベントでハミルトン先生の話を聞くたびにすごいなーと思っていて、ぜひ日本のお客様にも見ていただきたいと思っていました。で、2012年の一番初めのAWS re:Inventの際は、いろいろ頑張ってハミルトン先生に「ジャパンセッション」(日本からの参加者向けの同時通訳付きセッション)で講演してもらえた時は嬉しかったですね。ただし、その時はあまり日本の方になじみがなかったのか、満席にはならず、少し残念だったのですが。。。

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※2012年のジャパンセッションでのハミルトン先生

あれから4年、今年のre:inventでは、大きなステージ上で躍動するハミルトン先生に、日本から参加された方の多くが刺激を受けたようで、とてもうれしいです。

ちなみに、前述したハミルトン先生の飛行機嫌いはかなり徹底しているようで、日本で生のハミルトン先生をみたり、一緒に写真を撮ったりすることは今後もできないと思われます。気になるかたは、来年のre:Inventに参加して、ハミルトン先生と握手!

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www.facebook.com

ハミルトン先生のブログFacebookも注目です。

AlexaがいろいろAWSの中核に組み込まれてきてニンマリ

Amazon 在籍時から、AWSの外のサービスではありましたが、Amazon Alexa / Echoは要注目のサービスでした。もちろん、APIやバックエンドの環境を見ればAWSとの親和性が高いのは間違いないわけですが、音声インターフェースをいろんなサービス、製品に組み込めるところに(すぐそこにある)新しいイノベーションを感じてました。なので、今年のAWS Summit Tokyoでも、Alexa / Echoを随所にフューチャーしてたわけです。

blog.serverworks.co.jp

いや、この夏にAWS Summit Tokyoで先どりしておいてよかった。というのは、今回のre:Inventで、かなり大々的にAlexaがAWSとインテグレートされていたからです。

まずは、re:Invent参加者にEcho.dotが配られるという大盤振る舞いからはじまり、ブースでもビックエコーが登場

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タッチUIから、音声UIへの流れは間違いなく来ます。今後の利用者=ウチの息子のスマホでの検索シーンを見ると(Ok Google多用)ホントにそう思いますね。Alexaや、今回発表されたAlexaがらみのAWSサービスを使えば、このイノベーションはもっと早く、簡単に作ることができるわけです。

tech.recruit-mp.co.jp

リファレンススピーカーの仕様も公開になるなど、APIに続く、新しいエコシステムの構築戦略が垣間見えるので、今後も目が離せません。

getnews.jp

データ/コンテンツグラビティが加速

データやコンテンツが集積すると、そのまわり「引力」が働き、システムやアプリケーションが引き寄せられる、というのが「データ/コンテンツグラビティ」の考えです。既にAWS自体は、S3を代表するクラウドストレージやAuroraのようなクラウドDBに多くのコンテンツやデータを集積しているだけでなく、その活用方法にも多くのマネージドサービスが用意されていますし、ますます引力に贖えなく(笑)なってますね。

で、このデータをクラウドに集積するうえでのバリアーを低くする流れがここ数年の動きで見られるわけです。昨年登場したSnowballも、「アマゾンの物流網で、物理的にデータを配送する」というアプローチでこの流れを実現していたわけですが、一年たった今年はさらにその仕組みがパワーアップ。

www.publickey1.jp

トラックで運ぶ、その発想はなかった」人も多いかと。

トラックを見て、見かけが似ているからか「過去にコンテナDCとかあったよね?」というコメントも見られますが、このSnowmobileは、データ/コンテンツグラビティを加速する流れと見たほうが理解がしやすいと思います。コンテナDCに閉じ込めてしまうと、「グラビティ」は働きませんよ。

個人的なイチオシはAthena

AWSの今年の新サービスやエンハンスの発表数は1,000を超える規模になりました。re:inventでもIoTやAI、サーバーレス周りでも新しい発表が多く(先日日本でもリリースされたAmazon Dash Buttonのバックエンドとしても興味深いわけですが)、なかなか順位を決められないところですが、個人的にはAmazon Athenaを推しておきたいです。

