マーケティング、エバンジェリズム、ときどき旅。

ホントに自分がなりたいのはマーケターかエバンジェリストか、はたまた旅人なのかを徒然に書いていくブログです。

プレゼン作成のちょっとしたコツ

以前のエントリーで、マイクロソフトの澤さんとエバンジェリズムについて対談した話をしましたが、その時の様子がCodeIQさんで、記事になっていました。

codeiq.jp

当日の内容はこちらを読んでいただければと思いますが、この時に参加者の方からいただいた質問で、「響くプレゼンテーション(スライド)の作り方」について、コツがあれば教えてほしいというものがありました。会場で、澤さんといっしょにお答えしたのですが、結構澤さんとやり方がかぶっているところもあり、面白いなと思った次第です。

特に、この二人だけの特別なやり方というわけではないでしょうが、逆にいうと二人とも共通した方法ということは、普遍的に効果がありそうなのでポイントだけまとめてみます。キーワードは、イメージ、質問、俯瞰です。(キホンのキである、レイアウトやフォントを揃える等、見栄えの話は入れてません)

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イメージはGoogle先生に聞こう

スライドに細かく文章を書くいても、実際のプレゼンの場ではかえって伝わりにくくなりますよね。なので、画像をつかったシンプルなスライドにしたい方も多いと思います。でも、なかなかドンピシャなイメージが湧かない、ということがありますよね。そんなときは迷わずGoogle先生に聞きましょう。

まずそのスライドで伝えたいテーマ、結倫、問題定義をなるべくワンフレーズに絞り込みます。で、そのフレーズをGoogleで画像検索かけると、その言葉を想起しやすいイメージがいくつか出てきます。そのイメージやイラスト(実際は、それに似たものをフリー素材のサイトや、自分で写真を撮ったりしたものを使いますが)をスライドに適用するという流れ、文字を極力排除することで、シンプルで伝わりやすいスライドが出来上がります。

同じ言葉でも日本語と英語でそれぞれ検索すると、けっこう違ったイメージが検索されるので面白いです。

参考:商用利用可能な写真素材まとめ

liginc.co.jp

参考:商用利用可能なイラスト素材まとめ

liskul.com

参加者への質問を入れよう

わりと基本的なテクニックですが、スライドの初めのほうに、会場向けの質問を入れておくとよいです。できれば手を上げてもらえるものがいいので、Yes / Noでこたえられるものとか、三択問題とか。こうしたスライドを用意しておいて、会場の人に手を挙げてもらうことで、オーディエンスのプレゼンへの興味や集中力が意外なほどあがります。質問の回答が意外性があると興味をひきやすくなりますが、もちろんプレゼン内容に関係ある質問でないと効果は少ないので、念のため。

どうしてもいい質問を考えられない、という時は参加者の属性を聞くのもいいです。どんな立場の人が参加しているのかを参加者と共有するだけでも、そのあとの話の進め方が簡単になりますよ。

質問を共有しよう

先ほどとは逆、つまり会場から質問をしてもらう構成にしておくと、プレゼン内容に対する参加者の理解が高まりやすいです。キーノートのような大きな会場だとオペレーションが難しいですが、参加者が100名未満の場合、セッション内にぜひ入れるといいですね。

日本だとセッションの後に、個別に質問に来ることが多いですが、これだと質問内容も共有されないし、結構同じ質問になんども回答することになるので、誰も得をしないです。よっぽどの大会場でない限り、質問はセッション内で吸収を。どうしてもセッション後に対応するしかない場合も、質問者には一列にならんでもらわず、扇形に集まってもらって質問のやりとりを共有するようにするといいです。これは澤さんオススメの方法。

紙に出してストーリーを俯瞰しよう

スライド作成途中に、なんどか見直しをすると思いますが、個々のスライドに入り込むと全体の流れが見えなくなることもあるので、全体のスライドを俯瞰するクセを付けましょう。澤さんはPC上で俯瞰作業を行うことが多いと言っていましたが、スライド枚数が多くなるとモニターの画面ではすべてを一覧することが難しくなりますので、それなりのスキルが必要となります。

そこで私のおススメは紙の印刷。PPTの場合6スライドを1枚に印刷する設定で、更にプリンターの設定を2ページをA4で1枚に印刷するようにすると、A4ヨコに12枚のスライドが入るカタチになります。スライドが60枚になっても5枚のA4に収まりますので、十分一覧性があります。

