You Are What You Eat: Reloaded
年末年始に台湾行き(101のカウントダウン花火狙い)を目論んでいたのですが、これは雪山旅に変更に。いけないとなると、俄然台湾のおいしいものが頭をよぎり始めるわけですが、それ以外にも旅先でいろいろ食べたなー、と。ということで、今回は9月の北海道ツアー以降に主に海外の旅先で食したもので、記憶に残っているものをいくつか。
台湾編
まずは台湾編から。実は、この10月に行ったのが初めての台湾だったのですが、ここはホントにおいしいものがたくさんありますね。その中でも個人的に響いたものをいくつかご紹介。
まずは「カラスミ」です。日本で食べるソレは、塩気が強いものが多い気がするのですが、台湾でいただいたカラスミはどこのお店のものも濃厚かつ塩気がそんなになく、良質なチーズを思わせる旨さ。当然ながら、お酒との相性抜群。
現地の人に連れて行ってもらった屋台的なお店で衝撃的な出会いをして以来、滞在中いくつかのお店でもいただきましたが、どれも抜群においしかったです。お土産で買ってこなかったのを後悔しています。これを食べるだけでも、行く価値あると思っています。
もう一つは、台北からわざわざ高鐵(台湾の新幹線)に乗って、高雄まで南下して食べに行った「サバヒー」。単なる魚のすり身のスープのはずですが、シンプルな中にも骨太な旨さ。食べたお店が、市場街にある大衆食堂のような場所だったのも旅愁をプラスして美味しさ倍増だったのかもしれませんが、これもまた食べに行きたい。
お値段も100元くらいと、とってもお安いです。(新幹線代を考えるとアレですが)
高雄では、「マンゴーかき氷」も外せません。日本では高級果実であるマンゴーがふんだんに使われているふわふわのかき氷は鉄板。日本でも食べられなくはないでしょうが、値段を含めた感動度合でいうと、やはり高雄に軍配が上がりますね。(注:交通費を除く)
書き出すとキリがないのですが、排骨、魯肉飯、線麺、点心も外せないところですね。
あー、また台湾行きたい。次は胡椒餅にもトライしたいです。
アメリカ(東海岸)編
12月のアタマにフィラデルフィア~ニューヨークを旅したのですが、アメリカで間違いない食事といえばステーキ。今回も何軒かステーキハウスに伺いましたが、どこもハズレなく美味しくいただきました。
が、ステーキの紹介ではあまりに普通なので、今回私的に大ヒットだったものをいくつか。
一つはフィイラデルフィアのステーキハウス(McCormick & Schmicks)でいただいたマグロの洋風おつまみ的な一品(品名は失念。。。)。写真もないのですが、ネットで探すとありました。たぶんコレですねー。
サイコロ状に切られたマグロに、スパイシーなハラペニョベースっぽいソースを絡めて、チップスと一緒にいただくのですがこれがいいコンビネーション。
あと、このお店でいただいたビアカクテル「Black & Blue」。ギネスとBlue Moonのハイブリットなわけですが、予想以上にイケてました。途中まで完全にギネスなんですが、気が付くとBlue Moon。見た目もいい感じです。
場所によっては「Black & Tan」とも言うそうで、そこそこメジャーなビアカクテルのようですが、私は初めての体験でした。これはキャンプや自宅でもできそうなので、日本でも再現してみようと思います。
ニューヨークでは、直前に仕入れた情報をもとに訪ねた1888年創業の老舗デリ、Katz' Delicatessenのパストラミサンド。
出来立てのパストラミの塊からその場で厚切りしてくれるパストラミをアメリカンサイズに詰め込んだもので、それまでのパストラミに対する認識が一変する逸品。マスタードとの相性も素晴らしいです。
このお店はパストラミだけでなく、コンビーフも出来立て(加工してすぐのもの)が提供されます。今度はコンビーフサンドもトライしないと。
もう一つは、いつもの定番的なお店ですが、ニューヨークのグランドセントラル駅にあるオイスターバー。ここでいただくマンハッタンクラムチャウダーは、シアトルのそれと違った味わいがあります。古いダイナー風な店のたたずまいと、店員のアメリカンな対応(笑)が旅気分を盛り上げます。
もちろん、食事自体はおいしいのですが、この雰囲気コミのお味といえますね。
ロシア編
先日、久々にビザの必要な国に出かけてきました。日本から最も近い外国の一つ、ロシア。
ここでは、メニューが全く読めないこともしばしばで、名前がわからない料理も多かったのですが、非常においしかったのが、このロシア風フィッシュスープ。
スープというより、タラやサケ、野菜がふんだんに入っていて、完全に一人鍋状態の旨さ。日本人には響きます。このお店自体はウラジオストクでも100年以上の歴史のあるお店で、これ以外も伝統的なロシア料理がたくさんあります。ウラジオストクにお越しの際は、ぜひ。
別のお店では、定番のボルシチもトライしました。日本で食べるのとちょっと違う感じですが、定番だけにおいしいです。
が、付け合わせに出てくるヨーグルトと酸っぱ辛い野菜のピューレ的なものは、別で食べるのかスープに投入するのかが謎。少しスープの中に入れてみましたが、一体感はなかったので、おそらく箸休め的に、別でいただくものなんでしょうね。
あと、日本でカニコロッケというと、クリームソースのコロッケを想像しますが、こちらでいただいたのはいわゆるクラブケーキをコロッケにしたもの。この組み合わせは初めてだったのですが、なかなかイケます。
ビールとの相性もよし。
その次に訪れたハバロフスクでは、夕食のときに、ついつい「日本風」居酒屋に入ったのですが、ここで出会ったのがこちらのサーモンロール。
出てくるまで、勝手にサーモンは巻かれる具材のほうだと思っていたのですが、この発想はなかった。。。完全に予想が外れました。日本でもこういうサーモンロールってありましたっけ? あと、ガリも紅ショウガ風で斬新です。海外にいるときは、日本料理屋に行くことはほとんどないのですが、久々に入ったらやはりヤラレました。。。
ハバロフスクでは、最終日の朝食が宿泊費にインクルードされていたのですが、いわゆる「朝定食」的なもので、いろいろとチョイスすることはできず。テーブルに運ばれてきたのがコレ。
豆腐(だと思われる)のソテーに、千切り野菜の酢漬け、甘いポテトケーキに酸っぱいヨーグルト添え、そしてパンのセットです。一つ一つはそんなに変な味でもないのですが、この組み合わせが謎です。私的には味の統一感がなかったのですが、これは定番朝食なのか、気になりますねー。
食って、その地域の文化が現れるものなので、できるだけ現地スタイルのものを食べるようにしています。台湾、アメリカ、ロシアは三者三様なスタイルで面白いです。ただ、魚の出汁が出ている食べ物はどこの料理でも日本人的には相性よしですね。アメリカは肉料理が鉄板ですが、オイスターやクラム等の貝系も捨てがたし。さて、次はどこへ何を食べに行こうかな。
日本から一番近いヨーロッパ、ロシア極東地域を旅する(後編) -- Исследуйте на Дальнем Востоке России
前編の行程を経て成田を飛び立ち、いざ日本から一番近い(ニホチカな)ヨーロッパ、ロシアのウラジオストクへ。想像以上の寒さに遭遇する旅。あと世界の車窓からシリーズも。
ウラジオストクは極東のサンフランシスコ?