GoogleのBigQuely 対抗、という面もあるでしょうし、そのように比較してつかってみるのも全くアリなわけですが、

data.gunosy.io

本質的には「Amazon S3にとりあえずデータを入れておけば、後であれこれできちゃう」というところが大きいですよね。あらかじめ利用用途が決まっていればDB設計もできるわけですが、IoTやモバイル等データジェネレーターの爆発的な拡大、Webのトラッキング技術の向上など、生み出されるコンテンツやデータ量が加速度的に増えている中で、すべてのデータ格納をあらかじめ構造化して準備するのでは追いつかないわけです。で、とりあえずS3においておけば後から対応できる(もちろん捨てることも、もっと安くアーカイブすることもできる)となれば、ここに集積するのは合理的な判断となります。前述の「グラビティ」を考えると、これは強力なソリューションです。というわけで、コンテンツ/データグラビティ信者の私的には、今回のイチオシはAthenaかなと。

祝:公式グローバルコミュニティイベント開催 in re:Invent

各国のコミュニティから多くの人がre:Inventにやってくるわけですが、こうした人たちが相互に知り合う場というのは、実はre:Inventでは正式にオーガナイズされたことがありませんでした。が、何度か日本からもプッシュをした結果(かどうかわかりませんが)、今回ついに公式のグローバルミートアップが。

yoshidashingo.hatenablog.com

これ以外にも、コミュニティリーダー間の交流にフォーカスした会合や、コミュニティヒーローの会合(これは以前からもあった)も並行開催。

 

もともと、ユーザーコミュニティ支援には前向きな会社ですが、日本でのJAWS-UGの活動(日本でJAWS Days、JAWS-UG Night in AWS Summit Tokyoを見たシアトルの人も多い)が、こうした動きを後押ししたことは間違いないです。日本だけでなく、世界に影響を及ぼすJAWS-UG、素晴らしいです!

単に参加するだけでなく、情報発信という意味でもコミュニティの力は増大してますね。今回、re:Inventに参加された記者の方が出された記事がだいたい20本くらいだと思いますが、JAWS-UGに参加しているデベロッパーやAWSパートナーの方からの情報発信(おもにブログ)は、ざっと数えても120を超える数で、アウトプット数が凄いです。帰国後も各地でre:Port、re:Growth、re:Cap等のオフラインの情報共有会を自主的に開催。アウトプットする人がどんどん増えて、それをきっかけに参加する人が増えるという「自走するコミュニティ」という立ち位置がますますはっきりしてきたと思います。

でもStill Day1ですね。JAWS-UGの皆さんのさらなる活動を期待しています。

あ、もちろんメディアの方のカバレッジも重要です。中でも、この記事は切り口を変えていて個人的にかなりヒットしました。

ascii.jp

番外:re:Playは現地で見たかった

こればっかりは、ソーシャルやレポートでは得られない体験ですよね。オフラインファーストで、この場にいた人だけが共有できるUX。今年は過去最大の規模だったので、ごらんになった方は素晴らしい体験だったと思います。

まだ今年のビデオは出ていないのですが、去年のre:Playのイメージはこちらで。

www.youtube.com

でも、やっぱり現地で見る体験にはかなわないですが。

 

最後にこれを読んでre:Inventへの参加に興味をもった人に、E-JAWSでもおなじみの東急ハンズ・長谷川さんのコメントを引用。

タイムラインが、ラスベガスで埋まっているだけどもw
これは、Amazon Web Services(AWS)のカンファレンスに私の友人知人が民族大移動してるんだけど
ポイントはですね
「会社を休んで、自腹で、40万くらいかけて、いくエンジニアがいる」
ということです。自腹です。
自腹(それも、40万)で、ITのカンファレンスに参加する、この熱量。
他では、ないですなぁ。

https://www.facebook.com/hideki.hasegawa/posts/1628440363848164?pnref=story

この熱量がさらに来年も増大すること間違いなし。まだ行ったことのない人は、今からre:Invent貯金を!(自前手配すれば40万円よりもう少し安くいけます)

 

 

CMC_Meetup -- コミュニティマーケティングのためのコミュニティ、始めました。

以前のエントリーでもふれたとおり、「コミュニティマーケティング」について考えるコミュニティ(ややこしい)を立ち上げることにしました。名称はCMC = Community Marketing Community 。そのキックオフを先週開催しましたので、コミュニティの紹介もかねたエントリーを。当日参加された方も皆さんいい笑顔でした!