これを机に並べて、ストーリーを俯瞰します。気になったところに赤入れしたり、スライドの入れ替え、削除を書き込んでいくことで、スライド全体がブラッシュアップできるわけです。私の場合、90分くらいに及ぶキーノート用のスライドを作ることも多かったので、そうなるとスライド数も100枚を超えることもありましたが、この方法を使うと十分対応できます。また、これだけ一枚のスライドが小さく印刷されたカタチでレビューすると、シンプルなメッセージだけがスライドに残るようになりますので、個々のスライドのブラッシュアップにもつながります。

また、この方法はプレゼンのストーリーを共有する時にも有効です。他の人(上司)のプレゼンを作る必要がある方はぜひお試しください。

 

情シスがITコミュニティにもっと参加すべき理由

ここのところコミュニティ(マーケティング)の話で呼ばれることが多くなっていることを以前も書きましたが、

stilldayone.hatenablog.jp

 

今度は、企業イベントでこの話をする機会に恵まれました。その舞台はサイボウズさん主催の「Cybozu Days 2016」で、メインオーディエンスは情報システムの方々。というわけで幕張の会場まで行ってまいりました。

ちなみに、この日の基調講演では、「40代男性×無職」が一番心配されるポジションと紹介されたようで。。。 今回もパスに入れる名刺がなくてすみません(笑)

情シスとITコミュニティ

もともと、サイボウズガルーンで情シスの方へのリーチは多いベンダーさんのイベントなので、今回のオーディエンス設定は納得ですが、問題はコミュニティ話に興味のある人がどの程度いるか。というのは、私が知る範囲では、企業の情シスの方がコミュニティに出てくるケースがまだまだ少ない(または遅い)からです。

例えばJAWS-UG界隈だと 東急ハンズ長谷川さんフジテック友岡さんヤマハ発動機原子さんなど、情シスの方で積極的にコミュニティ活動に参加(というよりリード)している方もいるわけですが、絶対的な参加者数としてはまだ少数派といえます。しかし、いろいろなテクノロジーの目利きや、導入効果を知っておいたほうがいい情シスの人こそ、コミュニティにもっと参加すべきだと思っているので、今回のセッションは、私にとっては恰好のエバンジェリズムの場=アウェイであるわけです。

ですから、より多くの情シスの方に参加してほしいと思っていたのですが、当初はこのセッションの集客は出だしが良くなかったようです。「コミュニティ」というキーワードが情シスの方には響きにくいと思われることと、よくよく見ると、同じ時間帯には駅伝で有名な青山学院大学の原監督のセッションなど、なかなか強力な布陣でこれも逆風だったのかな、と。

Cybozu Days 2016 【東京】 - セッション情報登録 - サイボウズ株式会社

でも、サイボウズさんの継続的なプッシュもあり、最終的にはエントリーは満席に。当日も多くの方にセッション会場にいらしていただきました。セッション前に一緒に登壇するサイボウズ伊佐さんアスキー大谷さんといつものHere We Go!写真。

https://www.instagram.com/p/BMn32OxgWNY/

Here We Go! #cybozudays

セッション開始直後に、会場にいらした方に挙手をしてもらったのですが、おおよそ半分くらいが情シス関連の方、で、コミュニティ参加経験がある方は数人しかいないという、期待通りのオーディエンス層。 

情シスの人がITコミュニティに参加するメリット

パネル形式で行われたセッション内容については、アスキーさんの記事にも上がるとは思うので、このブログではセッションを通じて私がお伝えしたかったことを少し整理しておきたいと思います。

情シスの方がIT系のコミュニティに参加すべきと私が思っているポイントは、次の三つです。

  • 情報収集のスピードクラウド時代は製品や技術情報アップデートのスピードが速く、ベンダーからの説明やカリキュラムを待っていると周回遅れになることが多い。コミュニティ、勉強会に参加することで最新の情報に接することができます。コミュニティに出てくる、出てこないでここは大きな差が出るようになっています。
  • 得られる情報の幅が広い:ベンダーから提供される「製品の機能・性能」情報ではなく、使っている人による「導入・運用にかかわる」情報が得られる。更に、「ベからず集」的な導入失敗例や、自社の課題に対するコメントや回答も得られる。それも無償です。
  • リクルーティングに有利:自社に必要な人や、パートナーなど自社にとって必要なリソースと知り合える確度が高まります。また、コミュニティで自社の立ち位置が知られれば、求人やプロジェクトに応募してくる人も(適切な層から)増加する傾向にあります。

