The INEVITABLE -- AIへの流れは「不可避」か?
AWS=クラウド卒業後に、「パラレルキャリア」を選択したのは、ブログや講演で何度かお話している通り。で、単に複数の会社で働くだけでなく、「どの分野」にパラレルに関わっていくか、も同じく重要なテーマでした。それを決めるうえでの参考書となっていたのが「インターネットの次に来るもの」(原題:THE INEVITABLE)。
この本を読んでから、エコシステムがエコシステムを産むんだな、と思うようになり、クラウド → モバイル / ビッグデータと続いた流れが、AI、仮想体験(VR/AR/MR)、IoT(と、決済)につながる、と言ってきたわけです。この考えをお伝えする上で、昨年から良く使っているスライドがコチラ。
というわけで、AIは当初から関わりたい分野だったわけですが、このたびご縁があり、ディープラーニングのテクノロジーで世界に挑戦する日本発のスタートアップABEJAにもマーケティングディレクタ―として参画することになり、やりたいことにまた一歩近づくことに!
AIもパラレルキャリアも不可避
ABEJAへは今年の夏ごろから参画していたのですが、公になったのは代表・岡田さんによる9月のこちらの投稿から。
この投稿の後、結構聞かれたのが「パラレルキャリアを辞めて、ABEJAに就職したの?」という質問。パラレルキャリアは続かないだろう、とか、パラレルキャリアは一時的なモノで、いづれどこかに就職するだろう、思っていた人も多かったのかな?
結論から言うと、パラレルキャリアはAIと同様に自分には「不可避な流れ」に見えているわけで、これから増えていく働き方だと思っています。なので、パラレルキャリアは継続していて、新たにAI分野のABEJAが加わった、という事になります。もちろん、腰掛けではなく、本業の一つとしてABEJAのビジネス立ち上げに取り組みます。
自分の興味をアウトプットすることが重要
ABEJAとお話しがあってから急にAI推しになったわけではなく、例えば旅人修行中(パラレルキャリア開始前)だった去年の時点で、「AIと決済」に関わりたいと言っていたようです。
決済分野へのかかわりは、1月から先んじてStripeへの参画で実現していたわけですが、ABEJAがパラレルキャリアに加わることで、希望するポートフォリオができたことになります。
また、4月にはTHE BRIDGEへの寄稿でも、「インターネットの次に来るもの」の一節を引用しつつ、AIへの流れの合理性を書いています。
「安価な並列処理機能とさらなるビックデータ、そして進化しつづけるアルゴリズムによるこの巨大な嵐によって、60年間もかかったAIが、あっという間に実現することになった。(中略)このクラウドベースのAIはわれわれの生活に深くかかわるものになるだろう」
自分がどこに興味があるか、何がしたいのか、は今の時代どんどん公言したほうがいいなというのが持論です。今回のお話しも、「AI分野へのラブコール」を去年からしていたのが、結果的に自分をそこに近づけてくれたと考えてます。
ABEJAでは何を?
ABEJAは、ディープラーニングに関する自社技術と、それを扱う優秀なエンジニアの組み合わせで、これまでも多くのお客様向けにソリューションを提供してきましたが、基本的にはお客様の要望に社内のエンジニアを投入して応える「受託」に近いビジネスモデルだったと思います。この自社での一気通貫モデルは社内にノウハウがたまる一方で、より多くのお客様にスケーラブルに応えるのが難しいという側面もあります。この社内にたまったノウハウをプラットフォーム提供というカタチで、パートナーの方々にも開放し、より多くのお客様に「AIの民主化」を届けるエコシステム型に転換する時期にあります。この転換を、マーケティングの立場から強力に推進するのが、当面のミッションということになります。また、若いチームメンバーにこれまでの経験や考え方をインストールしつつ(もちろん私も学びながら)、ABEJAのマーケティング組織、力を強化する、というのも並行して進めることになります。ABEJAとのAIエコシステム拡大に関心がある方は、ぜひお声がけ下さい!
AIへの流れを理解するイベント準備中
このAIへの流れを加速すべく、AIフォーカスの2つのイベントを来月から来年アタマにかけて準備中です。
INEVITABLE ja night 2
クラウド以降の「不可避な流れ」をテーマにした情報発信・共有の場を作りたいという私の思いを、グーグルさんにサポートいただき始まった”INEVITABLE ja night" というイベントシリーズ。来月11/14日開催の次回は、gumiの代表取締役社長・国光さんをお迎えして、起業家・投資家双方の視点でAIとビジネスの今後の関係について掘り下げていただきます。国光さんも、クラウド以降の流れをウェブ3.0と表現していて、AIやAR/VRへのビジネスの流れを必然ととらえている方です。
ビジネスの最前線での視点をふんだんに盛り込みたいと思います。今から、どんな対談になるか楽しみです。特にビジネスの視点でAIに関心のある方に、ぜひご参加いただきたいですね。
SIX 2018
もう一つが、来年の2/22にABEJAが開催予定のSIX 2018。これはABEJAが提供するテクノロジーやプラットフォームのみならず、AIを使って成功しているお客様やパートナーエコシステムの生の声が聴ける場として準備を進めています。かつて、AWSが事例を中心にクラウド導入への市場の信用を得てきた流れと同じように、What is AI?だけではなく、Why is AI?がわかる場になる予定ですので、AI導入やビジネスに関心がある方はSave the Dateを!AI分野でのキーパーソン、東京大学・松尾特任准教授の登壇もありますよ。
イベントを通じてAIへの「不可避な流れ」を感じていただけると嬉しいです。