バイクとドローンと秘密基地 -- Rider's Garage ミートアップ!
ひと月ほど前になりますが、Rider's Garageの初回ミートアップで、千葉までバイクを飛ばしてきました。ミートアップ場所はバイカーズカフェとしてはある種理想的な環境にあるCafe Club Bigone 風の村。バイク乗りの方以外には、あまり知られてないかなー、と思いますが、ロケーションといい、たたずまいといいオトナの秘密基地的ところです。で、今回はバイクだけでなく、ドローンも投入しての盛りだくさんなミートアップになりました!
秘密基地に集合!
当日は1月にしては割とあたたかな陽気で天気も上々。海ほたるで一緒に行く方(ゼファー750乗り)と待ち合わせ、千葉に向かいます。
会場のカフェへは道もちょっとわかりづらいうえに、入り口も看板を見落としやすいです。実際、この日も一回場所をロストしちゃいました。
こちらのゲートから入ります。
バイク用に舗装された道を、奥に進んでいきます。
既にミートアップ参加者が集まり始めてました。
自己紹介もそこそこに、そこかしこでバイク談義がスタートします。この感じが、バイク系のミートアップのいいところ。お互いの名前やバックグラウンドを知らなくても、「バイク好き」という共有のコンテキストで簡単に会話が始まりますね。
Rider's Garageって?
今回の会合は、Rider's Garage主催ということなのですが、そもそもRider's Garageとは何か? わかりやすく言うと「バイク用品のメルカリ」的なサービスです。
従来のオークションのように高値を付けて競り落とすのではなく、出品者が提示した価格でよければすぐに購入(落札)できる仕組みで、スピーディーですし、競り特有の駆け引きも必要ありません。バイクは販売台数が伸び悩む市場ではあるのですが、自分も含め40歳前後でのリターンライダーが多く、比較的購買力がある層が増えてきている感じなので、カスタムしたいニーズも多いはず。Rider's Garageは通常のフリマやオークションと異なり、「バイク関連用品」に絞った流通になっているので、適切なカスタマー同士が出会える場になっています。
やりとりはスマホアプリだけで簡単に行えます。2017年2月現在、iOS版のみですが、バイク乗りの皆さんはぜひ一度見てみていただけると!
ガラパゴス化している日本のバイク市場と免許制度
実際にデータで見ると、バイクの国内販売台数は急激に落ち込んできたことが分かります。
これを見ると、いわゆる原付=スクーターの落ち込みがすごいですね。最近ホンダさんとヤマハさんがスクーターの共同生産について発表がありましたが、業界2位のヤマハさんでもさえ、50ccのスクーターの開発・生産が負担になっているんだろうな、と感じます。日本では原付スクーターはメジャーな存在ですが、実質日本でしか通用しない「ガラパゴス規格」なので、世界市場を考えるとビジネスにならないんだろうなと思います。
ガラパゴスといえば、日本の400ccで区切られる免許制度にも問題ありそうです。世界基準でいうとミドルクラスのバイクは600cc前後なので、それより200ccも排気量の少ない400ccの中型バイクも、実質日本でしか売れないガラパゴス規格です。
国内のバイク販売の全体数字は2010年ごろまでで下げ止まり、横ばいに推移しています。この中で250cc以上の販売台数が少し数字を戻してきていますが、ここでも400ccの足枷が外れれば、もっと数字が回復するのではないでしょうか?
現状の
- 原付(普通免許に付属):50cc未満
- 小型二輪:125cc未満
はそのままに、125~400cc と400cc以上の2段階の免許区分をやめて
- 普通二輪:125cc以上
として、現在400cc未満に限定されいる、いわゆる「中免ライダー」を自動的に限定解除に昇格すれば、世界で流通している魅力的な600~800ccくらいのモデルがもっと売れるでしょうし、国産メーカーも、日本でしか売れない(しかも数もはけない)ガラパゴスな400ccモデルを提供する呪縛から解放されて、一石二鳥だと思うんですけどね。そもそも、乗りたいバイクがなければリターンライダーも増えないわけで、免許制度での400ccの呪縛を解くのが一番効果ありそうに思うわけです。
バイク弄りが楽しくなるコミュニティを
....ガラパゴス話をすると、いろいろ書きすぎてしまいますが、免許制度が改訂されなくても購買力がそこそこあるリターンライダーが400cc以上の大型バイクを求めているのは明白な感じで、ここで新しいバイク用品の流通のみならず、バイクのあるライフスタイルも共有できるようなコミュニティがあると、長く乗り続けられる環境ができてくるのではということです。
リターンライダーには、かつてあこがれた80年代~90年代のいわゆる「旧車」を探して乗っている人も多く(私も最近まで乗っていたのは20年落ちのカタナでした)、この維持のためには、新品パーツというわけにはいかないものも多く、外装品を含めオークションやフリマに頼らないとパーツが手に入らない人も多いのが現状です。
また、新車でリターンした人も、新たにカスタムしたりパーツを新調したりする時に、取り外したパーツを「お金に換えて処分」できるのであれば、もっとパーツの流通が進むはすです。手元にパーツが残っていると、新しいパーツを買うのが家庭の事情的にはやりにくいんですよね。古いパーツが処分できれば、家庭内稟議も通しやすくなり、新しいパーツも入手しやすくなるわけで。。。
長らくバイクから遠ざかっていた人は、自分も含め、どこをどう弄っていいのかもよくわからなかったりしますよね。これもコミュニティを通じてパーツ流通だけでなく、安全な弄り方についても共有できると、もっといろいろ試したくなるんじゃないかと。
データを見ると、バイク購入者の年齢は結構高いので、きっかけがあればバイクを弄りたい人も多いはず。
残念ながら、そのサイクルがまだ十分ではないように思いますので、そのあたりRider's GarageのようにCtoCのマーケットプレイスとコミュニティで実現できるモデルがあると、個人的にも凄くいいなと思うわけです。
もちろん、リターンライダーだけでなく、ずっと乗り続けている方や、これまで乗る機会がなかった「断念バイカー」(注:ヤマハさん命名)の方にとっても、こうしたマーケットプレイスやコミュニティがあることはプラスになるんじゃないかな、と。
今回のミートアップは、このあたりの仮説が正しいかを、皆さんにヒアリングする場としても実施したわけですが、興味深いフィードバックをたくさんいただきました。いただいたご意見は、今後サービスにも活かしていければと思っています。
ヒアリングは、カフェ自慢のハンバーガーをいただきながらのランチミーティング形式で! ここのカフェのハンバーガーはボリューム満点でおススメですよ。
ドローンエバンジェリスト登場!