登壇側に回ることで、メリットが増大

では、単にコミュニティに情シスから人を送り込めば、上記のメリットが得られるか? という問いには簡単にYesとは言えません。なぜなら、会社側に持ち帰れる情報=メリットの量が、参加する人のセンサーやコミュニケーション能力に依存する部分が大きいからです。しかしながら、メリットを増大させるうえで一ついい方法があります。それは「登壇側に回る」こと。

これは多くのコミュニティを見てきて確信があるのですが、登壇側に回った方には、そのあとの懇親会やネットワーキングで、他の人から話しかけられることが圧倒的に多くなります。つまりインプットが多くなるんですよね。

情シスのマネージャーの方々は、部下がコミュニティに参加することで一番懸念されるのは「情報漏洩」的なものだと思うのですが、PC紛失やファイルの流出ではなく、人による(実害のある)情報漏洩は、情報量や拡散力(複製力)から言っても、意図的に行われない限りリスクはかなり低いです。意図的に情報漏洩させたければ身元が分かりやすいコミュニティからする人は少ないでしょうし、少なくともコミュニティへの参加と、情報漏洩リスクの増加は相関関係にはありません

で、逆にコミュニティで発表したり発言したりすることで、フィードバックが得られたリ、組織やその人の認知度が高まり、結果的に情報が向こうからやってくるという状況を作り出しやすくなります。別に何十分もあるプレゼン枠から始める必要はありません。多くのIT系コミュニティの勉強会で用意されているLT(ライトニングトーク)枠や、Q&Aの時に、皆の前で(←これ重要)質問をするだけでも全然違います。情シスのマネージャーの方が、部下をコミュニティに送り出すことがあれば、ぜひ登壇側に回るようにプッシュしてほしいです。

ホントにデメリットは少ないのか?

一番起こりうるデメリットとしては、外の世界を知ってしまった人が転職してしまうことがある、ということでしょうか。でも、これはそれ以上魅力的な職場環境を用意するしか手はないと思いますし、いくら隠していても、いつかはわかってしまうでしょう。

それよりは積極的にコミュニティに出て行って、周りを惹きつけられる存在、チームになったほうが断然前向きですし、メリットも多いです。

食わず嫌いになっている情シスの方も多いと思いますが、百聞は一見に如かず。ぜひ、気になる製品や技術の(興味のないテーマは自分事にならないのでダメ)コミュニティに参加してみてください。

コミュニティでは、製品、技術だけでなく、こんな実践的な話も聞けますよ。

ascii.jp

コミュニティ運営者のためのコミュニティ、始めます。

この日のセッションでも、コミュニティをはじめたい(運営側に回りたい)が、どうすればいいか、という質問が多く聞かれました。どうやらここには共通の課題や興味があるようなので、私もコミュニティ運営側に回って、こうしたトピックについて語れる場を作ってみようと思います。

先日Facebookでも書きましたが、11月24日に初回をやってみようと。一緒にやってみたい、という方はご連絡を!

www.facebook.com

 

BD-1で500km! -- 自転車で行く東海道53次(その5)

52番目の宿場町、草津まで到達しつつも、スゴロクのように振り出し(自宅)に戻ってから、再びゴールを目指すDay8~

Go West!

自宅での用事を済ませ、まずは新幹線で前々日に通過した名古屋まで戻ります。最寄り駅で自転車を組み立てて、JAWS Festa 会場の名古屋工業大学を目指します。

会場に着くと、イベントはもうスタートしていましたが、運営チームの皆さんがこんなサプライズを!

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ありがとうございます! ゴールテープを切る機会なんてなかなかないですからね。BGMにはサライが欲しかったところです。

この日は、このまま自転車を講演会場や懇親会場にまで持ち込みましたが、BD-1の注目度は高かったですね! 最近はあまり乗っている人がいないのかな。

折りたためる自転車はいろいろ種類がありますが、ツーリングを考えるとBD-1(現:BIRDY)はかなりおススメですよ。

JAWS Festa当日の模様は、ブログにも書いたのでこちらで。

stilldayone.hatenablog.jp

Final Deststination!