2時間半のフライトで、ほぼオンタイムでウラジオストクへ。この日は天気も良く、着陸前は窓の外の夕陽がきれいに見えてました。その頃、ロシア上空ではこんなことがあったらしい。
日本担当のサンタクロースは現在ロシア上空にてIL-78から空中給油を受けている pic.twitter.com/BUdmJF0mLF
— 🇷🇺CSKA RU🇷🇺[RUS] (@CSKA_RU_BF4) 2016年12月24日
ウラジオストク空港は思いのほかコンパクト。懸案だった(ここで入出国カードを発行してくれるはずですが、確信がなかった)パスポートコントロールを無事通過し、ホテルまで送ってくれるガイドさんと合流。外気温はマイナス10℃を軽く下回っていて、想像以上に寒い!
正直に言おう、寒い! pic.twitter.com/cG67Tch3Ez
— Hideki Ojima (@hide69oz) 2016年12月24日
ホテルチェックイン後、夜の市内を散策。思ってた以上にヨーロッパですね。明るいところ(雪のおかげで夜も明るい)を歩いている限りは、治安もよさそうです。
サイハテの駅、ウラジオストク駅。シベリア鉄道の起点でもあります。
ちなみに、この日はクリスマスイブだったわけですが、あまりクリスマス色が強くありません。ホテルに送ってくれたガイドの方に聞いてみると、ロシア正教ではクリスマスは1月7日とのことで、12/24 - 25 はあまり意識していないようですね。で、クリスマス以上にお正月休みがイベントとしては重要とのこと。こういうのも、現地に行ってみないとわからないことが多いです。
というわけで、期待していたクリスマスムードはなく、一人でバーで食事。定番のビーフストロガノフですが、バーゆえにイティングがコロコロ変わり正確な色が写せません(笑)。日本でいただく薄切り肉ではなく、細切り肉がたっぷりの肉料理で、ちょっとイメージが違いましたがおいしいです。
翌朝は市場から、軍港へとぐるりと。市場の雰囲気はちょっとアジアっぽくもありますが、一番違うのはその気温。冷凍庫よりも寒いくらいなので、冷凍された肉、魚、加工食品がそのまま屋外で陳列されています。
教会は、ロシア正教独特な形。
昔なら、すぐにつかまってしまいそうですが、軍港を撮影してても何も言われません。
ちなみに、この軍港があるのが金角湾と呼ばれる内海で、ここは凍っていないのですが、数百メートル離れた外海側のアムール湾の海は、こんな感じで12月時点ですでに凍ってます。
ウラジオストクはロシア極東唯一の不凍港ということで、軍事的にも重要な拠点だということが分かります。そのため、ソ連時代は閉鎖都市指定されていて1991年までは外国人の立ち入りも禁止されていたところです。
一日歩き回ったウラジオストクの印象は「坂の町」ということ。海に面した坂に沿ってビルが立ち並んでいて、雪がなければサンフランシスコっぽい街並みです。湾を横断する橋やケーブルカー等、それっぽいアイコンもありますし。
ですが、この雪と寒さで路面は凍結しているのがサンフランシスコとは大きく違うところ。そこをスイスイと上がっていくのは日本車(走っている車の9割は日本の中古車=右ハンドル)ばかり、と日本製品の優秀さを感じますね。
あと、気が付いたのは雪の上を歩く現地の人の足取りが早いこと。自分も歩くのは結構早いほうだと思いますが、雪の上+坂が多いという条件だとどうしても慎重になりがちで、現地の女性にもどんどん引き離されるしまつ。この標識も、現地の人には不要なようです。
異国情緒たっぷりなシベリア鉄道
さて、この日のメインイベント、というより今回の旅のメインイベントの一つがシベリア鉄道の乗車。 さすがにモスクワのほうまで乗ると1週間くらいかかりますので、今回はまずはハバロフスクまで。シベリア鉄道全体の路線図を見るとちょっとの距離に見えますけど、これでも800km位ありますから、日本で換算すると東京から青森くらいの距離ですね。ここを11時間ちょっとかけて走破します。
今回は時間の関係で夜行にしましたので、外の景色を写真でとれませんでした。なので、沿線風景はこちらのイメージ動画をどうぞ。
出発は夜の9時。海外では多いですが、いわゆるプラットフォームがない駅になります。夜っていうのもあり異国情緒を掻き立てます。
今回は2等寝台を手配。一室に二段寝台が二つで4人定員になります。
車内の改札風景。車掌さんは女性です。
車内は暖房がガンガンに効いていて暑いくらいです。Tシャツに着替えて寝床の準備をしているうちに、列車は定刻通りに音もなく発車。 アメリカのAmtrak等と違い、警笛をあまり鳴らさずに(たぶん、踏切の数が圧倒的に少ない)進むので結構静かです。読書をしながら夜汽車気分に浸っていると部屋が消灯に。1日歩き回った疲れと、レール音の催眠効果で睡魔が。。。。
ハバロフスクへの到着は朝の8時15分の予定。7時過ぎくらいから皆が支度をはじめる気配で目が覚めました。ちょっと驚いたのはハバロフスクへの到着が定刻通りだったこと。少し時間にルーズなイメージを勝手に持っていたのですが、いい意味で裏切られました。緯度が高く、冬ということもあり、8時過ぎでも周りはまだ真っ暗です。
ハバロフスクに到着。 pic.twitter.com/76H49d5xts
— Hideki Ojima (@hide69oz) 2016年12月25日
ヨーロッパ感満載のハバロフスク
ウラジオストクも相当寒かったですが、更に内陸のハバロフスクはシベリア感満載の寒さ。ついた日もすでにマイナス20℃近く、この日は連続2時間を超えて外で活動することができませんでした。なので、ホテルをベースに何度か細切れに外出をしたのですが、朝イチで訪れたのがアムール川。写真のように全面凍結してまして、ちょっと日本では見られない風景です。
360°画像はこちらで。
これだけの規模の川が凍結したところに来たのはもちろん初めてで、面白がって川の上を歩き回ってましたが、芯まで冷える寒さ。スマホで写真を撮るたびに手袋を外すわけですが、このダメージが結構すごくて回復に時間を要しますね。とにかく体が動いていないと耐えられないので、街をひたすら歩きます。
で、歩くと写真に撮りたい景色に遭遇 →手袋外してダメージ →また歩く、の無限ループ。
ウラジオストクもヨーロッパ風ではありますが、ハバロフスクのほうがはるかにヨーロッパ度が高いですね。行ったことがないですが、たぶん東欧っぽいというか。若い人はスキーや登山用のようなスポーツ系の防寒着を来ている人が多いですが、少し年配の方は毛皮のコ―トと帽子をお召しになっている方が多いですね。これも写真で見たことがある東欧風。
