CMC_Meetup の拡がりや、コミュニティマーケティング本の発売もあってか、最近は「コミュニティマーケティング」とサーチすると、日本語の情報が沢山出てくるようになりました。
2年ぐらい前は、Logmiなどの私の登壇記事やインタビュー記事くらいしかヒットしなかったものが、これをキーワードに広告やSEOを実施しているサイトも多くみられるので、ビジネス的にもホットになって来ているのかなと感じますね。
上司への説明が難関の一つ
これもひとえに実践者が多くなっている(=ニーズが増えている)証拠かな、と思うのですが、実践する人は社内への説明やステークホルダーからの同意を得るところで、躓くことも多くなってきているようです。
中でも難しいのが外資系企業で、上司が海外(アメリカとかシンガポール)にいる場合。日本でもまだ知られ始めたばかりのコミュニティマーケティングを、海の向こうの上司に説明するのはなかなか至難の技。ということで、そんな状況にある人が少しでも説明しやすくなるように、コミュニティマーケティングに関する英語のリソースのインデックスと、説明のコツ的なものをまとめてみます。
英語のリソース
昨年のBigbeat Live 2018での登壇内容の記事や、DevRel Cinference Tokyo 2019 での登壇内容動画等が、英語圏の人に説明するときには役に立つかもしれません。
<Bigbeat Live の英語ブログ>
このように、第三者が記事化したもののほうが、Confidenceを得やすい感じがありますね。
<DevRel Conference 2018 での登壇内容動画 & 資料>
で、上司やステークホルダーの関心を引くことが出来れば、こちらの英語プレゼン動画と資料に目を通していただくのが良いかと。
<Auth0 英語ブログでのインタビュー記事>
Auth0で、マーケティングの支援を開始するときに受けたインタビュー内容。Auth0もいまや「ユニコーン企業」なわけですが、そのAuth0が日本市場開拓において、「コミュニティマーケティングを重視している」というファクトは、海外のメンバーに説明するときにも信頼を得るよい材料になるはずです。
"Community Marketing expert Hideki Ojima shares why he chose to help Auth0 expand in Japan, his 3 principles for community growth, and more!"
海外上司への説明のコツ
①AWSが日本で実施、Stripe、Auth0などのユニコーン企業も日本で実践中というファクトを紹介
理論よりもファクト。クラウドサービスを展開するIT系企業が日本でのビジネスを考えるとき、AWSの成功ストーリーは参考にしたい内容の一つです。で、そのAWSの日本市場での躍進を支えたものの一つがJAWS-UGというコミュニティであることをまずは理解してもらうことが重要になるでしょう。
下記のサイトは日本語表記かつ数値的なものが伝わりづらいと思うので、こちらの数字を伝えるといいかと。
2018年のJAWS-UG活動数値:
- 支部数:50+
- 勉強会の年間開催数:250+
- 勉強会への年間延べ参加者数:12,000+
このような規模が伝われば、コミュニティに対する見方が変わる可能性は十分あります。
また、ユニコーン企業であるStripe、Auth0も、日本でコミュニティマーケティングを実践しているというファクトも説得力を持つと思います。
②コミュニティがマーケティングファネルのどこに効くかを説明する
コミュニティマーケティングで一番NGなのは、刈り取り系のセミナーやキャンペーンと同じ指標でKPI設定や評価がされること、です。
コミュニティマーケティングが効くのは、使い始めた人へのチャーン対策やアップセル等のLTVを向上させる部分、及びこれから利用検討する人たちが「これは自分に関係ある」と感じてもらう部分(=Demand Generation) であり、その先のステップとしてセミナーやキャンペーンを用意させて連動させたり、カスタマーサクセスでうまくオンボーディングしたお客様が、コミュニティでアウトプットする(=スピーカーになる)などの活動も併せて実施する必要があることは伝える必要がありそうです。
もっと端的にいうと、コミュニティだけをやるわけでは無い。コミュニティマーケティングと組み合わせることで、フィールドマーケティングで重要なMQLやSQLの生成、更には、カスタマーサクセスの施策がより効果的に行えるという説明が重要かと。
こちらのブログは英語ではないですが、コミュニティマーケティングとそのほかのマーケティング施策の混同にどういうものがあるかをまとめています。上司やステークホルダーと合意が取れない状況になったときに、この10のパターンのどれかに該当していないか、参考にしてもらうといいと思います。
③ Tedの動画を見せる
これは、日本進出を検討中の何人ものCxOに見せた結果、コミュニティマーケティングへの理解度や重要度の認識がかなり上がることが実証されています(注:あくまでも個人調べ、です)。ポイントは初めに踊っている人がリーダー、それを真似て踊りだす人がフォロワーという関係を、コミュニティでも再現すると説明することですね。
というわけで、この動画は必ず見せることをおススメします。で、こういうムーブメントを日本のマーケットで作りたくないかを問いかけるのが鉄板(自分の観測範囲では、必ずYesと言う)です。
この動画、まだ見たことが無い方はぜひ見ていただきたいです。
いかがでしょう? コミュニティマーケティングは、海外の上司や同僚が知らないから、彼らを説得するのが大変だから、というだけであきらめるにはあまりにも勿体ないアプローチです。このブログの内容が皆さんが一歩踏み出すときの参考になれば嬉しいです。