JAWS Festaの懇親会で、さんざん飲んだ翌朝、ドーミーインの朝食で小倉トーストを注入した後、新幹線で京都へ。そこから在来線で草津まで戻ります。1日インターバルがあったので、足もだいぶ回復していますが、アキレス腱のあたりに少し違和感もあり、足に負担をかけないようにゆっくりスタートします。

考えてみれば、草津中山道東海道の交差点でもあるわけですね。中山道もいつか走破してみたいですが、その時にはBD-1ではなく、ロードで行きたいです(笑)。

53番目の宿場町、大津まではほぼフラットな道。ですが、日曜日で交通量もそれなりにあるので、事故にならないよう気を付けながら1号線を進みます。

大津は宿場の感じは残っていなくて、こちらの史跡のみ。さて、ここから一山超えたらいよいよ京都です。

山科を過ぎるあたりで、ついに「三条大橋」の文字が!

このころになると、自然と顔がニヤニヤしてきましたね。そして、ついに!

前日、名古屋で盛大なゴールシーンを演出していただいたせいか、うれしい! という気持ちより、ほっとした気持ちのほうが大きかったですね。そして今回の旅も無事故、無違反でなにより。京都の地ビールで一人祝杯です。

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まだこの日は半日残ってたので、自転車は宅急便で返送して、新幹線でふらりと神戸まで行ってきました。神戸での目当てはコレ。

stilldayone.hatenablog.jp

How was it?

さて、約9日間(実走8日間)にわたり、東海道53次を自力踏破したわけですが、やってよかったか? と聞かれれば間違いなくやってよかったです。

時間にも追われ、観光や地元のものを味わうことも十分できなかったかもしれませんが、地方ごとの文化や人の違い、景色や経済状況などを肌感覚で取り込んでいくには、自転車旅はやはり一番です。車やバイクの旅だと、どうしても点と点をつなぐ感じになりますが、自転車旅はそれがずーっとつながっている感じ、とでも言いましょうか。海外の都市に行った時も、極力その土地を歩き回っていろんなインプットを得ることで「土地勘」を養うのが楽しかったりするのですが、そのインプットが何日も続くのは自分としてはとても面白い感覚があります。

また、箱根越えや鈴鹿越え、ナイトライドなど、体力的、気持ち的に厳しい状況下で、自分と対話しながら先に踏み出すところは、なにかプロジェクトやチームの運用にも似てますね。自分の中に複数の人格がいて励ましたり、NOを言ったりという感じで面白い。一人マギシステムです。

ただ、どうしても時間的、体力的に立ち寄れずパスしてしまったところがあるので、これはまた別の機会に訪ねたいです。

ざっと挙げてもこれくらい(食べ物比率高い)。まだまだ旅のネタは尽きなさそうです。あ、BD-1にはBD-1の良さがありますが、これくらいのロングランなら機材選定も重要。次はロードですかね。

9日間の全行程は下記のとおり。

  • Day1:日本橋川崎宿(#0~#2):約20km
  • Day2:川崎宿~小田原宿(#2~#9):約65km
  • Day3:小田原宿~沼津宿(#9~#12):約40km
  • Day4:沼津宿~掛川宿(#12~#26):約110km
  • Day5:掛川宿~吉田宿(#26~#34):約70km
  • Day6:吉田宿~桑名宿(#34~#42):約80km
  • Day7:桑名宿~草津宿(#42~#52):約100km
  • Day8:JAWS Festa参戦
  • Day9:草津宿三条大橋(#52~終点):約25km

総距離、約510km。ロードなら天気がよければ5日でいけるかも。ロード乗りの皆さん、どうですか?