この日は、特別ゲスト的にIT業界では「エバンジェリスト養成講座」でおなじみの西脇さんにお越しいただきました。
自社製品のみならず、最近はドローンのエバンジェリスト的にも活躍されている西脇さんですが、今回は愛機DJIを持ち込んでいただき、ミートアップの様子をドローンで撮っていただきました
バイクの前でホバリング中のドローン。安定しています。
高度を一気に上げていくと
あっという間に、この高さまで。かなり速い!
ドローンの操縦はこんな感じ、ドローンからのカメラの画像と、実際のドローン位置を把握しながらの操縦で、特に動くものを撮影するにはスキルが必要そうです。
ありがたいことに、バイクの走行シーンもドローンで撮影いただきました。動画だけみると簡単そうですが、撮影にはかなりテクニックが必要なのが分かりました。なぜ「ドローン撮影」 ができる人に最近仕事が集中しているのかが分かった気がします。
こちらがドローンからの撮影風景。これだけ見ると簡単そうですが
こちらがドローンがバイクを追っている動画。 カメラで移動するバイクをとらえながら操縦するのはかなり難しそうです。
こちらも地上撮影と空撮の違い。一足先にお帰りになるカタナ愛好会の皆さんの出発シーン。
地上撮影編
ドローン空撮編
最後に西脇さんも入れてパチリ。西脇さん、次回はバイクでの参加をお待ちしております!
今回のミートアップ参加者の皆さんには、作ったばかりのRider's Garageのステッカーもお配りしました。ライダーの方であれば、私に会ったときに行っていただければ、このステッカーを差し上げますよ。
オフィスも秘密基地的なRider's Garage
そうそう、Rider's Garageのオフィスも、オトコのコ的には秘密基地的なたたずまいです。こんな感じに、オフィスの中にバイクを入れられる「ガレージオフィス」です。これまで自分がかかわったオフィスの中でも、もっとも理想的なオフィスの一つですね!
興味あるメディアの方がいれば、取材とかアレンジできると思いますので、ご連絡ください!
VR居酒屋... ではなく、VR体験座談会をやってみた話
先日、渋谷某所にて流通、小売り系の方々を中心にVRを体験して、その使いどころを皆で考える「VR体験座談会」を開催しました。当初想定より大幅に盛り上がったので、その模様を。
仮想化から仮想現実へ
先月のエントリーでお伝えしたとおり、AWS後のキャリアとしてパラレルキャリアの道に進んだわけですが
ここで選択した分野の一つがVR。仮想化(クラウド)から、仮想現実(VR)へとキャリアを進めることになりました。実際にVRの普及に携わるようになってから感じたことがVRという言葉は知っていても、実際のVR体験をしたことがない人が多いこと。
具体的には、VRって聞くと、こんな風に「VRゴーグルを付けている人」のイメージ(注:必ず口があいている)はすぐに思い浮かぶようなのですが
実際にゴーグルの中ではどういうものを見えるのか、については理解が少ない感じですよね。
これって、5~6年前のクラウドの状況とすごく似ていると思うわけです。で、こういう新しい概念やサービスは、実際に体験したり、使っている人の声を聴かない限り、なかなか「自分ゴト」として捉えられないわけで。。。で、そんな状況を打破すべく、VRに興味がある、かつ比較的同じ属性の方々(小売り、流通でのデジタル施策を考えているエラい人)にお集まりいただき、実際にVR体験をしていただき、疑問点の解消や使いどころのアイデアなどについてディスカッションする「VR体験座談会」を開催してきました。
実際にVRを「体験」
というわけで、2月のとある日の夜、渋谷某所にて。。。
当日は、20名を超える好奇心旺盛な方々にお集まりいただきました。ホントに多忙な皆さまなのに、お時間をいただけて感謝です。まずは、参加者の自己紹介からスタート!
オジマ氏が仕掛ける #VR座談会 に潜入中〜〜!