 

CMCとは?

Communty Marketing Community の略称です。その名の通りで、コミュニティマーケティングについて、私が話すだけでなく、既に実践されている方や、これからやってみようという方によるコミュニティマーケティングを「言語化する場」や「体験できる場」としてデザインしたつもりです。基本的な考え方については当日の資料にも記載しましたが、

www.slideshare.net

抜粋するとCMCの位置づけはこのようになります。

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話の粒度を保つために、基本的には参加者を「コミュニティマーケティング」を実践する側の方に限定していますが、このクライテリアを満たす方で、参加してみたいという方はぜひご連絡を。IT業界には閉じていませんので、幅広い業界の方にJoinしていただきたいです。

 

オフラインファースト、アウトプットファースト、コンテキストファースト

コミュニティを活発にし、最終的には「自走できる」モードにまでもっていく上では、つぎの3つをデザインしておくことが重要だと思っています。

  • オフラインファースト:オフライン=F2Fな場でネットワークやコンテンツを作るのが先。オンラインで拡散するのはそれからの話。(ただし、SNSによってオンラインの拡散力が10年前より飛躍的に高まっていることは要注目)
  • アウトプットファースト:参加者ができるだけコミュニティを「自分ゴト」としてとらえられるように、情報発信(アウトプット)側に回れるようにする。LTやtwitterでリアルタイムに参加したり、事後にブログにまとめるところからでOK。「ブログ書くまでが勉強会」は真理。
  • コンテキストファースト:コミュニティ参加者の「興味の粒度」があっていることが重要。これが多様化してきたら、コミュニティの「株分け」や、「テーマ縛り」での開催も検討する段階。

 で、このコミュニティ参加を通じて、参加者の皆さんにはこの3つの重要性を「体感」いただきたいと思っています。なので、参加された方はまずはブログやFacebookTwitterでのアウトプットを! これの良さや難しさが体感できないと、コミュニティのファシリテーター側に回ったときに苦労することになると思います。

初ミートアップの内容

オフラインファースト、の鉄則に従い、まずはミートアップから始めます。当日はオープンしたばかりのTHE BRIDGE Xさんを借りての開催。会場設営もみんなで行います。

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今回は私のほうでキックオフをさせていただき、実際にコミュニティマーケティングやファンマーケティングを実施、またはそうしたコミュニティに参加している方々による登壇2名、LT6名の構成でした。たぶん、こうした話をまとめて聞いたり、質問(←重要)したりできるオフラインの場はこれまでなかったのでは? とおもいます。

当日の内容はこちらのブログでも紹介されていますが、

devrel.jp

どうしてこういう構成にしたか、スピーカー選択の考え方について書いておきます。

まず登壇いただいたサイボウズの伊佐さんとPFUの佐藤さん。伊佐さんは、JAWS-UGのフォーマットをよく理解されていて、それをサイボウズ式に実装したのが今回お話ししただいたkintone cafeの事例です。この事例自体が、JAWS-UGでのやり方が「再現可能」であることを表しています。感覚的にはJAWS-UGが5年くらいかけてやってきたことを、2年くらいで促成栽培できています。発表スライドにもそのあたりがよく説明されています。

www.slideshare.net

一方、佐藤さんはPFUOmoidoriの担当者ですが、JAWS-UGのやり方とかは全く関係なく、独自に「ファンマーケティング」を実施している方です。「ムービーにエバンジェリスト機能を持たせる」「PR会社を挟まないことで、熱量を直接伝える」など、独自の視点が私自身もすごく参考になりました。

こうしたアプローチが違えども、同じようにお客様をファン化し、その声をオンラインで広げていく活動をしている事例がいくつも存在することを知ることが、本質を知る上でいいと思いました。

また、LTについてはコミュニティ参加側、運営側、そして、コミュニティの終焉(ライフサイクル)まで様々な角度での体験談や課題を事例としてお話しいただきました。今回のキックオフの参加者の方にも、共感できる=自分ゴトにできる話を揃えられたと思います。

当日のアジェンダはこちらを。

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LTは時間(3分)に対して、内容が濃い話が多かったので、その中のいくつかはもう少し長い時間でお話しいただく機会を作りたいと思います。