歩いてばかりだと凍ってしまいそうなので、路面電車での移動も試みましたが、電車も古い形式が多く、趣はあるものの寒さをしのぐにはちょっと役不足な感じ。
夜になると、雪のおかげもあってさらにいい雰囲気になりますね。
思いのほか近い極東ロシア
さて、翌日4日目はもう帰国の日です。相変わらず、朝はまだ暗ーい感じ。
Доброе утро, Хабаровск pic.twitter.com/kXPkFCDGlN
— Hideki Ojima (@hide69oz) 2016年12月26日
朝の8時半にホテルで空港に送ってくれるガイドさんと待ち合わせ。ホテルから空港までも1時間もない距離です。
空港ほほとんどお店らしいものがないので、このあたりはヨーロッパの感覚とは違いますね。お土産を買う場合は、市内で調達しておくのが正解ですね。
ハバロフスク→成田も2時間半のフライトで、雑誌を読んでるうちにつく近さ。
この時間って、成田から自宅の最寄り駅までのバスの時間とほぼ同じなんですよね。こう考えると、極東ロシアの近さが際立ちます。
今回、年末で時間をあまりとれず3泊4日の短期旅行だったのですが、これでウラジオストク、ハバロフスクの2都市を回りシベリア鉄道まで乗れていますので、かなり充実の行程かと。ロシアが遠いと思っている人も、ビザ取得の手間とかはありますが、旅行代理店が全部手配してくれますので、一度トライしてみてはいかがでしょうか?
これだけ身近で、異国体験ができるところもなかなか無いと思いますので、おススメです。Have a Nice Trip!
日本から一番近いヨーロッパ、ロシア極東地域を旅する(前編) -- Исследуйте на Дальнем Востоке России
9月の北海道ツーリングから続けてきた旅も、次は変わったところに行きたい、という思いが強くなってきました。東南アジアやヨーロッパも考えましたが、既に誰かが行っているところが多くて決め手に欠ける。そんななか、ふとテレビで見たプーチン大統領のニュースを見て思いつきました。そう、お隣の国でありながら、ヨーロッパの雰囲気漂う(らしい)ロシアがあるではないですか! それもモスクワやサンクトペテルブルグではなく、ウラジオストクやハバロフスクといった(行った人が少なそうな)冬のシベリア地域をターゲット。
さっそく調べましたが、成田からフライトがあるウラジオストクもハバロフスクも2~3時間でつくという近さ。時差も1時間しかなく、日本一近いヨーロッパといえます。その近さから、代理店によっては「ニホチカ」というキャッチフレーズを使ってますね。その上、行ったことがある人が、私の周りにはほとんどいない模様。これは行かない手はないエリアです。
ロシアにはビザが必要
結構手間がかかったのがビザの取得。出発前にこれだけ手がかかった旅は久しぶりでした。ちょうどプーチン大統領の来日時期と重なり(大使館が忙しくて受け付けてくれない)受付時間がタイトなうえに、12月頭にアメリカに行っていたのでパスポートを大使館に提出する日程がギリギリ。かつ、ウラジオストクもハバロフスクも、成田から週3便程度しかフライトがないので、旅行日程も限られます。申し込みを決めた時点で、ビザ取得時間を考慮すると12月24日出発が年内では最短。来年に持ち越すと、行きづらくなりそうなので、家族の了承もとりつつ24日出発で申し込みました。
ロシアビザの取得には、日程=いつ入出国、どこに泊まる、を事前に完全FIXする必要があります。いわゆる自由旅行はまだ日本人には許可されていないんですね。すべてバウチャーと呼ばれる事前の行程表にのっとって移動する必要があります。
このあたり、社会主義だったころの名残かなと思いますが、安倍首相とプーチン大統領の関係が現在良好なこともあり、来年には短期であれば事前ビザ取得をせず、到着した空港で受け取れるようになるようです。ただその場合は、ウラジオストク空港に到着の場合は、ウラジオストクの外にはいけない(今回のようにハバロフスクまでの移動とかはNG)らしいですが、行きやすくなるのはいいですね。
ルーブルは入手困難
さて、出発当日。いつもは最寄り駅から一本でいけるリムジンバスを使うのですが、クリスマス渋滞を避けて、今回はNEXで移動としました。想像に反し、NEX車内は凄く空いててちょっと拍子抜け。
今回は久々にGregoryの出番。それにしてもNEXすごい空いてる。 pic.twitter.com/T67YsyHbHK
— Hideki Ojima (@hide69oz) 2016年12月24日
さて、成田に着きました。ロシア極東エリアで、どれだけクレジットカードが通用するかわからないので、まずは現地通貨=ルーブルを入手と思い、両替所へ。
おー、ここは扱ってないのか。そういえば前日にロシア渡航歴のある父親から「円→ルーブルへの両替が難しいので、(現地で一番通用する)米ドルを持っていけ」とアドバイスをもらっていたことを思い出しました。米ドルも少し持ってましたが、他の両替所ならルーブル入手できるだろうと思い、2軒目。
ちょっと焦ってきました。さすがに1ルーブルもないまま現地に行くのはマズイよなと思いつつ、3軒目へ。
ここでようやく入手。京葉銀行ありがとう!アメリカならそんなに現金を持たないで行くのですが、今回は現金を少し多めに、ということで4日間で3万円≒12,300ルーブルの換金です。(ホテル代、主要交通費は支払い済)
お初、S7エアライン
成田から第一目的地、ウラジオストクまではS7エアライン、いわゆる旧シベリア航空を使います。ちなみにJALのマイレージがつきます。
時間になりましたので、少し派手な機体に搭乗。機材はエアバスで残念ながらイリューシンやツポレフといったロシア製の機材は現在運航していません。
Go North! S3 ならぬ S7 でBeyond the Cloud. pic.twitter.com/f5HSeKhLje
— Hideki Ojima (@hide69oz) 2016年12月24日
出発は第二ターミナルなので、LCC扱いではないですが、オーディオもモニターもないエコノミーな仕様。まぁ、2時間30分のフライトですので特になくても問題ありません。機内はロシアな方がお土産と思しき荷物をたくさん持ち込んで搭乗されてましたが、あるお客さんが持っている手荷物にくぎ付け。スシローのお持ち帰りセット(大き目の丸い寿司桶)をそのまま持ち込んでいる人が。きっと、日本のお寿司をお土産にと思ったんでしょうけど、これで税関通過できるんですね。ちょっとカルチャーショック。
では、いざロシアの地へ!
