この記事は、コミュニティマーケティング Advent Calender 2025 Day1の記事です。
本来は協会noteで書こうと思っていたのですが、気づけば自分のはてなブログを1年放置しそうだったので(笑)、久しぶりにはてなブログモードで!
「コミュニティマーケをあたりまえに」を掲げて2024年2月に発足した一般社団法人コミュニティマーケティング推進協会(以下、協会)は、2025年で2年目。今年は活動の幅も深さも大きく広がった一年でした。本記事では、そんな協会活動のハイライトをお伝えするとともに、そこにかかわる自身のアップデートも併せて書いておこうと思います。
オジマ的視点でのコミュニティマーケティング観のアップデート
まずは、今年1年の自身の振り返りから。協会での啓蒙活動に加え、日々のマーケ/RevOpsの実務、登壇活動を通じて、私自身のコミュニティマーケティング観にも様々なアップデートがあった1年でした。それについて、今年読んだ書籍の中から、以下の2冊を題材にご紹介します。
<隠れたキーマンを探せ>
B2Bにおける販売の複雑化を、5年分の調査データをもとに解き明かした名著ですね。読んだことがある人も多いかと思います。
日本では初版が2018年と、少し前の書籍にはなりますが、今なお示唆に富む内容多くあります。ポイントを整理すると、
- 需要喚起には「To Be (理想像)の提示」だけでなく「As Is(現状)の破壊」が不可欠
- 差別化しづらい現代では、機能訴求だけでは埋没。「購買プロセスそのものの支援」が重要
- 組織内の「合意形成の壁」こそが突破すべき最大の競合
読みながら、これらに効果的な手法として、コミュニティの重要性がまだ十分書かれていないことに(一部、ソーシャルコミュニティの活用、的に記載はありますが)物足りなさを感じたのですが、米国での原書出版が2015年なのでまだまだ事例が調査対象に少なかったのかもしれません。
ですが、オウンドコミュニティは、上記3つに強力に作用するエンジンであることは、JAWS-UGやE-JAWSなどの、「ビジネス的に成功した」日本のコミュニティ事例を見ると明らかです。
E-JAWSの元会長で、協会のエンタープライズ分野フェローでもあるフジテックのCIO/CDOである友岡さんが、11月のCLG Leaders Summit でお話されたスライドを以下に貼っておきますが、ここでもわかるようにエンタープライズ顧客の製品導入において、先行導入企業と会話できるコミュニティは
- 合意形成しやすい製品選定理由の獲得
- 自社に導入すべき適切なユースケースの把握
- 他社が稟議書に書いている導入効果の理解
に明確に寄与しています。まさに、購買プロセスの前段階を支援していますね。

ちなみに、Gainsightさんが11月に開催したこちらのイベント、エンタープライズ系のお客様、かつ決裁者、マネージャークラスの方の参加が多い場だったのですが、このようなところでもコミュニティマーケティングのセッションが設定されているというのが、「コミュニティマーケをあたりまえに」が進展してきているな、と感じるところです。
書籍の話に戻ります。マイChat GPTのまとめでは、この書籍(原題:THE CHALLENGER CUSTOMER)で語られているキーエレメントと、コミュニティマーケティングの重なりは以下のようになっています。書籍で書かれたフレームワークからコミュニティの価値を再定義したような感じで、自分的にはかなりしっくり来てます。

もう一つは、今年のad:tech tokyo でご一緒したMimi Beauty 取締役の中谷さんが書かれているこちらの書籍。
こちらはB2C/D2C文脈での示唆。同じ商品やブランド、カテゴリーの「ファン」がデジタルでの交流が活性化(書籍の中では「話題化」という表現)すると、ビジネスに寄与しやすい。逆にリーチだけにフォーカスしたいわゆるインフルエンサー広告だけでは話題が持続せずに「POSが失速」しやすい、とおっしゃってます。

ad:tech tokyoのセッションでは、この「話題化」を促進する器として、コミュニティをとらえると理解しやすい、というお話をさせていただきました。そして、以下のスライドにあるコミュニティマーケ的アプローチと、従来型のマーケ施策の「掛け算」が重要という視点も、協会発足から継続してアピールしてきたことの答え合わせになったように思います。

