前編の行程を経て成田を飛び立ち、いざ日本から一番近い(ニホチカな)ヨーロッパ、ロシアのウラジオストクへ。想像以上の寒さに遭遇する旅。あと世界の車窓からシリーズも。
ウラジオストクは極東のサンフランシスコ?
2時間半のフライトで、ほぼオンタイムでウラジオストクへ。この日は天気も良く、着陸前は窓の外の夕陽がきれいに見えてました。その頃、ロシア上空ではこんなことがあったらしい。
日本担当のサンタクロースは現在ロシア上空にてIL-78から空中給油を受けている pic.twitter.com/BUdmJF0mLF
— 🇷🇺CSKA RU🇷🇺[RUS] (@CSKA_RU_BF4) 2016年12月24日
ウラジオストク空港は思いのほかコンパクト。懸案だった(ここで入出国カードを発行してくれるはずですが、確信がなかった)パスポートコントロールを無事通過し、ホテルまで送ってくれるガイドさんと合流。外気温はマイナス10℃を軽く下回っていて、想像以上に寒い!
正直に言おう、寒い! pic.twitter.com/cG67Tch3Ez
— Hideki Ojima (@hide69oz) 2016年12月24日
ホテルチェックイン後、夜の市内を散策。思ってた以上にヨーロッパですね。明るいところ(雪のおかげで夜も明るい)を歩いている限りは、治安もよさそうです。
サイハテの駅、ウラジオストク駅。シベリア鉄道の起点でもあります。
ちなみに、この日はクリスマスイブだったわけですが、あまりクリスマス色が強くありません。ホテルに送ってくれたガイドの方に聞いてみると、ロシア正教ではクリスマスは1月7日とのことで、12/24 - 25 はあまり意識していないようですね。で、クリスマス以上にお正月休みがイベントとしては重要とのこと。こういうのも、現地に行ってみないとわからないことが多いです。
というわけで、期待していたクリスマスムードはなく、一人でバーで食事。定番のビーフストロガノフですが、バーゆえにイティングがコロコロ変わり正確な色が写せません(笑)。日本でいただく薄切り肉ではなく、細切り肉がたっぷりの肉料理で、ちょっとイメージが違いましたがおいしいです。
翌朝は市場から、軍港へとぐるりと。市場の雰囲気はちょっとアジアっぽくもありますが、一番違うのはその気温。冷凍庫よりも寒いくらいなので、冷凍された肉、魚、加工食品がそのまま屋外で陳列されています。
教会は、ロシア正教独特な形。
昔なら、すぐにつかまってしまいそうですが、軍港を撮影してても何も言われません。
ちなみに、この軍港があるのが金角湾と呼ばれる内海で、ここは凍っていないのですが、数百メートル離れた外海側のアムール湾の海は、こんな感じで12月時点ですでに凍ってます。
ウラジオストクはロシア極東唯一の不凍港ということで、軍事的にも重要な拠点だということが分かります。そのため、ソ連時代は閉鎖都市指定されていて1991年までは外国人の立ち入りも禁止されていたところです。
一日歩き回ったウラジオストクの印象は「坂の町」ということ。海に面した坂に沿ってビルが立ち並んでいて、雪がなければサンフランシスコっぽい街並みです。湾を横断する橋やケーブルカー等、それっぽいアイコンもありますし。
ですが、この雪と寒さで路面は凍結しているのがサンフランシスコとは大きく違うところ。そこをスイスイと上がっていくのは日本車(走っている車の9割は日本の中古車=右ハンドル)ばかり、と日本製品の優秀さを感じますね。
あと、気が付いたのは雪の上を歩く現地の人の足取りが早いこと。自分も歩くのは結構早いほうだと思いますが、雪の上+坂が多いという条件だとどうしても慎重になりがちで、現地の女性にもどんどん引き離されるしまつ。この標識も、現地の人には不要なようです。
異国情緒たっぷりなシベリア鉄道
さて、この日のメインイベント、というより今回の旅のメインイベントの一つがシベリア鉄道の乗車。 さすがにモスクワのほうまで乗ると1週間くらいかかりますので、今回はまずはハバロフスクまで。シベリア鉄道全体の路線図を見るとちょっとの距離に見えますけど、これでも800km位ありますから、日本で換算すると東京から青森くらいの距離ですね。ここを11時間ちょっとかけて走破します。