 

 

 

BD-1で500km! -- 自転車で行く東海道53次(その4)

長い長い静岡路を抜けて、いよいよ第一目標の名古屋(イベント登壇があるので)に近づいたDay6~

Road to Festa:JAWS Festa 東海道 2016 会場へ

このころになると、私が登壇するJAWS Festa 東海道 2016 に自転車で行こうしていることが徐々に関係者にばれ始めて、イベントサイトでも補足されるようになりました。

jft2016.jaws-ug.jp

こうなるとソーシャル越しの声援も多くなり、足も回るようになります。前の日に大量摂取したアミノ酸や、股ずれ対策のベビーパウダーも効果を発揮。天気も上々です。もともとの算段では、雨が降って1~2日くらい足止めを食らっても、イベント当日には自転車で会場入りできるように余裕をもって日程を組んでいたので、このペースならイベント開催前々日にあたるこの日のうちに、名古屋の会場入りできる計算。が、うかれて事故でも起こしては意味がないので、適度に休憩を入れながら進みます。

「是より西」の標識を通過し、

日本橋から330kmを通過し、

夕方前にはついに名古屋市に到達。

が、ここからが意外と長い。名古屋市も広大です。イベント会場の名古屋工業大学は、東海道53次ルートからすると、少し外れているのですが、ここに立ち寄らないわけにはいきませんよね。ということで現在はあつた蓬莱軒のある宮宿跡を経由して、名古屋工業大学へ。

受付のメイちゃんが迎えてくれました。

この日は木曜日で、イベントが開催される土曜日まで時間もあるので、このまま名古屋に宿泊して、名古屋メシを堪能するというのが最もベストな選択に思えたのですが、ふと「残り1日で京都までいけるのでは」という思いがよぎりました。もろもろ条件がそろえば決して不可能ではないのですが、名古屋宿泊にしてしまうと、かなり厳しいと思われます。

名古屋メシは次の機会に、ということで、この日は桑名まで足を延ばして翌日に賭けることに。

あと、この日は一つ宿題があって、ソラコムのリレーブログを書かなければいけなかったというのもあり、飲みに行くのは危険だなと(笑)

はい、ちゃんとブログは書いてアップしましたよ。iPadを持ってきておいてよかった。

 

stilldayone.hatenablog.jp

 

鈴鹿越えにトライ

翌朝は6時起きでスタート。何とか三条大橋にたどりつくべく、疲労で回らない足にカツをいれながら進みます。四日市、亀山あたりまではなかなか順調なペース。

が、鈴鹿の山に差し掛かり、やはりペースが落ちてきました。箱根に比べると全然走りやすいのですが、体の疲労や傷みがずいぶんときている感じ。

ちなみにこの日通過した関宿が、自分的にはベスト・オブ・東海道53次です。ここだけを訪ねにきてもいいと思ったくらい。ですが、タイムリミットが迫っていたので早々に通過。

https://www.instagram.com/p/BLz7n7-AWm2/

An old shop @ the old Tokaido.

さらに勾配がきつくなる中、坂下宿を超え、ようやく鈴鹿峠のトンネルへ。この時点でだいぶへばってます。 

振り出しに戻る

鈴鹿峠からは基本下り基調なので、ペースを上げたいところでしたが、土山宿を過ぎるあたりでまたしてもパンク!

これがボディーブローのように効きました。実はこの日はいったん横浜の自宅に帰らなければいけない用があり(翌日、新幹線で名古屋のJAWS Festa会場に移動する流れ)、そのために京都駅を9時40分頃に出る最終ののぞみに乗る必要がありました。

もし途中で、もう一回パンクとかすると、こののぞみに間に合わない=致命的な遅れになりそう、ということでこの時点で京都まで行くのはあきらめ、

  • この日は52番目の宿場町、草津までで終了
  • 草津から電車で京都へ移動して新幹線で新横浜へ戻る。
  • 翌日は新横浜から名古屋まで移動してJAWS Festaに参加。
  • その次の日に名古屋から草津に電車で移動して、そこから再スタートし
  • 53番目の宿場町、大津を経由して、ゴールの三条大橋を目指す

ことにしました。

琵琶湖あたりまで下りてくれば、街灯も結構ついているだろうと思っていたのですが、予想以上に周りが暗くなり、ペースが上がらないままようやくJR草津駅に。この時点で足がかなり終わってまして、たぶん草津から先に走ってたらいろいろトラブルになっていたかも。結果的にこの日は草津で終了で正解。

パッキングして、いったん京都へ。で、そこから新幹線で新横浜まで。新幹線速い!