— Mariko Nishimura (@mariroom) 2017年2月23日
VRのマーケティング利用についてスーパーマーケットから大手百貨店さんと一緒に考えて行きますよ! @hide69oz pic.twitter.com/5u2nwQsgRa
VR体験のポイントや使いどころについても解説していきます。実際に、参加者の方にもVR体験していただきながら進行。どんな状況なのか、周りの人に実況中継しながら仮想現実体験の共有をしていきます。
なかには、VR体験だけでなく、座談会中にVR作成ツール側を試す人も。クラウドを使ったVR制作環境なので、手元にPCとネットワークさえあれば、すぐに開始できます。ちなみに、かつてDreamWeaverやFlashを触った人なら、かなりピンとくる使い勝手かも。
InstaVRのワークスペースってかつてのFlashみたいだよね。と @sato_shi が言うので早速InstaVRログインして使ってみた。やばい、楽しい。まずRICOH THETA買ってきて360度映像撮るところから始めるわ!! #VR座談会 w/ @hide69oz pic.twitter.com/xU2fBZ9SBP
— Mariko Nishimura (@mariroom) 2017年2月23日
VRというと、いままでは映像系、写真系のバックグラウンドをもつ制作者のかたが多かったのですが、このInstaVRを使うといわゆるWeb系の人も、VRコンテンツを大量生産=安く、早く、簡単に作れる環境を用意できると思います。
技術でなく、エコシステムが重要
VRと聞くと、なんだか新しい技術のように聞こえますが、特殊機材を使った360°動画や、特定施設でのシミュレーション、ゲームのようなものは以前からありました。ですが、それが「特殊な」環境に閉じこもっている限りはエコシステムが大きくならず、普及やイノベーションが起きないわけです。例えば、昨年PPAPが大流行したわけですが、もし映像がまだ特殊なカメラを要求し、公開のためには映画館やTV放送が必要な時代だったら、PPAPのような「イノベーション」は起きなかったわけです。映像制作と配信のコストが限りなく小さくなった現代だからこそ、そのような経済的インパクトのあるクリエイションができるわけですよね。VRも同じように、制作コストや視聴環境にかかるコストが極小化していくのが必須なわけで、そのためには、VRに対する需要(発注者の数)、供給(制作者の数)、そしてそれを満たす(リーズナブルな)技術の3つが必要なのかな、と。この座談会で話されたビジネスアイデアは全部は公開できないんですが、熱気のあるディスカッションを見る限り、需要は確実に大きくなると確信しました。なので、それにこたえる供給者と技術のエコシステムが欠かせないですね。
ちなみに、昨今のAI、IoT、VR/AR/MRの高まりは、クラウドコンピューティングによって創造されたエコシステムが、モバイルとビッグデータのエコシステムを創り出し、その延長線上にあるものだと思っています。どの製品、技術が勝利するかは別にしても、このAI、IoT、VR/AR/MRへの流れは「不可避」な流れなのではないでしょうか?
こちらは、最近の自分のプレゼンでよく使っているスライド。自分の中では、こうした不可避な流れのイメージになっています。
そして、VR居酒屋へ
実際の事例も紹介しながら、2時間の座談会はあっという間に時間切れ。場所を懇親会場に移して、熱気ある議論が続きます。
2次会は、渋谷にあるセンベロの名店「バッハ」。地下から4階まで、ぜんぶバッハです。
アルコールと優良なVRコンテンツで、場はどんどんと白熱。
いろんなVRギミックも紹介
今回、初顔合わせのかたも多かった会ですが、コンテキスト(バックグラウンドやVRへの興味)が近かったこともあり、ディスカッションもかなりの熱量だったと思います。VRとは何?、から、VRをいつ?どこで?やるか、というところに発想が移った人も多かったかと。もし、自分の業界でもVR体験座談会をやってみたい、ということでしたらぜひお声がけください。VRゴーグル持参で伺いますよ!
この流通、小売り業界向けのVR体験座談会も2回目を企画しますので、今回参加された皆さまもぜひお楽しみに!
Road to the Evangelist -- ザビエルを訪ねて
皆さんは、エバンジェリストというと誰を思い浮かべますか? Guy Kawasakiや、IT業界で現役のベンダーさんのエバンジェリスト、はたまたジャパネットの高田元社長など、様々な人が挙げられると思いますが、私の中では歴史の教科書にいたあの人、フランシスコ・ザビエルが思い出されるわけです。
先日、DevRel Meetup in Singaporeで、シンガポールまで行く機会があったので、翌日マレーシアまで足を延ばして、ザビエル師ゆかりの街を訪ねてきました。そう、世界遺産の都市、マラッカへ。
エバンジェリズムはオフライン起点
マラッカ行きの前の日は、MOONGIFTさんが運営しているDevRel Meetup in Singaporeに参加してきました。まったく現地での伝手がない中で、かつ日本のメンバーによる開催ということで、初回には多くの方の参加はハードルが高いと思っていましたが、想像以上に厳しい参加率でのスタートとなりました。が、いずれにせよこうしたオフラインでのタッチがないとスタートをしないわけで、まずは第一歩にちゃんと参加者が来てくれたのはよかったと思います。なにより、ゼロから実施したのはすごい。
#DevRelSG Meetup Starts! pic.twitter.com/hLnQ412omh
— Hideki Ojima (@hide69oz) 2017年1月24日
ムーブメントを作るうえでオフライン起点が重要であることは、最近読んだ本でも実例を交えてかなり詳しく書いてました。現オイシックスのCOCOである奥谷さん紹介の本ですが、オフラインファーストを理解するうえですごく参考になります。
ソーシャルがこれだけ普及すると、一見ソーシャルだけでムーブメントが作られているようにも錯覚しがちですが、起点はオフラインのクチコミなんですよね。次回のDevRelミートアップでは、今回のタネが育っていくフェーズになるといいですね。
写真は同じく日本から講師参加していたトレタの増井さんと、ミートアップ後の懇親会でパチリ。増井さんは自分がパラレルキャリアを進めようと考えた時に、参考にしたロールモデルの一人、です。お互い流しのCTOとCMO、って話をしていましたが、どちらかというと「流しのエバンジェリスト」といったほうがしっくり来たかも。
いざ、マラッカへ!