懇親会重要

ミートアップ中だけでは、全員が話す側=アウトプット側に回るのも難しいですが、懇親会ならこれも比較的簡単にできます。なので、コミュニティ育成には欠かせない要素。今考えれば、全員自己紹介の時間を入れればよかったと思いますが、そんなファシリテートも必要ないくらい、熱く話をされていた方が多かったかと。ミートアップも事前エントリーからの欠席は1名だけと、すごく出席率が良かったのですが、懇親会にも8割近い方が参加していただけました。名刺交換も活発だったので、今回を機にネットワークが広がった方も多いかと。ちなみに懇親会につかったのは、こちらの餃子バー。立席かつワインボトルでお酒を注ぎあう形式も、会話促進剤となったようです。自分はいろんな人と話をするのに夢中で、実は看板メニューの餃子食べていないので、こんどこっそり行ってきます。

dayout.tokyobookmark.net

当日の雰囲気は、こちらのTogetterでもご覧いただけます。

togetter.com

そうそう、コミュニティにはハッシュタグはつきものですが、CMCでは #CMC_Meetup というハッシュタグで、ミートアップの模様をソーシャルにアウトプットしていきます。次回はより多くの方にご参加いただけるようにしたいと思いますので、ご期待ください!

Join US & Help US!

企業などでコミュニティ運営に携わる、企画されている方には広くご参加いただきたいと思います。クライテリアに合致していて、実際に参加されたい方は、CMCのFacebookグループにご招待しますので、私までコンタクトいただければと思います。

また、できれば年内に次回開催をできればと思うので、80人前後のミートアップ場所の提供をいただける方、ぜひご協力を!

 

 

給料日でTGIFな六本木でセンベロを敢行してきた話

センベロ - 呑み助には甘く響く言葉ですが、意外と実践する機会がないですよね。ということで、有志を募って敢行してきました。それも給料日でTGIFな六本木の街で。

 

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Inspired by 丸亀製麺

事の発端は、アスキーで紹介されていた丸亀製麺さんのセンベロ企画。

ascii.jp

これをFacebookで紹介したところ、たちどころに300以上のLikeと20を超えるコメントが。

www.facebook.com

この流れに乗るしかない、ということでさっそくイベントを立ち上げました。こういうのって、ほんとにFacebookは便利。

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自分の都合もあったのですが、日程は11月25日(金)。そうです、給料日でTGIFな日です。しかも場所は六本木。というのも、丸亀製麺さんでこの「センベロパック」をやっているお店が、六本木と新宿の2店舗しかないので、ここはよりセンベロ臭の低い六本木をセレクト。ということで、給料日、TGIF、六本木と一見センベロに一番遠そうなコンボで実施することにしました。

Let's センベロ

当日は6:30 pm スタートでセットしていたのですが、待ちきれない某女史からフライングスタートのお誘い。1時間前から、まさかのプレウォーミングです。

 

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時間になりました。本番スタート。丸亀製麺さんでは次のセットからセレクトできます。

  • Aセット:親子とじ+選べる3品+飲み放題 = ¥1,000
  • Bセット:うどん+選べる3品+飲み放題 = ¥1,000
  • Cセット:かつとじ+選べる3品+飲み放題 = ¥1,200 

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うどんを食べると〆になってしまいそうなので、AかC。かつとじを選びたかったのですが、200円とは言え、1,000円を超えてしまうと「センベロ」にならないので、Aセット一択で。ちなみに、この1,000円は税込みなので、本当に千円札だけ握りしめていけばセンベロできます

これがAセット。親子とじ+ハムカツ+とり天+ちくわ天と完全にビールシフトな構成です。

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今なら「うどん札」がもらえます。

でははじめましょう。カンパーイ。

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偉い人も結構混じってますが、センベロの前には平等です(笑)

30分一本勝負!