ちなみに、12/2(火)夜の「D2Cコミュニティ研究会 Vol.8」でも、このあたりのお話を前述の中谷さんや、協会のD2C分野フェローであるヤッホーブルーイングの佐藤さん(ジュンジュン)とさせていただくので、ご興味ある方はぜひお越しを!
.... 気が付いたら、前置きがめっちゃ長くなってしまいましたが、今年強く感じているところを整理すると、
- B2B:コミュニティは「購買プロセス支援」の強力なインフラ
- B2C/D2C:コミュニティは「買う理由に気づく場」である
- 共通:コミュニティマーケ × 従来マーケ施策の掛け算が成果を最大化する
そしてもう1つ再確認したのが、
ということです。これは、最近のファンマーケ、コミュニティマーケ関連書籍の出版ペースの急激な変化からもうかがえますね。

2025年協会活動のハイライト
さて、そんなコミュニティマーケティングの効能をいろんな角度で説明しやすくなった2025年、考えてみれば上記で触れたCLG Leaders Summitやad:tech tokyo も、協会としての登壇機会だったわけですが、そのほかに協会活動にはどんな進展があったでしょうか?
昨年12月にも、協会活動の初年度振り返りブログで、協会の4事業への取り組みについてご紹介したのですが、今年は特に
- イベント・カンファレス事業
- 調査・研究事業
の2つの事業で、大きく進展があった年だといえます。
<イベント・カンファレンス事業>
何といっても、6月に開催した「コミュニティマーケティングカンファレンス2025」の開催です。
協会設立当初から、平日開催=業務時間中に、有償イベントとしてコミュニティマーケティングのテーマで成立する状態にしたい、という思いがありました。
そう、昨年もCMC_Centralのようなコミュニティマーケティングをテーマとした全国規模のイベントや、全国各地でCMC_Meetup を開催していましたが、Centralは土曜日の開催、CMC_Meetup も同じく週末や平日夜の開催と、「業務時間外」に参加するという位置づけ。一方で、デジタルマーケやイベントマーケなど、他のカテゴリーのマーケティングでは、普通に有償イベント、カンファレンスが沢山あるわけで、「コミュニティマーケをあたりまえに」していく上では、同じようなイベントが開催できることで、十分なデマンドがあることを証明する必要があると考えていました。
そこで協会メンバーで設定したのが、
- コミュニティマーケティングに特化した
- 500名規模の
- 有償カンファレンスを
- 平日・日中に行う
という、今見てもなかなか「無謀な」ゴールです。
慎重になるのであれば、もう1年しっかりマーケットを温めてから、2026年に開催するという選択肢もあり得たのですが、「5年で活動を終了する」という協会が設定したタイムラインが、2025年の開催を決心させた、と言ってもよいでしょう。締め切り駆動重要!
会場押さえ、コンテンツ企画、登壇者調整、スポンサー開拓、業者調整、制作物納期管理、様々な支払い、、、など多くのタスクに埋もれながらもなんとか(ありがとう、Backlog!)当日を迎えることができました!
何よりも我々が勇気づけられたのが、有償イベントにもかかわらず、広告を一切使わず、まさにSell Through the Community で集客ができたこと、その結果約600名の皆さんからのエントリーをいただき、実来場者が540名超という、90%を超える高い参加率を達成できたこと、ですね。
これは、コミュニティマーケティングに対する確かなデマンドが育ってきていることを、数字が示してくれたといえます。
以下にキーとなる数字も掲載しておきます。
- 申込者数:593名
- 来場者数:548名
- 参加率:92%
- 登壇者(モデレーター含む):33名
- セッション数:14(3トラック)
- スポンサー数:12
総費用から考えても、なかなかROIの高いカンファレンスだったといえるかと思います。
カンファレンスの各種データやアウトプットは、こちらの協会noteでもまとめていますので、ぜひご覧ください。
カンファレンスの最後のセッションまで、多くの人に残っていただき、皆さんの「真剣度」を感じた次第です。閉会の挨拶後に撮ったこの写真にいらっしゃる人=最後のセッションまでいらっしゃった方の数が、その熱量を表していると思います。