その日のうちに家に帰ることができました。翌日午前中の用事を済ませたら、名古屋のJAWS Festa会場へ移動します。

 

ここまでの移動距離:約485km

BD-1で500km! -- 自転車で行く東海道53次(その3)

旧宿場町の座標が乗った神マップを見つけて、ペースアップを図るDay4~。

静岡ロングライド

宿でいろいろと計算をしたのですが、この日は沼津から掛川まで行かないと、あとの工程が苦しくなる感じ。天気も良かったので、朝から積極的に飛ばします。マンホールの絵柄も、イイ感じ。

 

途中、史跡がない宿場町も座標図のおかげでスムースに到達。

 

午前中はすこぶる順調だったのですが、午後に入ってついにやってしまいました。

久々のパンク修理。この時、リアタイヤそのものの摩耗が結構キテることに気が付きました。チューブは替えを持っているものの、タイヤ本体は替えがないので、気を付けて走らないとパンクが頻発しそうな予感。

が、この日は結構距離を走らなければいけない日だったので、リアタイヤを気にしながらも先へ。富士川を渡ったあたりで、これまでの宿場町跡とはだいぶことなり、昔ながらの趣が残っているところが増えてきました。

お土産も充実。

賑わいも結構あります。

が、目標の掛川はなかなか近づかず。藤枝まできたところで、すっかり日が暮れてしまいました。

ここで、宿をとるのもありだったのですが、掛川にはドーミーインがあることが分かったので、当初の目的通り、そこまで足を延ばすことに。

が、予想外の夜の峠越え。街灯もなく真っ暗です。実はこの日、途中の自転車で電装品を新調してあったのですが、もしそうしていなかったらかなり厳しいナイトランになった可能性がありますね。でも、その装備をもってしてもこんな夜道に(笑)

10時頃にようやく掛川のドーミーインに到着。ここはまさかのガレージ付きの部屋(普段はペットづれのお客様用の部屋らしく、ガレージにはドッグランも)に当たって、自転車旅にはベストな環境。自転車をばらさずに持ち込めますので。

さっそくドーミーインおなじみの温泉にはいっていろいろ傷んだ体をメンテ。サドルがあたる部分がずいぶん痛くなっていたので(つまり股ずれですね)、ホントの温泉が出るドーミーインはとても助かります。

翌日も長距離を狙っているので、この日は早めに就寝。

ついに静岡を脱出!

この日(Day5)も長距離、ということで朝風呂にはいってから早々にスタート。この日のうちに静岡県を脱出して、名古屋に近づくのが目標です。

江戸から27番目の宿場、袋井宿で53次もついに折り返し。

天竜川を越えたところで、ウナギを補給しつつ、浜名湖へ。

浜名湖近くにも「関所」があるのを初めて知りました。

ちょっと天気が怪しくなってきたので、先を急ぎます。

そして、ついに静岡県を脱出! 長かったー。

今日の宿を豊川に決めてスパート。が、残念ながら宿直前でまたもやパンク。近くにあったショップで18インチのタイヤを探しますが、やはり見つからないので、通常のパンク修理のみで旅を続行することに。

悲報は続く

宿直前のパンクも割とへこむのですが、更に悲しい事態が。宿の部屋でパンク修理(交換したチューブの補修)をしていたとき、メガネを外して作業していたら、うっかり踏んでしまうという大失態。

さらに、豊橋にあった宿場跡をカメラに収めるのをスルーしていたことが判明。まさか神マップに落とし穴があるとは。

とりあえず、豊橋は写真は撮れていなかったけど、まさに本陣跡と一本脇の道を通過していたので、これでOKということにしました。メガネはアロンアルファで応急処置、先に進む道を選びます。明日は明日の風が吹く

ここまでの走行距離:約385km 

 

 

BD-1で500km! -- 自転車で行く東海道53次(その2)

前回のブログで紹介した機材、装備を用意して、いざ東海道53次踏破へ。

日本国道路元標からスタート

まずは足慣らしと、バイクの不具合の洗い出しを兼ね、二日ほど自宅からの輪行で様子を見ることにしました。

土曜日の夕方に、自宅から地下鉄日本橋駅まで輪行して、バイクを組み立て。

日本橋にある道路元標の写真を撮ってからスタート。

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ハッシュタグ #tokaido53 も同じくスタートです。

 