今回は時間の関係で夜行にしましたので、外の景色を写真でとれませんでした。なので、沿線風景はこちらのイメージ動画をどうぞ。
出発は夜の9時。海外では多いですが、いわゆるプラットフォームがない駅になります。夜っていうのもあり異国情緒を掻き立てます。
今回は2等寝台を手配。一室に二段寝台が二つで4人定員になります。
車内の改札風景。車掌さんは女性です。
車内は暖房がガンガンに効いていて暑いくらいです。Tシャツに着替えて寝床の準備をしているうちに、列車は定刻通りに音もなく発車。 アメリカのAmtrak等と違い、警笛をあまり鳴らさずに(たぶん、踏切の数が圧倒的に少ない)進むので結構静かです。読書をしながら夜汽車気分に浸っていると部屋が消灯に。1日歩き回った疲れと、レール音の催眠効果で睡魔が。。。。
ハバロフスクへの到着は朝の8時15分の予定。7時過ぎくらいから皆が支度をはじめる気配で目が覚めました。ちょっと驚いたのはハバロフスクへの到着が定刻通りだったこと。少し時間にルーズなイメージを勝手に持っていたのですが、いい意味で裏切られました。緯度が高く、冬ということもあり、8時過ぎでも周りはまだ真っ暗です。
ハバロフスクに到着。 pic.twitter.com/76H49d5xts
— Hideki Ojima (@hide69oz) 2016年12月25日
ヨーロッパ感満載のハバロフスク
ウラジオストクも相当寒かったですが、更に内陸のハバロフスクはシベリア感満載の寒さ。ついた日もすでにマイナス20℃近く、この日は連続2時間を超えて外で活動することができませんでした。なので、ホテルをベースに何度か細切れに外出をしたのですが、朝イチで訪れたのがアムール川。写真のように全面凍結してまして、ちょっと日本では見られない風景です。
360°画像はこちらで。
これだけの規模の川が凍結したところに来たのはもちろん初めてで、面白がって川の上を歩き回ってましたが、芯まで冷える寒さ。スマホで写真を撮るたびに手袋を外すわけですが、このダメージが結構すごくて回復に時間を要しますね。とにかく体が動いていないと耐えられないので、街をひたすら歩きます。
で、歩くと写真に撮りたい景色に遭遇 →手袋外してダメージ →また歩く、の無限ループ。
ウラジオストクもヨーロッパ風ではありますが、ハバロフスクのほうがはるかにヨーロッパ度が高いですね。行ったことがないですが、たぶん東欧っぽいというか。若い人はスキーや登山用のようなスポーツ系の防寒着を来ている人が多いですが、少し年配の方は毛皮のコ―トと帽子をお召しになっている方が多いですね。これも写真で見たことがある東欧風。
歩いてばかりだと凍ってしまいそうなので、路面電車での移動も試みましたが、電車も古い形式が多く、趣はあるものの寒さをしのぐにはちょっと役不足な感じ。
夜になると、雪のおかげもあってさらにいい雰囲気になりますね。
思いのほか近い極東ロシア
さて、翌日4日目はもう帰国の日です。相変わらず、朝はまだ暗ーい感じ。
Доброе утро, Хабаровск pic.twitter.com/kXPkFCDGlN
— Hideki Ojima (@hide69oz) 2016年12月26日
朝の8時半にホテルで空港に送ってくれるガイドさんと待ち合わせ。ホテルから空港までも1時間もない距離です。
空港ほほとんどお店らしいものがないので、このあたりはヨーロッパの感覚とは違いますね。お土産を買う場合は、市内で調達しておくのが正解ですね。
ハバロフスク→成田も2時間半のフライトで、雑誌を読んでるうちにつく近さ。
この時間って、成田から自宅の最寄り駅までのバスの時間とほぼ同じなんですよね。こう考えると、極東ロシアの近さが際立ちます。
今回、年末で時間をあまりとれず3泊4日の短期旅行だったのですが、これでウラジオストク、ハバロフスクの2都市を回りシベリア鉄道まで乗れていますので、かなり充実の行程かと。ロシアが遠いと思っている人も、ビザ取得の手間とかはありますが、旅行代理店が全部手配してくれますので、一度トライしてみてはいかがでしょうか?
これだけ身近で、異国体験ができるところもなかなか無いと思いますので、おススメです。Have a Nice Trip!