さて、ハイエースで国道1号、高速道路を飛ばしてマラッカへ。シンガポールからは海峡を橋で渡って陸路でいけますが、国境越えの作業を含めると3~4時間かかるコース。この日は、春節の直前で混雑が気になったのですが、幸いそれほどでもなかったですね。あと二日遅ければ春節大移動とぶつかってたかもしれませんね。
途中のパーキングエリアでは、イスラム教のお祈り所が完備。
パーキングエリアで休憩。お祈り所が完備。 pic.twitter.com/ZLtczMAd1q
— Hideki Ojima (@hide69oz) 2017年1月25日
マレーシアを支えてきた基幹産業ともいうべきヤシのプランテーションを横目にマラッカへと進みます。
マレーシアでは、ヤシの栽培が一大産業と知る。が、ヤシの植林が増えすぎて、自然保護の観点から1990年代に新規のプランテーション開発は禁止。そして、ヤシ栽培産業はお隣インドネシアに進出して、焼畑が一気に拡大。現在のシンガポールを悩ますヘイズに、という世界が繋がってるハナシを拝聴中。 pic.twitter.com/iON02z1iA7
— Hideki Ojima (@hide69oz) 2017年1月25日
複数の宗教ランドマークが混在する町
マラッカに到着後、まずはマラッカでの一番の観光ポイントであるジョンカーストリートに行くと、300~400m位のくらいの通りに、道教、仏教、ヒンズー教の寺院、イスラムのモスク、そしてキリスト教会も並んでいる一画があります。通称「ハーモニーストリート」。こうした狭いエリアにこれだけ密集したエリアは世界でも珍しいとのこと。
今のマレーシアを見ると、イスラムの色が強いと思いますし、ザビエルの話を聞くと、東南アジアのキリスト教布教の拠点だったというストーリーが思い浮かぶわけですが、実際に訪ねると実に多様な宗教がこの地にあったことが分かります。
これは最後のほうの統治者であったオランダやイギリスの影響があるようですね。信教と統治をきちんと分けておくことが合理的な判断だったのでしょう。
聖地巡礼
ハーモニーストリートを抜けて、昔の砦あとの高台に上ってくると、ここで迎えてくれるのがザビエル像。この町で出会った日本人(やじろう)との出会いが、彼を日本への布教へ突き動かしたようです。
像の右手がかけていますが、それにもストーリーがあるようですね。
マラッカは鉄鉱石の産地だったので、こうした建物にも鉄鉱石が多く使われていました。数百年たった今では、鉄分が酸化でもろくなっていていろいろと補修が入っています。
ここがザビエルの遺体が一時安置された場所。お賽銭を皆が投げ入れていました。
コチラは360°画像。Facebookでごらんください。
ガイドの良さを再発見
これまで、ガイドを使わずに一人でいろいろ歩き回る旅を良しとしてきたのですが、最近はガイドの方と一緒にいる良さを再発見しています。先日のロシアでもそうでしたが、現地ガイドの方から聞く話は、いろいろ発見もありますし、なにより歴史や風習についてまとめて理解するうえではとても効率がいいですね。ザビエル師についても、歴史の教科書以上の話はあまり知らなかった(マラッカがザビエルが日本に来る切っ掛けの土地だったというのも初めて知りました)わけで、いつまでもラーニングが大事ですね。これからも、旅だけでなく、ビジネスでもいろんな方にガイドいただこうと思った次第です。 Keep on Traveling and Learning!
パラレルキャリアへの道
今月半ばに自分のソーシャルアカウントでもお知らせしましたが、2足の草鞋ならぬ、まずは5足の草鞋で2017年をスタートすることになりました。正・副という、「副業」ではなく、いくつも同時並行で進める「複業」というスタイル、今風に言うとパラレルキャリアということになります。
なぜ「複業」することにしたのか?
AWSの次のキャリアを考えたとき、向こう数年間での「インプットの幅を増やす」というのが頭にありました。もう一つ重要視したのが、「どの分野でキャリアを積むか」、という点。考えてみれば、新卒以来、おもに「B2BのIT商材でのマーケティング」でキャリアが一貫しているのですが、携わった分野が幸いにもインターネット(ほんと、黎明期でしたね)に始まり、電子政府、XML、(Web2.0的な)RIAとUX、そして直近のクラウドと、割とその当時のカッティングエッジな分野でした。で、こうした分野では、アーリーアダプターなお客様やパートナー様に早い時期から関われることの刺激や、自分自身と業界の成長のシンクロ感が自分としては大変得難い経験になっていまして、次にどのカッティングエッジな分野を選ぶかが大事なポイントに。ただし、過去7年におよぶクラウドと同じ幅を(IaaS的なクラウドは、お付き合いするお客様、パートナー様、利用用途や技術も凄く幅が広かった)1分野から得られるのは難しい気もしていていました。なので、分野としては以下にある「不可避」な流れを考慮しつつ、どこか一社ではなく、複数社のビジネスに関わることで「インプットの幅を増やす」という手法をなんとなく考えながらのキャリア探しスタート。
「不可避」な流れ
次にチャレンジする分野を選ぶうえで、大きな影響を受けたのがこの本。
原題では「The INEVITABLE」となっているとおり、技術やビジネスにおけるこれからの「不可避」な流れを説明したものです。
とりわけ、AIやVR、データセンシングやシェア経済等が大きな波として紹介されているわけですが、技術の変容だけでなく、ビジネス構造の変容にも触れているところが興味深い本です。自分的には8年前に読んで、クラウド業界への転職を決めた「クラウド化する世界」(原題:The Big Switch)にも通じる書籍。
この「不可避」な流れから、技術的にはAI、VR、IoT関連、ビジネス的にはこれまで経験のないB2B以外の市場やシェア経済の市場も視野に入れるとともに、決済行動が大きく変化すると考えて決済もターゲットにして探すことに。
このあたりの考え方は。今見てみても2016年10月~11月ごろに参加したイベントやインタビューで繰り返し話していますね。
【インタビュー】元AWS小島氏×元Azure砂金氏特別対談。二人が考えるクラウドの未来とは?(後編) - クラウド Watch
小島:
自分が次どうなるかはちょっとわかんないですね。わかんないっていうのは、働き方は何かトライをしたいと思っていて、できれば複数の事業体にかかわる仕事ができればいいんですけど。技術の人には何人かいるんですけど、マーケティングでそれやってる人ほぼいないんですよね。なんとかコンサルタントとかを除くと。砂金:
社外取締役いっぱいやってるおじさんとか。小島:
ちょっとそういう人じゃないんですよね。リアルにいろんな会社のマーケティングに携わって、僕自身もいろんなインプットもらえたり、アウトプットしたり。そのロールモデルがないので、それを作れるかどうかがちょっとわからない。いまいろいろお話しいただいたのは基本的に100%コミット、つまりうちに就職して下さいなんですよ。だから複数のビジネスにかかわるってことができるかどうかトライ中で、
コミュニティマーケティング
自分としては、プロダクト、イベント、デジタルと幅広い分野をカバーできるオールラウンダーなマーケターだと思っているのですが、AWS退職後に多くお声がけいただいたのが「コミュニティマーケティング」に関することでした。自分が考える以上にコミュニティマーケティングに対するニーズがあるな、というのが発見でした。はじめはこうしたお話しをいただくたびに、個別にその会社でお話しをしたりしていたのですが、全部個別に対応できないボリュームになってきたので、このニーズそのものにコミュニティの仕組みで対応しよう、と考えて作ったのがCMC_Meetup (コミュニティマーケティングコミュニティ)。
CMCでどんなことをやっているか、についてはコチラを。
で、結局何をしているのか?