出発が夕方だったのと、機材チェックが主目的だったので、品川宿川崎宿と二つこなしたところでDay1は終了。ブレーキまわりが要改善でしたが、それ以外は特に不具合ない感じで、改めてBD-1の出来の良さに感心しました。

この日は川崎駅から輪行で帰宅して、翌日、また川崎駅まで輪行でもどって再スタート。ここから箱根越えの一歩手前の小田原宿までがDay2の予定です。ただ、朝のんびり準備していたら走り出しが11時くらいになってしまい、日の高いうちに小田原までいけるかがちょっと微妙に。

途中、横浜で自転車屋(myX)に立ち寄り、気になっていたブレーキシューを前後とも交換。ブレーキのフィーリングがぐっと改善されました。これだけで走りやすくなりますね。

東海道53次旅の難しさ

ここで30分くらいのロスになりましたので、先を急ぎますが、だんだんこの旅の難しさが分かってきました。一つは旧宿場跡がどこにあるかが意外とはっきりしないことで、近くまでたどりいていても、史跡を見つけて写真を撮るまでに10分くらいかかることも。仮に1日10宿場をめぐるとすると、これだけで100分近いロスが発生することになります。特に横浜などの大都市では、宿場跡ってあまり観光資源ではないのか、標識とかがないんですよね。

これは、四国88箇所めぐりのときとはだいぶ状況が違います。88箇所は基本行先がお寺なので、標識が充実していました。ナビや地図とにらめっこしなくても、道路標識を見ていればその場所にいけるようになっています。もう一つは自転車フレンドリーではない道路状況東海道国道1号線沿いに走るというのも、自転車とっては走りづらいルート(自転車走行帯がすごく狭いところに、バスやトラックの通行量は多め)になることが多かったです。88箇所は、寺と寺の間のルートは比較的走りやすいルートを選択してましたし、そもそも交通量が全然比較にならないので、アブナイと感じることも少なかったわけです。

なので、当初頭のなかで計算していたペースでは進まなくなってきました。信号で頻繁に停止してしまうのも、ペースダウンにつながるわけで。

というわけで、小田原についた時にはもう真っ暗。

ちょっとペース配分を考えないといけないと思いながら、小田原から新幹線で自宅へ。翌日も新幹線で小田原まで行って、箱根越えにチャレンジです。

雨の箱根越え

小田原に戻って自転車を組み立てても、この日の朝からの天候は変わらず雨。よりによって、53次でもっともチャレンジングな箱根越えが雨になるとはついていません。が、やみそうな気配もないので雨の中スタートすることにしました。今回初投入の「ゴアテックス"相当"」のフィールドジャケットのテストも兼ねると思い、いざ出発。旧東海道ルートを選択して上りにさしかかります。

いつまでも終わらない坂に、だいぶ気持ちがめげてきたところ。

3時間ほどかかって、峠の茶屋に到着。ここでのお茶とお団子が染み入りました。

期待の「ゴアテックス"相当"」のフィールドジャケットは、防水に関してはまずまずの性能。ただし、自分自身が大汗状態で背中はびっしょり。ゴアテックスとの性能差はちょっとわからないですねー。で、このころになると、機材選択が間違っていたのではと思うようになってきました。やはり軽量でスピードの乗るロードか、ギヤのカバレッジの大きいMTBで来るべきだったのではないかと。せめてペダルはビンディングにすべきだったか。

が、峠を越えて下り坂を満喫する頃には、すっかりそんなことも忘れてしまってました。下っている途中に雨も上がってきて、気持ちも前向き。

ただ、そのあとの三島宿、沼津宿とも、本陣跡の史跡を見つけるのにずいぶん苦労しました。ここでの時間のロスが、精神的にもこたえたので、この日は沼津どまり。そして、この日から、家に帰らずに宿泊して旅を続けるスタイルに変更です。

宿に荷物を置いたら、そうそうに食事へ。駿河湾の幸と地ビールでやる気を補充します。

神マップ発見!