後編に続く
エフハチに乗り換えました。
昨年リターンライダーになってから乗っていた400カタナは大変気に入っていたのですが、大型2輪免許取得を機に、大型に乗り換えることにしました。新しい機種は自分でもビックリの外車、BMW F800S。通称エフハチ(またはエフハチS)です。
エフハチって?
BMWがミドルクラス(といっても800ccと、いわゆるナナハンより大きいわけですが)に2006年から投入した比較的新しい「F800」というシリーズで、かなりスポーツよりに振ってあるモデルです。このBMW F800シリーズでスタントをやるChris Pfeifferrという有名な人がいるのですが、その人が乗るとこんな高機動な動きを見せます。 はい、バイク自体のポテンシャルはかなり高いです。
エフハチ選定までの道のり
当初は、油冷最終型のスズキ GSX1100Rを狙っていました。カタナ乗りのバイブル、「キリン」でも、二代目キリンがカタナの後に乗っていたのが確か油冷最終のGSX1100R。そんな流れもありますし、ハーフカウルにして油冷エンジンが見えるようにすると今見ても相当カッコいいです。
ですが、いざいろいろと調べてみると次の2点が気になってきました。
- レビューを見ると、振動が大きいというコメント多い
- 設計、登録が25年以上前 ⇒ 乗りやすさに疑問
振動についてはカタナ(も4気筒とは思えない振動あり)でのロングツーリング時にも結構負担になってましたし、何より登録から20年以上たったバイクは、ヤレ具合もそれなりにあるわけで、だんだんと候補から落ちていくことに。
じゃあ、設計年度が新しければいいのか? といことで同じスズキのGSX1300R ハヤブサも考えましたが、さすがにこれは車体もパワーもてあましそう。なにせ200hp、300kmオーバーのバイクですから。でもデザインはすごくいいので、いつかは。。。
今一度、自分がほしいバイクのポイントを整理すると以下の通り
- カウルは欲しい(ハーフカウルが好み)
- もっとコントローラブル&よく効くFブレーキ(カタナでは低速時にガツンと効いてしまうクセがあった)
- できればグリップヒーター(北海道ツーリングで実感。手が寒い!)
- シフトインジケーター、燃料計があると楽(カタナのデザイン重視なメーターにはこんな機能なし)
- 荷物が積みやすいリア形状(ツーリング派なので)
- 片持ちのリアサスに憧れ(単純にかっこいい)
- リアタイヤのサイズは180以上(160とかだと、リアビューが貧弱)
- バックステップ不要(特にロングツーリングで)
この中で片持ちリアサスを除くと、ヤマハのMT-09 トレーサーあたりはかなりイケてる感じです。新車でも比較的リーズナブルですし、3気筒エンジンも新設計でパワフル。グリップヒーター等も、オプションをいろいろ組み合わせれば、ほぼ要求を満たします。
で、トレーサーにだいぶココロが傾いてきたところで(実際に、レンタルバイクでMT-09の半日試乗までしています)偶然見つけてしまったのがBMW F800S。すでに絶版(同じシリーズのF800RやF800GT、オフロード仕様のF800GSは継続販売しているのに)のバイクですが、2006年デビューと設計年度も新しいですし、ハーフカウルの形状もなかなかいい感じです。何よりも、ほとんど見たことがないレア車でありながら、ルックスが自分好み。試乗記事やレビューを見てみてみても、なぜ絶版になったのかがわからないくらい軒並み高評価。とくに乗りやすさ、ブレーキコントロールのしやすさはかなりいい評価が出ています。
そういえば、初代キリンが乗り換えたバイクもBMWだったなー(モデルは違います)、と勝手に自分のなかでカタナ→BMWの理由もつけて、気持ちはほぼ固まりました。あとはマメに中古車情報をチェックする日々、探し始めて2週間くらいで出会ったのが今の個体。34,000kmと走行距離はそこそこ行ってましたが、外装の程度もよく、グレードも「ハイライン」という、グリップヒーター、オンボードコンピューター、ABS装備とフル装備のグレード。おまけにセンタースタンド(これはたぶんオプション)もついていたので、洗車とかがやりやすそうな一台。さっそくお店で金額交渉。カタナを下取りに入れることで、なんと追い金20万円で乗り出し可能という好条件。車検取得、バッテリー交換、オイル交換、ETC+USB給電+スマホホルダーのカタナからの移設、およびエフハチの特徴であるリア駆動のベルト(エフハチはチェーンではなく、ベルト駆動)交換もコミです。バイカーズステーションSOXさん素晴らしい! まぁ、カタナの下取り価格が高いとも言えますが。
で、納車日にエフェクト付きでパチリ。以前のカタナ(右)ともちょっと雰囲気似てますね。
乗ってどうだったか?