まず、InstaVRでは、不可避な流れと考えている「VR」分野でのクラウドサービスのマーケティングを推進するCMOに。InstaVRは、これまでハードルが高かったVRコンテンツの作成を一気に「民主化」するサービスだと思っていて、黎明期のクラウドコンピューティングとも似た雰囲気を感じています。
また、これまで日本市場をターゲットとした活動が主だったわけですが、InstaVRでは世界市場を目指しているわけで、このあたりも自分的には新しいチャレンジですね。
Stripeは、USベースの外資系企業ですが、Webでのオンライン決済で注目されているスタートアップです。ここでは、おもに日本でのユーザー、デベロッパーコミュニティを軸に、日本市場での普及を図ることになりますが、2020年に向けてまずますオンラインでの決済が増えていくと考えている自分としては、ぜひ携わりたい分野だったわけです。
あと、外資のカルチャーからあまり離れたくないというのもありましたね。USに本社があるということは、Pro/Conそれぞれありますが、やはり日本企業だけでは得難い視点に触れられるので。
Biker's Garageは、自身初のC2Cマーケットを対象としたビジネスです。メルカリなどの成功でC2C自体への注目は高くなっていますが、Rider's Garageは、それをバイク関連のマーケットに絞って展開をしています。C2Cという分野もさることながら、バイクに関わるビジネスにたずさわれるのは個人的にとても嬉しいです。最近はリターンライダーブーム(自分もその一人ですが)に沸いている業界ですが、新規にバイクに乗る人も増えて、バイク文化がもっと広がるようになれば、そのためのいいインフラになれればと思っています。ここでも、おもにコミュニティを通じたRider's Garage利用カルチャーの普及をサポートすることになります。
上記の3つのビジネスについては、「中の人」としてビジネスの拡大を実施する側ですが、そのほかにより多くのビジネスをサポートする形態として、MOONGIFTとEvengtRegistの2社とパートナーシップを持つことになりました。どちらもコミュニティの立ち上げや拡大を支援するようなポジションになりますが、MOOGGIFTは主にDevRel拡大手法としてコミュニティ立ち上げ支援、EventRegistはオフラインイベントを起点としたファンやコアユーザづくりの支援をするカタチになります。こちらは私はアドバイザー的な立場で、直接実行まではできないことが多いと思いますが、その分をこの2社が実行支援するモデルですね。
DevRelでのモデルは、こちらのサイトが参考になるかと。
もちろん、CMC_Meetupの活動も継続して行っていきますので、自分でコミュニティマーケティングを学んで実施したい、という人はぜひこちらに。もちろんコミュニティなので無料です。
もう、満席になってしまいましたが次回は2/8の開催です。
「独立」したの?
複数のビジネスに携わっている、というと「独立したの?」とよく聞かれるのですが、自分としてはそういうつもりではないんですよね。実際の雇用形態としては社員扱いのところもありますし、契約での業務遂行というものもあるミックスな形態です。自分的にはそれぞれの会社の「社員」として関わるのがいいと思っていたのですが、日本(だけではないとは思いますが)では、複数の会社で正社員になるのは、社会保険などの負担割合などがあり現実的にはうまく機能しない、ということに行きあたりました。
そういう意味では、社会保障や税制的には、まだまだ「複業」をサポートするカタチにはなっていないな、と感じるわけですが、ここは率先していろいろ声を上げていければと思っています。こうした「複業」や「パラレルキャリア」についても、お話しする機会があればアウトプットしていきたいので、そうした機会があればぜひお声がけいただけると嬉しいです。
Powered by AWS!
そうそう、最後になりますが今回ご紹介したビジネスがすべてPowered by AWSな環境で動いています。改めて、AWSエコシステムの強さ、広さを感じた次第です。立ちあげに関わったJAWS-UGにも、引き続き「ユーザー」として参加していきますので、どうぞよろしくお願いします!
最近は、「JAWS-UGバイク部」も立ち上げましたので、JAWS-UGな方でバイク乗りなかたはぜひJoinを!