まさに、「コミュニティマーケをあたりまえに」する上での、キーマイルストーンと呼べるイベントでした、We Did It!!
<調査・研究事業>
上記のCMC_2025 の際に、新たな活動としてご案内したのが、
の2つ、です。
これは、協会としては昨年ほとんどできていなかった調査・研究事業を大きく進展させるプロジェクトになっています。
まず、「コミュニティマーケティング研究会」の名前でスタートしたリサーチプロジェクト(通称:リサプロ)の内容はこちらに。アカデミアな視点も取り入れての活動ということで、協会理事でもある、早稲田大学の澁谷教授をリーダーに、以下の目的で活動をしています。
【研究目的】
近年、既存顧客や見込顧客などを対象にコミュニティを形成し、コミュニティを通して顧客理解、顧客育成、顧客創出をおこなうコミュニティマーケティングを実践する企業が多く見られている。しかしその有効性を研究として取り上げるケースは少なく、実証が追いついていない状態でもある。
そこで、本プロジェクトでは、コミュニティマーケティングに関わる多様な事例を取り上げ、事業収益拡大などの企業価値向上をもたらすメカニズムを分析する。また、プロジェクト活動を通し、多くの企業による効果的な取り組みを促進していく
第1回の研究報告会が、ちょうど本日(2025/12/1)に開催されます。既にエントリーは締め切られていますが、協会のサイトのほうでも、またその内容についてお知らせできればと思っています。
そして、協会としてもかなり力の入っているプロジェクトが、「コミュニティマーケティング白書」の発刊プロジェクトです。
11月に、速報版としてコミュニティマーケティング白書のプレスリリースを出させていただいてますが、既に興味深い数値が沢山出ています。
こちらの詳細は、コミュニティマーケティングAdvent Calender Day2の記事に詳しく書かれると思いますので、詳細は割愛しますが、業界初のコミュニティマーケティングの実態調査として、多くのコミュニティマーケティング界隈の皆さま(運営者、参加者、支援者、検討者など)の活動や意思決定に役立つプロジェクトになると思います。
そのためには、多くの「データ」が必要となりますので、ぜひこのブログを見ているようなコミュニティマーケティングにフラグが立っている皆様に、以下の実態調査のアンケートにお答えいただきたいです!
期限は12/19まで。回答には10分もかからない(抽選でアマゾンギフトのご用意もあります)ので、ぜひ多くの方のアンケート入力をお願いします。
調査・研究ということで、リサプロもコミュニティマーケティング白書も、むこう数年継続するプロジェクトとして活動を予定をしています。どちらの活動も、「コミュニティマーケティングをあたりまえ」にするうえで重要なデータや事例を提供していきますので、引き続きご注目いただければと。
2026年はどうなる?
協会活動3年目、つまり活動の折り返しに入るわけですが、ここまでの協会活動をさらに加速、深堀して、「コミュニティマーケをあたりまえに」していく発信を強めていきます。先に紹介した、CLG Leaders Summit での一番最後のスライドにも書いたのですが、コミュニティマーケティングは、もはや“Nice To Have”な選択肢ではありません。
Go To Market のど真ん中にある戦略領域です。2026年も、協会はその実証、体系化、普及に全力で取り組んでいきます。
そんな流れに気づく人が増えてきたのか、協会以外の主催者による「コミュニティマーケティング」にフォーカスをした企画で、ご相談や協力依頼をいただくケースが増えてきています。協会とのコラボレーション企画にご興味がある企業・団体の方は、ぜひ協会までご相談を!