納車されてから1か月半ほど経ちましたが、一言でいうと、「乗りやすい」バイクです。さすがBMWの意欲作。大型バイクではありますが、まずエンジンがコンパクトに設計されており(設計は名門ロータックス)、ガソリンタンクもシート下に配置されているので軽量、低重心。長さが少しありますが、ほぼ400ccバイク的な取り回しで扱えるユーザーフレンドリーな設計です。これまで並列4気筒のバイクしか所有したことがなかった(カワサキZX-4 → ホンダ CB-1 → スズキ GSX400S カタナ)のですが、今回初の2気筒エンジンとなったのでそのパフォーマンスには興味がありました。結論からいうと、4気筒っぽいドラマチックな伸びはないものの、400ccの単気筒×2のトルクはなかなかのもので、低速でも結構扱いやすいエンジンです。
成り立ちを含め面白いエンジンなので、これだけで記事が一つ成立するほど。
回せばかなりの速さになるのですが、流しながら走ってもストレスにならないのが2気筒はいいですね。4気筒はどうしても「回せ!、回せ!」とエンジンに急かされる感じがあるのですが、そういう神経質なところは皆無です。更に、決定的に改善したのがブレーキ性能。これがブレンボかー、というコントロールと制動力。扱いやすいエンジンとブレーキ、およびハンドリングの良さで結果的に山道も走りやすいくなっています。カタナよりだいぶ楽になりました。
また、フロントビュー、リアビューとも個人的にはすごく好みです。片持ちサスのおかげで、リア周りのデザインも今風です。
カタナの時は、ほとんどソロツーばかりだったのですが、最近バイクに乗っていることがだいぶ知られてきて、ツーリングのお誘いをいただくようになりました。数台で連なって走るのも、また独特の面白さがありますね。
あと、燃費がすこぶるいいです。街乗りでも以前のカタナ並みに走りますが、高速や信号のない道主体の走行だと、満タン(16L)で400km位に届く勢い。以前、カタナで高速道路走行中にガス欠になって怖い思いをしたので、航続距離は重要な点なのですが、この点についても満足できる性能です。ヨーロッパ車の常で、ハイオク仕様ではあるのですが、この燃費であれば気にならないレベルです。
もう一点、グリップヒーターの存在は大きいです。これがあるので冬になってもバイクに乗り続けられますね。今後買うバイクでも、グリップヒーターは必須装備になりそうです。
気になるところは?
国内仕様はローシートが標準で、足つきの良さには貢献しているのですが、ステップとの間が窮屈だな、と感じてました。長距離走ると足がつりそうになったりも。これは思いがけず知り合いからF800用のハイシートを譲っていただくことができ一気に改善。見た目もなかなかいい感じです。
もう一つは、メーター周りですかね。オンボードコンピュータの各種機能はとても重宝するのですが、スピードメーターとタコメーターが上下でつながったレイアウトがどうもしっくりきません。まぁ、走るうえでは特に支障はないのですがどうしてこういうレイアウトになったかは、理解に苦しむところではあります。
これはバイクそのものの問題ではないのですが、ナビに使っている古いカシオのスマホ(いわゆるGショックスマホですね)が、異常終了することが多いのと、明るいところで画面が見ずらいのが難点。ここはいつかリプレースですね。
でも、普段使っている感じではほとんどが気にならない些細なところ。全体的にはとても気に入ってます。
JAWS-UG バイク部
バイクに乗っていることをソーシャルやブログで書くうちに、「私も乗ってますよ」と声をかけてくれる方が多くなってきました。知り合いの多いJAWS-UG界隈でもそういった方が多いので、有志でJAWS-UGバイク部設立に動いてます。ロゴとかもいま準備中(下記の案から選定中)ですが、決まったらロゴ入りTシャツとか作ろうと思っていますので、JAWS-UG界隈でバイクに乗られている方はぜひご連絡&ご参加を!
Facebookグループも準備中:https://www.facebook.com/groups/1080095175446137/
これから寒くなりますが、それに負けず一緒に走る人、募集してます!
AWS 太平洋戦線をかく戦えり。
この週末は旅に出ている予定だったのですが、諸々あってキャンセルに。そうしたら、現ウフルの八子さんから、八子さん主催のクラウド系の勉強会でお話ししませんか? とのご連絡が。すでに、登壇まで24時間切っていましたが、これまでの振り返りをするいい機会でもあると思い、お受けしました。とりあえずその時に決めたタイトルが「AWS 太平洋戦線をかく戦えり」。
で、表紙に使おうと思った写真がコレ。
先日のアメリカ東海岸旅で久しぶりに再会してきた空母「INTREPID(イントレピッド)」。第二次世界大戦から、ベトナム戦争までを戦い抜いた歴戦の空母ですが、退役した姿がちょっと自分にも重なりつつ、の採用です。
ヨコ(競合)を見るのではなく、前(顧客、市場)を見よう
当日の会合のお題は゛日本のクラウドの「今と今後」゛。私自身は、国産ベンダーで働いた経験はない+AWSの今後を語る立場にはないので、あくまでもAWSでやってきた事実ベースのお話しと、外から国産クラウドベンダー(主にIaaSレイヤ)の皆さんを見てきて思ったことを交えお話ししました。
お伝えしたかったことを一言でいうと、「自分の顧客、市場はどこか」を理解、定義することがとても重要ということです。AWSのサービス自体の競争力(機能、料金とも)が非常に強いのは私がこのビジネスに関わった7年前も今も変わらない(というか、より強くなっている)わけですが、そのAWSと同じ市場を戦うのか、それとも違う市場で勝負するのか、国産ベンダーの皆さんは少し曖昧だったのではないかと感じていました。実際、「EC2に比べて」とか、「S3のAPI互換で」といった、個々の機能や価格でのピンポイントでの比較の話が多かった(今でも!)ように思います。もちろん、そうではないベンダーさんや担当の方もいたと思いますが、私が外から見ていた限りは前(顧客、市場)を見るより、ヨコ(競合製品)を見ていた人が多かったように感じています。