You Are What You Read -- 2016年個人的おススメ書籍
この4か月は、本を読める時間もずいぶんありましたので、気になったITや経済関連の書籍から、小説、マンガを問わず色々読みました。結構気に入った=影響を受けた書籍を中心に今年のまとめ的に何冊か紹介してみます。クラウド、バイク、旅という私に近いクラスタの方には楽しんでいただけるのでは。
<インターネット>の次に来るもの -- 未来を決める12の法則
最近読んだ書籍の中ではイチオシです。インターネットやオープンソース、クラウドの波を経験した自分的にもしっくりくる本。インターネット、オープンソース&シェア経済、クラウドが前提となった世界で、次に来る「不可避な」ITや経済の流れをまとめた書籍です。8年前に「クラウド化する世界」を読んで、クラウド業界に行こうと決めたときと同じインパクトが個人的にはありました。次のキャリアは、この「不可避」な流れの業界を選びたいと思いますねー。
UXの時代 -- IoTとシェアリングは産業をどう変えるのか
なぜか途中で、ソラコム押しの記載が出てくる(笑)、ビジネスやサービスデザインにおけるUX--ユーザ体験の重要性に関する書籍。技術やビジネスの流れについての話だけでなく、働き方についても示唆がある本です。今の自分の考え方にも近い本。
「チャンスは貯金できない」という有名なフレーズが引用されているのですが、これも響きますね。
人工知能は人間を超えるか -- ディープラーニングの先にあるもの
昨今の人工知能ブーム(第三次?)で、AIやディープラーニング等の言葉が氾濫していてちょっと整理を付けたい人にはうってつけの書籍かと。私的には、この本でだいぶすっきりしましたよ。
世界のデンジャースポット
旅人として、もっと攻めろ! と言われているような写真集。これ自体いい本ですが、この一冊はAWS卒業時に皆が寄せ書きして贈ってくれた本、ということでそのメッセージ込みで自分にとって唯一無二な一冊になりました。
寄せ書きで、写真が見づらくなっていますが(笑)、純粋に旅本として素晴らしい本です。旅人志願の方におススメ。
「世界のデンジャースポット」は、Facebokページも持っていますね。書籍のプロモーション方法としても、なかなか興味深いです。
アンダーグラウンド・マーケット
仮想通貨「N円」の設定以外は、かなりリアルで一気読みしてしまう本。特にIT業界の方は親しみやすいのでは。
RIDEX(1~11巻)
現時点で出版されている全11巻まとめ買いで、一気読みしてしまいました。マンガのまとめ買いにはkindleは重宝しますね。一話完結なので、気に入ったストーリーを何度も読み返しています。男性目線なストーリーですが、バイク女子にも受け入れられる内容なのか、ちょっと聞いてみたい気が。。。
AmazonとKindle効果で、今年も「欲しい」と思ったときに、すぐに本を手に入れられていろいろ助かりました。来年もガンガン読んでいきたいので、おススメの書籍があればぜひ教えてください!
You Are What You Eat: Reloaded
年末年始に台湾行き(101のカウントダウン花火狙い)を目論んでいたのですが、これは雪山旅に変更に。いけないとなると、俄然台湾のおいしいものが頭をよぎり始めるわけですが、それ以外にも旅先でいろいろ食べたなー、と。ということで、今回は9月の北海道ツアー以降に主に海外の旅先で食したもので、記憶に残っているものをいくつか。
台湾編
まずは台湾編から。実は、この10月に行ったのが初めての台湾だったのですが、ここはホントにおいしいものがたくさんありますね。その中でも個人的に響いたものをいくつかご紹介。
まずは「カラスミ」です。日本で食べるソレは、塩気が強いものが多い気がするのですが、台湾でいただいたカラスミはどこのお店のものも濃厚かつ塩気がそんなになく、良質なチーズを思わせる旨さ。当然ながら、お酒との相性抜群。
現地の人に連れて行ってもらった屋台的なお店で衝撃的な出会いをして以来、滞在中いくつかのお店でもいただきましたが、どれも抜群においしかったです。お土産で買ってこなかったのを後悔しています。これを食べるだけでも、行く価値あると思っています。
もう一つは、台北からわざわざ高鐵(台湾の新幹線)に乗って、高雄まで南下して食べに行った「サバヒー」。単なる魚のすり身のスープのはずですが、シンプルな中にも骨太な旨さ。食べたお店が、市場街にある大衆食堂のような場所だったのも旅愁をプラスして美味しさ倍増だったのかもしれませんが、これもまた食べに行きたい。
お値段も100元くらいと、とってもお安いです。(新幹線代を考えるとアレですが)
高雄では、「マンゴーかき氷」も外せません。日本では高級果実であるマンゴーがふんだんに使われているふわふわのかき氷は鉄板。日本でも食べられなくはないでしょうが、値段を含めた感動度合でいうと、やはり高雄に軍配が上がりますね。(注:交通費を除く)
書き出すとキリがないのですが、排骨、魯肉飯、線麺、点心も外せないところですね。
あー、また台湾行きたい。次は胡椒餅にもトライしたいです。
アメリカ(東海岸)編
12月のアタマにフィラデルフィア~ニューヨークを旅したのですが、アメリカで間違いない食事といえばステーキ。今回も何軒かステーキハウスに伺いましたが、どこもハズレなく美味しくいただきました。
が、ステーキの紹介ではあまりに普通なので、今回私的に大ヒットだったものをいくつか。