この丸亀製麺さんのセンベロパックのいいところは、時間が30分と決まっていることです。この30分の間に、飲食、お代わり、名刺交換といろんな要素を詰め込む必要があります。まさに呑みのLT(ライトニングトーク)。このスピード感が、場を一気に盛り上げます。で、「センベロ」ですから、この30分以内にベロベロにならなければいけません。というわけで、挨拶や会話をしながらお代わりをどんどんしていくという高等テクが要求されます。

飲み物は、ビール、ハイボールレモンサワーを選べて、セルフで注ぐタイプ。他の種類に飲み物を変えたいときは、グラスも替えてくれます。

ちなみに、私は5杯どまりでしたが、この日のトップスコアは30分で10杯飲むという素晴らしいROI。このバーを越えられる方をお待ちしております。

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センベロ鬼六訓

この日、30分で10杯という最長不倒距離をたたき出したセンベロキングから、翌日を快適に迎えるための教訓をいただいておりますので、こちらでシェアしておきます。これからセンベロ30分一本勝負に挑む方は、ぜひご参考に

  • 30分で10杯は飲みすぎ
  • 大声は出さない
  • うこんを飲むなど準備する
  • 次の日頭が痛くても文句を言わない
  • キングと言われて調子に乗らない
  • 揚げ物は控える

TGIFな夜は長い

センベロは大変盛り上がりましたが、30分で一気に火が付いた勢いはなかなか止まりません。結局このあと、各自別の飲み会や二次会へと移動。私も三次会までいっちゃいました。最後までお付き合いいただいた方(途中合流の方も)、お疲れ様でしたー。

センベロやってみたいけど、一人ではちょっと、、、という方はぜひご連絡を。好評だったので近々に2回目を企画したいと思います。今回はセンベロ臭を控えめにしたので、次は王道の立石あたりで。。。

washoku-lab.net

 

 

 

 

Sound of Engine -- 4ローターと2ストロークの咆哮を鈴鹿で堪能

先週末にエフハチを走らせて、20年ぶりくらいに鈴鹿に行ってきました。お目当てはコレ!

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多くの往年の名車が勢ぞろい、かつ単なる展示だけではなく、実際に走らせるイベントで、その名も「SUZUKA Sound of Engine」となかなか洒落ています。

日本のGoodwood Festival of Speedを目指す?

今年が2回目の開催となる、このSond of Engineというイベント、詳細や出場した各車の情報についてはサイトをみていただくのがいいと思いますが、元ネタというか、目標にしているのはおそらくこのイベント。

www.facebook.com

昨年、某ル・マン優勝車が大破するアクシデントがあったことでも話題になりましたが、それだけ全開走行をしてくれるということでもあり、その本気度が魅力的なモータースポーツイベントです。これを見に、わざわざイギリスまで行くのは大変ですが、規模は違えど登場する車種ではなかなかのラインナップが鈴鹿で見られるということであれば、これは行くしかないですよね。

会場まで、自分のクルマやバイクでいける、というのもモータースポーツイベントならでは楽しみなので、こうしたイベントが国内開催されるのはとても嬉しいです。来年以降も続けて、ぜひFestival of Speedに匹敵するイベントに育つといいですね。こうした「モータースポーツ」文化は、日本ではごく一部の(シニアな)愛好家のものになってしまっている感じがありますが、もっと若い人が来るようになるといいなと。

目玉はグループCとWGP250マシン

今回のイベントの目玉は、既にカテゴリーそのものが絶滅しているグループCカーと、WGP250の2ストロークGPマシンが鈴鹿を全開走行する、というところ。

なので、席もいいところをと思いラウンジ席(ピットロードの真上にあります)を奮発して確保。席とり合戦とは無縁の環境で「Sound of Engine」を満喫です。

ピットアウトしていくマツダ787Bもこんな感じで見えます。


MAZDA 787B Pit Out

で、787Bの4ローターがホームストレートを全開走行するとこんな音が!


MAZDA 787B -- Sounds of 4 rotors!

レシプロのグループCカーの音と比べると、音質の違いははっきり。


Group C Cars Pit Out


Porsche 962C in Suzuka

 このほかにも、動画でとっていないのが残念ですが、WGP250で活躍したNSR250のデモランもあって、久々に2ストロークレーシングエンジンの音をサーキットで聞きました。NSR250ではないですが、同じく2ストロークの古いカワサキ市販レーサー、H2R(最新のスーパーチャージャーモデルとは違います)の全開走行シーンをどうぞ。


KAWASAKI H2R (2 storoke) in Suzuka

 

レジェンドなシーンも

実際に走っている動画さえも見たことがない、古いレーシングカーも実際に走っているシーンが見られるのも、このイベントならではだと思います。個人的な一番はこちらのトヨタ7が、プリンスR380をホームストレートで抜き去るという、60年代さながらのシーン。ドライバーの人が言ってましたが、今のほうが整備状態が良くて振動も少ないとか。