顧客、市場を見る重要性は、以前もブログで書いた通り。
製品力があれば勝てるほど、ビジネスは簡単ではないと思っています。現に、AWSが日本でスタートした時のポジションは結構逆風だったわけです。
ビジネスに「IF」は禁物ですが、日本の市場だけで勝負するのであれば、AWSも盤石だったわけではなく、あらゆる顧客層にリーチするのは到底できない状況でした。実際、「(米国とは市場が違うから)、日本でAWSは流行らない」と対面で言われたことも多々ありました。であるのであれば、日本の顧客、市場に合わせた戦略で、国産ベンダーがマーケットをとることもできたはずです。
詳細はスライドを見ていただければいいと思いますが、その当時のAWSの日本における市場設定は「アーリーアダプター」の獲得であり、そのための戦略は「ボーリングピン戦略」です。いわゆる「キャズム理論」に基づいたやり方で、別に特殊な考え方でも手法でもないのですが、思いのほか同じアプローチをされている方は少なかったように思います。
キャズム理論については、はぜひこちらを。古典ですが、今でも十分通用する書籍です。
5年たっても変わらないマインド
当日は国産クラウドベンダーの方々のプレゼンを拝聴する機会があったのですが、その中でも、「お客様が皆クラウドを望んでいるわけではない」とか、「SIからすると扱いづらいと思うので」、というクラウドファーストな視点からは程遠い、クラウドへのネガティブバイアスに同調しすぎたお話しをする方も複数見られました。AWSが東京リージョンを開設して、地理的なハンデを克服してから=直接的な競合になってから5年たった今でも、対抗軸の国産ベンダーさんがこうおっしゃるのは残念な気がしました。やはり新しいマーケットを一緒に作っていくプレイヤーであれば、真の意味でクラウドファーストなパッションを(少なくとも事業責任部署や企画担当であれば)持ってほしいところです。その思いがないと、新しい市場を攻略するのは、社内的にも社外的にもかなり困難に思います。もちろん、クラウド市場を立ち上げたくない(=現状ビジネスを延命、または拡張したい)、というのであればネガティブバイアスを利用する戦略もあるでしょう。また、クラウドはあくまでも品揃えの一つで、マーケットを取りに行くつもりはなかった、というのであればそれも納得です。でも、会場にいた多くのベンダーの方が、「今後クラウドファーストになる」「その市場で成功したい」と思っていらっしゃるとのことだったので、なおさら不思議な感じになったわけです。本気でやる気がないと、勝負には勝てないですよね。
クラウド戦役は第二幕へ
(IaaSの)アーリーアダプターをめぐる、第一次クラウド戦役はほぼ終了したと思います。これからはマジョリティの方へのクラウド浸透を推進したり、クラウド前提のIoT、ビッグデータ、AI、VR、決済周りの新しいアーリーアダプター獲得といった次の戦場に移ってきているというのが私の認識です。当然ながらAWSもこれまでのやり方から、新しい市場に向けた体制、戦略に急速にシフトをしているわけですが、その時に第一次クラウド戦役と同じ轍を踏むのか、新しいアプローチで国産ベンダーが先行するのか、注目したいところです。
先日、元マイクロソフト(現LINE)の砂金さんと、第一次クラウド戦役を振り返る(+ちょっとだけ将来展望を語る)対談がありまして、このあたりについても語っています。もしよろしければ、こちらも併せてごらんいただければと。
週末発表したスライドはコチラに。何かのご参考になれば幸いです。では、Good Selling!
外から見たAWS re:Invent 2016 雑感
年々拡大するAWS最大のユーザーカンファレンス、AWS re:Invent。今年の来場者はついに30,000人を超えたとか。日本からの参加者もツアーだけで500人を超える(ツアー以外も含めると600人近いという話も)ということで、これだけの人が費用を払って参加するベンダーイベントはそうそう無いと思います。
今回、開催時期に私もアメリカにはいたものの、ラスベガスではなく東海岸のほうに。そこからソーシャルやネットニュースで流れてくるre:Inventの様子をみていたわけですが、初めて外から見たre:Inventの雑感を。
※撮影:集合写真家 武市 真拓
ロックスター、ハミルトン先生降臨!
今回初めての試みだった、初日夕方のキーノートに、我らがジェームス・ハミルトン先生が登壇。風貌だけでなく、タイトル(役職)も”VP & Distinguished Engineer"とロックです。
今回のキーノートで、初めて生のハミルトン先生を見た人が多いかと思いますが、彼は飛行機での移動をしない人なんですよね。なので、日本のAWS Summit Tokyoにも何度か招聘をトライしたことがあるのですが、ついぞ叶わなかった人です。
AWSに入社したときから、社内のイベントでハミルトン先生の話を聞くたびにすごいなーと思っていて、ぜひ日本のお客様にも見ていただきたいと思っていました。で、2012年の一番初めのAWS re:Inventの際は、いろいろ頑張ってハミルトン先生に「ジャパンセッション」(日本からの参加者向けの同時通訳付きセッション)で講演してもらえた時は嬉しかったですね。ただし、その時はあまり日本の方になじみがなかったのか、満席にはならず、少し残念だったのですが。。。
※2012年のジャパンセッションでのハミルトン先生
あれから4年、今年のre:inventでは、大きなステージ上で躍動するハミルトン先生に、日本から参加された方の多くが刺激を受けたようで、とてもうれしいです。
ちなみに、前述したハミルトン先生の飛行機嫌いはかなり徹底しているようで、日本で生のハミルトン先生をみたり、一緒に写真を撮ったりすることは今後もできないと思われます。気になるかたは、来年のre:Inventに参加して、ハミルトン先生と握手!