一つはフィイラデルフィアのステーキハウス(McCormick & Schmicks)でいただいたマグロの洋風おつまみ的な一品(品名は失念。。。)。写真もないのですが、ネットで探すとありました。たぶんコレですねー。
サイコロ状に切られたマグロに、スパイシーなハラペニョベースっぽいソースを絡めて、チップスと一緒にいただくのですがこれがいいコンビネーション。
あと、このお店でいただいたビアカクテル「Black & Blue」。ギネスとBlue Moonのハイブリットなわけですが、予想以上にイケてました。途中まで完全にギネスなんですが、気が付くとBlue Moon。見た目もいい感じです。
場所によっては「Black & Tan」とも言うそうで、そこそこメジャーなビアカクテルのようですが、私は初めての体験でした。これはキャンプや自宅でもできそうなので、日本でも再現してみようと思います。
ニューヨークでは、直前に仕入れた情報をもとに訪ねた1888年創業の老舗デリ、Katz' Delicatessenのパストラミサンド。
出来立てのパストラミの塊からその場で厚切りしてくれるパストラミをアメリカンサイズに詰め込んだもので、それまでのパストラミに対する認識が一変する逸品。マスタードとの相性も素晴らしいです。
このお店はパストラミだけでなく、コンビーフも出来立て(加工してすぐのもの)が提供されます。今度はコンビーフサンドもトライしないと。
もう一つは、いつもの定番的なお店ですが、ニューヨークのグランドセントラル駅にあるオイスターバー。ここでいただくマンハッタンクラムチャウダーは、シアトルのそれと違った味わいがあります。古いダイナー風な店のたたずまいと、店員のアメリカンな対応(笑)が旅気分を盛り上げます。
もちろん、食事自体はおいしいのですが、この雰囲気コミのお味といえますね。
ロシア編
先日、久々にビザの必要な国に出かけてきました。日本から最も近い外国の一つ、ロシア。
ここでは、メニューが全く読めないこともしばしばで、名前がわからない料理も多かったのですが、非常においしかったのが、このロシア風フィッシュスープ。
スープというより、タラやサケ、野菜がふんだんに入っていて、完全に一人鍋状態の旨さ。日本人には響きます。このお店自体はウラジオストクでも100年以上の歴史のあるお店で、これ以外も伝統的なロシア料理がたくさんあります。ウラジオストクにお越しの際は、ぜひ。
別のお店では、定番のボルシチもトライしました。日本で食べるのとちょっと違う感じですが、定番だけにおいしいです。
が、付け合わせに出てくるヨーグルトと酸っぱ辛い野菜のピューレ的なものは、別で食べるのかスープに投入するのかが謎。少しスープの中に入れてみましたが、一体感はなかったので、おそらく箸休め的に、別でいただくものなんでしょうね。
あと、日本でカニコロッケというと、クリームソースのコロッケを想像しますが、こちらでいただいたのはいわゆるクラブケーキをコロッケにしたもの。この組み合わせは初めてだったのですが、なかなかイケます。
ビールとの相性もよし。
その次に訪れたハバロフスクでは、夕食のときに、ついつい「日本風」居酒屋に入ったのですが、ここで出会ったのがこちらのサーモンロール。
出てくるまで、勝手にサーモンは巻かれる具材のほうだと思っていたのですが、この発想はなかった。。。完全に予想が外れました。日本でもこういうサーモンロールってありましたっけ? あと、ガリも紅ショウガ風で斬新です。海外にいるときは、日本料理屋に行くことはほとんどないのですが、久々に入ったらやはりヤラレました。。。
ハバロフスクでは、最終日の朝食が宿泊費にインクルードされていたのですが、いわゆる「朝定食」的なもので、いろいろとチョイスすることはできず。テーブルに運ばれてきたのがコレ。
豆腐(だと思われる)のソテーに、千切り野菜の酢漬け、甘いポテトケーキに酸っぱいヨーグルト添え、そしてパンのセットです。一つ一つはそんなに変な味でもないのですが、この組み合わせが謎です。私的には味の統一感がなかったのですが、これは定番朝食なのか、気になりますねー。
食って、その地域の文化が現れるものなので、できるだけ現地スタイルのものを食べるようにしています。台湾、アメリカ、ロシアは三者三様なスタイルで面白いです。ただ、魚の出汁が出ている食べ物はどこの料理でも日本人的には相性よしですね。アメリカは肉料理が鉄板ですが、オイスターやクラム等の貝系も捨てがたし。さて、次はどこへ何を食べに行こうかな。
日本から一番近いヨーロッパ、ロシア極東地域を旅する(後編) -- Исследуйте на Дальнем Востоке России
前編の行程を経て成田を飛び立ち、いざ日本から一番近い(ニホチカな)ヨーロッパ、ロシアのウラジオストクへ。想像以上の寒さに遭遇する旅。あと世界の車窓からシリーズも。
ウラジオストクは極東のサンフランシスコ?
2時間半のフライトで、ほぼオンタイムでウラジオストクへ。この日は天気も良く、着陸前は窓の外の夕陽がきれいに見えてました。その頃、ロシア上空ではこんなことがあったらしい。
日本担当のサンタクロースは現在ロシア上空にてIL-78から空中給油を受けている pic.twitter.com/BUdmJF0mLF
— 🇷🇺CSKA RU🇷🇺[RUS] (@CSKA_RU_BF4) 2016年12月24日
ウラジオストク空港は思いのほかコンパクト。懸案だった(ここで入出国カードを発行してくれるはずですが、確信がなかった)パスポートコントロールを無事通過し、ホテルまで送ってくれるガイドさんと合流。外気温はマイナス10℃を軽く下回っていて、想像以上に寒い!