Toyota7 overtakes Prince R380

まさにレジェンドなシーン。

お得なラウンジチケット

少し高いかなと思いましたが、個人的には奮発したラウンジチケットは楽しめました。会場ではこのパスを見せるだけで、VIP的な扱い。

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ピット上のテラス直結のラウンジが使えます。

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ピットウォークも優先で入れるなどストレスフリーな環境。レースカーや中島さん、星野さん、片山さんといったレジェンドレーサーとの写真もこんな感じで撮り放題です。

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来年もきっと開催されると思いますので、また来たいと思いますが、何人かこういうのが好きな人たちと来ると楽しそうです。来年は事前に参加メンバー募ります!

あ、もしパガーニやフェラーリ、ランボをお持ちの方は、エントリーすると自分の車で本コースを走れる仕組みもあるようです。エントリーフィーはどれくらいかかるか知りませんけど。。。 

 

プレゼン作成のちょっとしたコツ

以前のエントリーで、マイクロソフトの澤さんとエバンジェリズムについて対談した話をしましたが、その時の様子がCodeIQさんで、記事になっていました。

codeiq.jp

当日の内容はこちらを読んでいただければと思いますが、この時に参加者の方からいただいた質問で、「響くプレゼンテーション(スライド)の作り方」について、コツがあれば教えてほしいというものがありました。会場で、澤さんといっしょにお答えしたのですが、結構澤さんとやり方がかぶっているところもあり、面白いなと思った次第です。

特に、この二人だけの特別なやり方というわけではないでしょうが、逆にいうと二人とも共通した方法ということは、普遍的に効果がありそうなのでポイントだけまとめてみます。キーワードは、イメージ、質問、俯瞰です。(キホンのキである、レイアウトやフォントを揃える等、見栄えの話は入れてません)

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イメージはGoogle先生に聞こう

スライドに細かく文章を書くいても、実際のプレゼンの場ではかえって伝わりにくくなりますよね。なので、画像をつかったシンプルなスライドにしたい方も多いと思います。でも、なかなかドンピシャなイメージが湧かない、ということがありますよね。そんなときは迷わずGoogle先生に聞きましょう。

まずそのスライドで伝えたいテーマ、結倫、問題定義をなるべくワンフレーズに絞り込みます。で、そのフレーズをGoogleで画像検索かけると、その言葉を想起しやすいイメージがいくつか出てきます。そのイメージやイラスト(実際は、それに似たものをフリー素材のサイトや、自分で写真を撮ったりしたものを使いますが)をスライドに適用するという流れ、文字を極力排除することで、シンプルで伝わりやすいスライドが出来上がります。

同じ言葉でも日本語と英語でそれぞれ検索すると、けっこう違ったイメージが検索されるので面白いです。

参考:商用利用可能な写真素材まとめ

liginc.co.jp

参考:商用利用可能なイラスト素材まとめ

liskul.com

参加者への質問を入れよう

わりと基本的なテクニックですが、スライドの初めのほうに、会場向けの質問を入れておくとよいです。できれば手を上げてもらえるものがいいので、Yes / Noでこたえられるものとか、三択問題とか。こうしたスライドを用意しておいて、会場の人に手を挙げてもらうことで、オーディエンスのプレゼンへの興味や集中力が意外なほどあがります。質問の回答が意外性があると興味をひきやすくなりますが、もちろんプレゼン内容に関係ある質問でないと効果は少ないので、念のため。

どうしてもいい質問を考えられない、という時は参加者の属性を聞くのもいいです。どんな立場の人が参加しているのかを参加者と共有するだけでも、そのあとの話の進め方が簡単になりますよ。

質問を共有しよう

先ほどとは逆、つまり会場から質問をしてもらう構成にしておくと、プレゼン内容に対する参加者の理解が高まりやすいです。キーノートのような大きな会場だとオペレーションが難しいですが、参加者が100名未満の場合、セッション内にぜひ入れるといいですね。