AlexaがいろいろAWSの中核に組み込まれてきてニンマリ
Amazon 在籍時から、AWSの外のサービスではありましたが、Amazon Alexa / Echoは要注目のサービスでした。もちろん、APIやバックエンドの環境を見ればAWSとの親和性が高いのは間違いないわけですが、音声インターフェースをいろんなサービス、製品に組み込めるところに(すぐそこにある)新しいイノベーションを感じてました。なので、今年のAWS Summit Tokyoでも、Alexa / Echoを随所にフューチャーしてたわけです。
いや、この夏にAWS Summit Tokyoで先どりしておいてよかった。というのは、今回のre:Inventで、かなり大々的にAlexaがAWSとインテグレートされていたからです。
まずは、re:Invent参加者にEcho.dotが配られるという大盤振る舞いからはじまり、ブースでもビックエコーが登場。
タッチUIから、音声UIへの流れは間違いなく来ます。今後の利用者=ウチの息子のスマホでの検索シーンを見ると(Ok Google多用)ホントにそう思いますね。Alexaや、今回発表されたAlexaがらみのAWSサービスを使えば、このイノベーションはもっと早く、簡単に作ることができるわけです。
リファレンススピーカーの仕様も公開になるなど、APIに続く、新しいエコシステムの構築戦略が垣間見えるので、今後も目が離せません。
データ/コンテンツグラビティが加速
データやコンテンツが集積すると、そのまわり「引力」が働き、システムやアプリケーションが引き寄せられる、というのが「データ/コンテンツグラビティ」の考えです。既にAWS自体は、S3を代表するクラウドストレージやAuroraのようなクラウドDBに多くのコンテンツやデータを集積しているだけでなく、その活用方法にも多くのマネージドサービスが用意されていますし、ますます引力に贖えなく(笑)なってますね。
で、このデータをクラウドに集積するうえでのバリアーを低くする流れがここ数年の動きで見られるわけです。昨年登場したSnowballも、「アマゾンの物流網で、物理的にデータを配送する」というアプローチでこの流れを実現していたわけですが、一年たった今年はさらにその仕組みがパワーアップ。
「トラックで運ぶ、その発想はなかった」人も多いかと。
トラックを見て、見かけが似ているからか「過去にコンテナDCとかあったよね?」というコメントも見られますが、このSnowmobileは、データ/コンテンツグラビティを加速する流れと見たほうが理解がしやすいと思います。コンテナDCに閉じ込めてしまうと、「グラビティ」は働きませんよ。
個人的なイチオシはAthena
AWSの今年の新サービスやエンハンスの発表数は1,000を超える規模になりました。re:inventでもIoTやAI、サーバーレス周りでも新しい発表が多く(先日日本でもリリースされたAmazon Dash Buttonのバックエンドとしても興味深いわけですが)、なかなか順位を決められないところですが、個人的にはAmazon Athenaを推しておきたいです。
GoogleのBigQuely 対抗、という面もあるでしょうし、そのように比較してつかってみるのも全くアリなわけですが、
本質的には「Amazon S3にとりあえずデータを入れておけば、後であれこれできちゃう」というところが大きいですよね。あらかじめ利用用途が決まっていればDB設計もできるわけですが、IoTやモバイル等データジェネレーターの爆発的な拡大、Webのトラッキング技術の向上など、生み出されるコンテンツやデータ量が加速度的に増えている中で、すべてのデータ格納をあらかじめ構造化して準備するのでは追いつかないわけです。で、とりあえずS3においておけば後から対応できる(もちろん捨てることも、もっと安くアーカイブすることもできる)となれば、ここに集積するのは合理的な判断となります。前述の「グラビティ」を考えると、これは強力なソリューションです。というわけで、コンテンツ/データグラビティ信者の私的には、今回のイチオシはAthenaかなと。
祝:公式グローバルコミュニティイベント開催 in re:Invent
各国のコミュニティから多くの人がre:Inventにやってくるわけですが、こうした人たちが相互に知り合う場というのは、実はre:Inventでは正式にオーガナイズされたことがありませんでした。が、何度か日本からもプッシュをした結果(かどうかわかりませんが)、今回ついに公式のグローバルミートアップが。
これ以外にも、コミュニティリーダー間の交流にフォーカスした会合や、コミュニティヒーローの会合(これは以前からもあった)も並行開催。
It is great to have all of the #AWS Community Heroes at #Reinvent pic.twitter.com/PfV6yVgPwf
— Werner Vogels (@Werner) 2016年11月29日
もともと、ユーザーコミュニティ支援には前向きな会社ですが、日本でのJAWS-UGの活動(日本でJAWS Days、JAWS-UG Night in AWS Summit Tokyoを見たシアトルの人も多い)が、こうした動きを後押ししたことは間違いないです。日本だけでなく、世界に影響を及ぼすJAWS-UG、素晴らしいです!
単に参加するだけでなく、情報発信という意味でもコミュニティの力は増大してますね。今回、re:Inventに参加された記者の方が出された記事がだいたい20本くらいだと思いますが、JAWS-UGに参加しているデベロッパーやAWSパートナーの方からの情報発信(おもにブログ)は、ざっと数えても120を超える数で、アウトプット数が凄いです。帰国後も各地でre:Port、re:Growth、re:Cap等のオフラインの情報共有会を自主的に開催。アウトプットする人がどんどん増えて、それをきっかけに参加する人が増えるという「自走するコミュニティ」という立ち位置がますますはっきりしてきたと思います。
でもStill Day1ですね。JAWS-UGの皆さんのさらなる活動を期待しています。
あ、もちろんメディアの方のカバレッジも重要です。中でも、この記事は切り口を変えていて個人的にかなりヒットしました。
番外:re:Playは現地で見たかった
こればっかりは、ソーシャルやレポートでは得られない体験ですよね。オフラインファーストで、この場にいた人だけが共有できるUX。今年は過去最大の規模だったので、ごらんになった方は素晴らしい体験だったと思います。
まだ今年のビデオは出ていないのですが、去年のre:Playのイメージはこちらで。
でも、やっぱり現地で見る体験にはかなわないですが。
最後にこれを読んでre:Inventへの参加に興味をもった人に、E-JAWSでもおなじみの東急ハンズ・長谷川さんのコメントを引用。
タイムラインが、ラスベガスで埋まっているだけどもw
これは、Amazon Web Services(AWS)のカンファレンスに私の友人知人が民族大移動してるんだけど
ポイントはですね
「会社を休んで、自腹で、40万くらいかけて、いくエンジニアがいる」
ということです。自腹です。
自腹(それも、40万)で、ITのカンファレンスに参加する、この熱量。
他では、ないですなぁ。
https://www.facebook.com/hideki.hasegawa/posts/1628440363848164?pnref=story
この熱量がさらに来年も増大すること間違いなし。まだ行ったことのない人は、今からre:Invent貯金を!(自前手配すれば40万円よりもう少し安くいけます)
CMC_Meetup -- コミュニティマーケティングのためのコミュニティ、始めました。
以前のエントリーでもふれたとおり、「コミュニティマーケティング」について考えるコミュニティ(ややこしい)を立ち上げることにしました。名称はCMC = Community Marketing Community 。そのキックオフを先週開催しましたので、コミュニティの紹介もかねたエントリーを。当日参加された方も皆さんいい笑顔でした!