正直に言おう、寒い! pic.twitter.com/cG67Tch3Ez
— Hideki Ojima (@hide69oz) 2016年12月24日
ホテルチェックイン後、夜の市内を散策。思ってた以上にヨーロッパですね。明るいところ(雪のおかげで夜も明るい)を歩いている限りは、治安もよさそうです。
サイハテの駅、ウラジオストク駅。シベリア鉄道の起点でもあります。
ちなみに、この日はクリスマスイブだったわけですが、あまりクリスマス色が強くありません。ホテルに送ってくれたガイドの方に聞いてみると、ロシア正教ではクリスマスは1月7日とのことで、12/24 - 25 はあまり意識していないようですね。で、クリスマス以上にお正月休みがイベントとしては重要とのこと。こういうのも、現地に行ってみないとわからないことが多いです。
というわけで、期待していたクリスマスムードはなく、一人でバーで食事。定番のビーフストロガノフですが、バーゆえにイティングがコロコロ変わり正確な色が写せません(笑)。日本でいただく薄切り肉ではなく、細切り肉がたっぷりの肉料理で、ちょっとイメージが違いましたがおいしいです。
翌朝は市場から、軍港へとぐるりと。市場の雰囲気はちょっとアジアっぽくもありますが、一番違うのはその気温。冷凍庫よりも寒いくらいなので、冷凍された肉、魚、加工食品がそのまま屋外で陳列されています。
教会は、ロシア正教独特な形。
昔なら、すぐにつかまってしまいそうですが、軍港を撮影してても何も言われません。
ちなみに、この軍港があるのが金角湾と呼ばれる内海で、ここは凍っていないのですが、数百メートル離れた外海側のアムール湾の海は、こんな感じで12月時点ですでに凍ってます。
ウラジオストクはロシア極東唯一の不凍港ということで、軍事的にも重要な拠点だということが分かります。そのため、ソ連時代は閉鎖都市指定されていて1991年までは外国人の立ち入りも禁止されていたところです。
一日歩き回ったウラジオストクの印象は「坂の町」ということ。海に面した坂に沿ってビルが立ち並んでいて、雪がなければサンフランシスコっぽい街並みです。湾を横断する橋やケーブルカー等、それっぽいアイコンもありますし。
ですが、この雪と寒さで路面は凍結しているのがサンフランシスコとは大きく違うところ。そこをスイスイと上がっていくのは日本車(走っている車の9割は日本の中古車=右ハンドル)ばかり、と日本製品の優秀さを感じますね。
あと、気が付いたのは雪の上を歩く現地の人の足取りが早いこと。自分も歩くのは結構早いほうだと思いますが、雪の上+坂が多いという条件だとどうしても慎重になりがちで、現地の女性にもどんどん引き離されるしまつ。この標識も、現地の人には不要なようです。
異国情緒たっぷりなシベリア鉄道
さて、この日のメインイベント、というより今回の旅のメインイベントの一つがシベリア鉄道の乗車。 さすがにモスクワのほうまで乗ると1週間くらいかかりますので、今回はまずはハバロフスクまで。シベリア鉄道全体の路線図を見るとちょっとの距離に見えますけど、これでも800km位ありますから、日本で換算すると東京から青森くらいの距離ですね。ここを11時間ちょっとかけて走破します。
今回は時間の関係で夜行にしましたので、外の景色を写真でとれませんでした。なので、沿線風景はこちらのイメージ動画をどうぞ。
出発は夜の9時。海外では多いですが、いわゆるプラットフォームがない駅になります。夜っていうのもあり異国情緒を掻き立てます。
今回は2等寝台を手配。一室に二段寝台が二つで4人定員になります。
車内の改札風景。車掌さんは女性です。
車内は暖房がガンガンに効いていて暑いくらいです。Tシャツに着替えて寝床の準備をしているうちに、列車は定刻通りに音もなく発車。 アメリカのAmtrak等と違い、警笛をあまり鳴らさずに(たぶん、踏切の数が圧倒的に少ない)進むので結構静かです。読書をしながら夜汽車気分に浸っていると部屋が消灯に。1日歩き回った疲れと、レール音の催眠効果で睡魔が。。。。
ハバロフスクへの到着は朝の8時15分の予定。7時過ぎくらいから皆が支度をはじめる気配で目が覚めました。ちょっと驚いたのはハバロフスクへの到着が定刻通りだったこと。少し時間にルーズなイメージを勝手に持っていたのですが、いい意味で裏切られました。緯度が高く、冬ということもあり、8時過ぎでも周りはまだ真っ暗です。
ハバロフスクに到着。 pic.twitter.com/76H49d5xts
— Hideki Ojima (@hide69oz) 2016年12月25日
ヨーロッパ感満載のハバロフスク
ウラジオストクも相当寒かったですが、更に内陸のハバロフスクはシベリア感満載の寒さ。ついた日もすでにマイナス20℃近く、この日は連続2時間を超えて外で活動することができませんでした。なので、ホテルをベースに何度か細切れに外出をしたのですが、朝イチで訪れたのがアムール川。写真のように全面凍結してまして、ちょっと日本では見られない風景です。
360°画像はこちらで。
これだけの規模の川が凍結したところに来たのはもちろん初めてで、面白がって川の上を歩き回ってましたが、芯まで冷える寒さ。スマホで写真を撮るたびに手袋を外すわけですが、このダメージが結構すごくて回復に時間を要しますね。とにかく体が動いていないと耐えられないので、街をひたすら歩きます。
で、歩くと写真に撮りたい景色に遭遇 →手袋外してダメージ →また歩く、の無限ループ。
ウラジオストクもヨーロッパ風ではありますが、ハバロフスクのほうがはるかにヨーロッパ度が高いですね。行ったことがないですが、たぶん東欧っぽいというか。若い人はスキーや登山用のようなスポーツ系の防寒着を来ている人が多いですが、少し年配の方は毛皮のコ―トと帽子をお召しになっている方が多いですね。これも写真で見たことがある東欧風。
歩いてばかりだと凍ってしまいそうなので、路面電車での移動も試みましたが、電車も古い形式が多く、趣はあるものの寒さをしのぐにはちょっと役不足な感じ。
夜になると、雪のおかげもあってさらにいい雰囲気になりますね。
思いのほか近い極東ロシア
さて、翌日4日目はもう帰国の日です。相変わらず、朝はまだ暗ーい感じ。
Доброе утро, Хабаровск pic.twitter.com/kXPkFCDGlN
— Hideki Ojima (@hide69oz) 2016年12月26日
朝の8時半にホテルで空港に送ってくれるガイドさんと待ち合わせ。ホテルから空港までも1時間もない距離です。
空港ほほとんどお店らしいものがないので、このあたりはヨーロッパの感覚とは違いますね。お土産を買う場合は、市内で調達しておくのが正解ですね。
ハバロフスク→成田も2時間半のフライトで、雑誌を読んでるうちにつく近さ。
この時間って、成田から自宅の最寄り駅までのバスの時間とほぼ同じなんですよね。こう考えると、極東ロシアの近さが際立ちます。
今回、年末で時間をあまりとれず3泊4日の短期旅行だったのですが、これでウラジオストク、ハバロフスクの2都市を回りシベリア鉄道まで乗れていますので、かなり充実の行程かと。ロシアが遠いと思っている人も、ビザ取得の手間とかはありますが、旅行代理店が全部手配してくれますので、一度トライしてみてはいかがでしょうか?
これだけ身近で、異国体験ができるところもなかなか無いと思いますので、おススメです。Have a Nice Trip!