日本だとセッションの後に、個別に質問に来ることが多いですが、これだと質問内容も共有されないし、結構同じ質問になんども回答することになるので、誰も得をしないです。よっぽどの大会場でない限り、質問はセッション内で吸収を。どうしてもセッション後に対応するしかない場合も、質問者には一列にならんでもらわず、扇形に集まってもらって質問のやりとりを共有するようにするといいです。これは澤さんオススメの方法。

紙に出してストーリーを俯瞰しよう

スライド作成途中に、なんどか見直しをすると思いますが、個々のスライドに入り込むと全体の流れが見えなくなることもあるので、全体のスライドを俯瞰するクセを付けましょう。澤さんはPC上で俯瞰作業を行うことが多いと言っていましたが、スライド枚数が多くなるとモニターの画面ではすべてを一覧することが難しくなりますので、それなりのスキルが必要となります。

そこで私のおススメは紙の印刷。PPTの場合6スライドを1枚に印刷する設定で、更にプリンターの設定を2ページをA4で1枚に印刷するようにすると、A4ヨコに12枚のスライドが入るカタチになります。スライドが60枚になっても5枚のA4に収まりますので、十分一覧性があります。

これを机に並べて、ストーリーを俯瞰します。気になったところに赤入れしたり、スライドの入れ替え、削除を書き込んでいくことで、スライド全体がブラッシュアップできるわけです。私の場合、90分くらいに及ぶキーノート用のスライドを作ることも多かったので、そうなるとスライド数も100枚を超えることもありましたが、この方法を使うと十分対応できます。また、これだけ一枚のスライドが小さく印刷されたカタチでレビューすると、シンプルなメッセージだけがスライドに残るようになりますので、個々のスライドのブラッシュアップにもつながります。

また、この方法はプレゼンのストーリーを共有する時にも有効です。他の人(上司)のプレゼンを作る必要がある方はぜひお試しください。

 

情シスがITコミュニティにもっと参加すべき理由

ここのところコミュニティ(マーケティング)の話で呼ばれることが多くなっていることを以前も書きましたが、

stilldayone.hatenablog.jp

 

今度は、企業イベントでこの話をする機会に恵まれました。その舞台はサイボウズさん主催の「Cybozu Days 2016」で、メインオーディエンスは情報システムの方々。というわけで幕張の会場まで行ってまいりました。

ちなみに、この日の基調講演では、「40代男性×無職」が一番心配されるポジションと紹介されたようで。。。 今回もパスに入れる名刺がなくてすみません(笑)

情シスとITコミュニティ

もともと、サイボウズガルーンで情シスの方へのリーチは多いベンダーさんのイベントなので、今回のオーディエンス設定は納得ですが、問題はコミュニティ話に興味のある人がどの程度いるか。というのは、私が知る範囲では、企業の情シスの方がコミュニティに出てくるケースがまだまだ少ない(または遅い)からです。

例えばJAWS-UG界隈だと 東急ハンズ長谷川さんフジテック友岡さんヤマハ発動機原子さんなど、情シスの方で積極的にコミュニティ活動に参加(というよりリード)している方もいるわけですが、絶対的な参加者数としてはまだ少数派といえます。しかし、いろいろなテクノロジーの目利きや、導入効果を知っておいたほうがいい情シスの人こそ、コミュニティにもっと参加すべきだと思っているので、今回のセッションは、私にとっては恰好のエバンジェリズムの場=アウェイであるわけです。

ですから、より多くの情シスの方に参加してほしいと思っていたのですが、当初はこのセッションの集客は出だしが良くなかったようです。「コミュニティ」というキーワードが情シスの方には響きにくいと思われることと、よくよく見ると、同じ時間帯には駅伝で有名な青山学院大学の原監督のセッションなど、なかなか強力な布陣でこれも逆風だったのかな、と。

Cybozu Days 2016 【東京】 - セッション情報登録 - サイボウズ株式会社

でも、サイボウズさんの継続的なプッシュもあり、最終的にはエントリーは満席に。当日も多くの方にセッション会場にいらしていただきました。セッション前に一緒に登壇するサイボウズ伊佐さんアスキー大谷さんといつものHere We Go!写真。

https://www.instagram.com/p/BMn32OxgWNY/

Here We Go! #cybozudays

セッション開始直後に、会場にいらした方に挙手をしてもらったのですが、おおよそ半分くらいが情シス関連の方、で、コミュニティ参加経験がある方は数人しかいないという、期待通りのオーディエンス層。 