#集合写真家 の武市です。昨晩は3本のイベントに参加。いずれも勢いあるコミュニティばかり! 締めは 土佐高校先輩でもある 小島さん @hide69oz のコミュニティマーケティングを中心とした CMC のキックオフ、これからが楽しみ!#CMC_Meetup pic.twitter.com/VZXXvgPZbL
— しんたく (@shintaku81) 2016年11月25日
CMCとは?
Communty Marketing Community の略称です。その名の通りで、コミュニティマーケティングについて、私が話すだけでなく、既に実践されている方や、これからやってみようという方によるコミュニティマーケティングを「言語化する場」や「体験できる場」としてデザインしたつもりです。基本的な考え方については当日の資料にも記載しましたが、
抜粋するとCMCの位置づけはこのようになります。
話の粒度を保つために、基本的には参加者を「コミュニティマーケティング」を実践する側の方に限定していますが、このクライテリアを満たす方で、参加してみたいという方はぜひご連絡を。IT業界には閉じていませんので、幅広い業界の方にJoinしていただきたいです。
オフラインファースト、アウトプットファースト、コンテキストファースト
コミュニティを活発にし、最終的には「自走できる」モードにまでもっていく上では、つぎの3つをデザインしておくことが重要だと思っています。
- オフラインファースト:オフライン=F2Fな場でネットワークやコンテンツを作るのが先。オンラインで拡散するのはそれからの話。(ただし、SNSによってオンラインの拡散力が10年前より飛躍的に高まっていることは要注目)
- アウトプットファースト:参加者ができるだけコミュニティを「自分ゴト」としてとらえられるように、情報発信(アウトプット)側に回れるようにする。LTやtwitterでリアルタイムに参加したり、事後にブログにまとめるところからでOK。「ブログ書くまでが勉強会」は真理。
- コンテキストファースト:コミュニティ参加者の「興味の粒度」があっていることが重要。これが多様化してきたら、コミュニティの「株分け」や、「テーマ縛り」での開催も検討する段階。
で、このコミュニティ参加を通じて、参加者の皆さんにはこの3つの重要性を「体感」いただきたいと思っています。なので、参加された方はまずはブログやFacebook、Twitterでのアウトプットを! これの良さや難しさが体感できないと、コミュニティのファシリテーター側に回ったときに苦労することになると思います。
初ミートアップの内容
オフラインファースト、の鉄則に従い、まずはミートアップから始めます。当日はオープンしたばかりのTHE BRIDGE Xさんを借りての開催。会場設営もみんなで行います。
今回は私のほうでキックオフをさせていただき、実際にコミュニティマーケティングやファンマーケティングを実施、またはそうしたコミュニティに参加している方々による登壇2名、LT6名の構成でした。たぶん、こうした話をまとめて聞いたり、質問(←重要)したりできるオフラインの場はこれまでなかったのでは? とおもいます。
当日の内容はこちらのブログでも紹介されていますが、
どうしてこういう構成にしたか、スピーカー選択の考え方について書いておきます。
まず登壇いただいたサイボウズの伊佐さんとPFUの佐藤さん。伊佐さんは、JAWS-UGのフォーマットをよく理解されていて、それをサイボウズ式に実装したのが今回お話ししただいたkintone cafeの事例です。この事例自体が、JAWS-UGでのやり方が「再現可能」であることを表しています。感覚的にはJAWS-UGが5年くらいかけてやってきたことを、2年くらいで促成栽培できています。発表スライドにもそのあたりがよく説明されています。
一方、佐藤さんはPFUのOmoidoriの担当者ですが、JAWS-UGのやり方とかは全く関係なく、独自に「ファンマーケティング」を実施している方です。「ムービーにエバンジェリスト機能を持たせる」「PR会社を挟まないことで、熱量を直接伝える」など、独自の視点が私自身もすごく参考になりました。
こうしたアプローチが違えども、同じようにお客様をファン化し、その声をオンラインで広げていく活動をしている事例がいくつも存在することを知ることが、本質を知る上でいいと思いました。
また、LTについてはコミュニティ参加側、運営側、そして、コミュニティの終焉(ライフサイクル)まで様々な角度での体験談や課題を事例としてお話しいただきました。今回のキックオフの参加者の方にも、共感できる=自分ゴトにできる話を揃えられたと思います。
当日のアジェンダはこちらを。
LTは時間(3分)に対して、内容が濃い話が多かったので、その中のいくつかはもう少し長い時間でお話しいただく機会を作りたいと思います。
懇親会重要
ミートアップ中だけでは、全員が話す側=アウトプット側に回るのも難しいですが、懇親会ならこれも比較的簡単にできます。なので、コミュニティ育成には欠かせない要素。今考えれば、全員自己紹介の時間を入れればよかったと思いますが、そんなファシリテートも必要ないくらい、熱く話をされていた方が多かったかと。ミートアップも事前エントリーからの欠席は1名だけと、すごく出席率が良かったのですが、懇親会にも8割近い方が参加していただけました。名刺交換も活発だったので、今回を機にネットワークが広がった方も多いかと。ちなみに懇親会につかったのは、こちらの餃子バー。立席かつワインボトルでお酒を注ぎあう形式も、会話促進剤となったようです。自分はいろんな人と話をするのに夢中で、実は看板メニューの餃子食べていないので、こんどこっそり行ってきます。
当日の雰囲気は、こちらのTogetterでもご覧いただけます。
そうそう、コミュニティにはハッシュタグはつきものですが、CMCでは #CMC_Meetup というハッシュタグで、ミートアップの模様をソーシャルにアウトプットしていきます。次回はより多くの方にご参加いただけるようにしたいと思いますので、ご期待ください!
Join US & Help US!
企業などでコミュニティ運営に携わる、企画されている方には広くご参加いただきたいと思います。クライテリアに合致していて、実際に参加されたい方は、CMCのFacebookグループにご招待しますので、私までコンタクトいただければと思います。
また、できれば年内に次回開催をできればと思うので、80人前後のミートアップ場所の提供をいただける方、ぜひご協力を!