情シスの人がITコミュニティに参加するメリット

パネル形式で行われたセッション内容については、アスキーさんの記事にも上がるとは思うので、このブログではセッションを通じて私がお伝えしたかったことを少し整理しておきたいと思います。

情シスの方がIT系のコミュニティに参加すべきと私が思っているポイントは、次の三つです。

  • 情報収集のスピードクラウド時代は製品や技術情報アップデートのスピードが速く、ベンダーからの説明やカリキュラムを待っていると周回遅れになることが多い。コミュニティ、勉強会に参加することで最新の情報に接することができます。コミュニティに出てくる、出てこないでここは大きな差が出るようになっています。
  • 得られる情報の幅が広い:ベンダーから提供される「製品の機能・性能」情報ではなく、使っている人による「導入・運用にかかわる」情報が得られる。更に、「ベからず集」的な導入失敗例や、自社の課題に対するコメントや回答も得られる。それも無償です。
  • リクルーティングに有利:自社に必要な人や、パートナーなど自社にとって必要なリソースと知り合える確度が高まります。また、コミュニティで自社の立ち位置が知られれば、求人やプロジェクトに応募してくる人も(適切な層から)増加する傾向にあります。

登壇側に回ることで、メリットが増大

では、単にコミュニティに情シスから人を送り込めば、上記のメリットが得られるか? という問いには簡単にYesとは言えません。なぜなら、会社側に持ち帰れる情報=メリットの量が、参加する人のセンサーやコミュニケーション能力に依存する部分が大きいからです。しかしながら、メリットを増大させるうえで一ついい方法があります。それは「登壇側に回る」こと。

これは多くのコミュニティを見てきて確信があるのですが、登壇側に回った方には、そのあとの懇親会やネットワーキングで、他の人から話しかけられることが圧倒的に多くなります。つまりインプットが多くなるんですよね。

情シスのマネージャーの方々は、部下がコミュニティに参加することで一番懸念されるのは「情報漏洩」的なものだと思うのですが、PC紛失やファイルの流出ではなく、人による(実害のある)情報漏洩は、情報量や拡散力(複製力)から言っても、意図的に行われない限りリスクはかなり低いです。意図的に情報漏洩させたければ身元が分かりやすいコミュニティからする人は少ないでしょうし、少なくともコミュニティへの参加と、情報漏洩リスクの増加は相関関係にはありません

で、逆にコミュニティで発表したり発言したりすることで、フィードバックが得られたリ、組織やその人の認知度が高まり、結果的に情報が向こうからやってくるという状況を作り出しやすくなります。別に何十分もあるプレゼン枠から始める必要はありません。多くのIT系コミュニティの勉強会で用意されているLT(ライトニングトーク)枠や、Q&Aの時に、皆の前で(←これ重要)質問をするだけでも全然違います。情シスのマネージャーの方が、部下をコミュニティに送り出すことがあれば、ぜひ登壇側に回るようにプッシュしてほしいです。

ホントにデメリットは少ないのか?

一番起こりうるデメリットとしては、外の世界を知ってしまった人が転職してしまうことがある、ということでしょうか。でも、これはそれ以上魅力的な職場環境を用意するしか手はないと思いますし、いくら隠していても、いつかはわかってしまうでしょう。

それよりは積極的にコミュニティに出て行って、周りを惹きつけられる存在、チームになったほうが断然前向きですし、メリットも多いです。

食わず嫌いになっている情シスの方も多いと思いますが、百聞は一見に如かず。ぜひ、気になる製品や技術の(興味のないテーマは自分事にならないのでダメ)コミュニティに参加してみてください。

コミュニティでは、製品、技術だけでなく、こんな実践的な話も聞けますよ。

ascii.jp

コミュニティ運営者のためのコミュニティ、始めます。

この日のセッションでも、コミュニティをはじめたい(運営側に回りたい)が、どうすればいいか、という質問が多く聞かれました。どうやらここには共通の課題や興味があるようなので、私もコミュニティ運営側に回って、こうしたトピックについて語れる場を作ってみようと思います。

先日Facebookでも書きましたが、11月24日に初回をやってみようと。一緒にやってみたい、という方はご連絡を!

www.facebook.com