宿で、翌日のルートを再検討しているうちについに神マップを発見! Google Map上で、旧宿場町の座標が確認できる優れもの。これがあれば、どこで写真を撮ればいいかが一発でわかるわけです。

これでずいぶんと次の日からの工程は楽になる、と安心したところでDay3終了

ここまでの走行距離:約125km

 

 

 

BD-1で500km! -- 自転車で行く東海道53次 (その1)

自転車で東海道53次の旧宿場町をめぐる旅。いつかやろうと思いながら、伸び伸びになっていたプランですが、実現できそうなタイミングがやってきたので、迷わず(?)実行してみました。

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BD-1

もともとは、高校生の時に自転車で四国一周の旅に出たほど自転車旅好きですが、免許を取ってからはいつしか自転車での「旅」は少なくなってしまってました。最近の自転車遊びも、もっぱらMTBを車で山まで運んで林道とかを走るスタイルが多かったので、「旅」とはちょっと違う感じ。

ただ、漠然と「いつかは東海道53次を自力で踏破したい」と思っていたところ、たまたま「東海道」がタイトルに入ったイベントへの登壇機会があったので、これを機に実現してみることに。

家にはMTBを中心に6台以上自転車があるのですが、今回の旅の相棒はコチラ。

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ドイツメイドのBD-1(現在は商標問題がクリアになってオリジナルのBirdyの名称に)。いわゆる折り畳みの小径車ですが、折り畳み機構が秀逸で、メインのフレーム部分を分割したり、折ることなくコンパクトになる設計。おかげで、漕いだ時の力の逃げが少ないですし、フレームそのものの剛性を高く保てるので、入手して10年以上たってもまったく問題なく使えます。

当然、車輪の径が大きいMTBロードバイクのほうが移動だけを考えると有利なのですが、東海道=国道1号沿いを走るということで、なにかアクシデントがあったときにすぐに交通機関やタクシーで撤収したり、宿で部屋に持ち込むことを考えたりすると、30秒でコンパクトにできるこのフォールディングバイクの特性が生きてきます。

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場所によっては、コインロッカーにも入ります。

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実際、数年前に四国88か所めぐりをした時も、いくつかのコースはこのBD-1を使ったのですが、その際も特に性能的なディスアドバンテージは大きくなかったように思いましたし、宿で部屋に持ち込める安心感は旅の途中では絶大なものがありましたので。

「走破」旅のルール

さて、この手の「走破」系の旅の場合、何をもって完遂できたかのルール決めが重要です。これがあんまり厳密だと旅が窮屈になりますし、ゆるすぎるとなんの旅だかわからなくなってしまい、これもつまらないことに。

で、今回は以下のルールを適用することにしました。

  • 起点は東京・日本橋、終点は京都・三条大橋
  • ルートは基本的には旧東海道を選択するが、これにこだわらない。走りやすい、安全なルートであればバイパスなども可能(ただし、多くのバイパスは自転車通行不可)
  • 各宿場跡がわかる史跡を目標に。本陣跡が残っていれば、極力そこを。
  • 全行程、自力で走る。いったん自宅に帰るなどの工程が入った場合も、自転車での到達点まで戻れば、そこから再開可能。

まぁ、これを破って一気に三条大橋まで電車やバスで行っても、誰にも分らないともいえるのですが、それでは面白くないのでもう一つルールを貸すことにしました。

  • 宿場跡についたら、コメントと史跡を随時Twitterにアップする。

要は、ちゃんと自力走破しているかどうか、衆人監視のもとに晒すことにしました(笑)。日本橋から三条大橋まで、チェックポイントはすべて写真とコメントをTwitterにあげていくというカタチに。ハッシュタグは #tokaido53 に決定。

今回のきっかけになったイベントのサイトでも、 途中から #tokaido53 が拾われるようになりましたので、衆人監視が一層加速。

jft2016.jaws-ug.jp

尚、自転車で旅しているというと、なぜか「野宿ですか?」と聞いてくる人が多いのですが、それでは単なる苦行になってしまうので、今回も全部宿泊施設。基本的にはビジネスホテルで、可能な限りドーミーインを選択するというスタンスです。 

装備

自転車旅ということで、必要なものは基本自分で運ぶ必要があります。自転車が小径車かつフォールディングバイクということで、あまり大型のバッグを取り付けることもできないですし、折りたたむときの邪魔になるだけなので、荷物はぜんぶザックに入れて背負うことにしました。今回も選択したのは最近お気に入りのマウンテンハードウェアのスクラブラー。雨に強くて、なおかつ軽いというのがとても良いです。

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輪行袋は、ザックの後ろに。で、ウエアは雨さえ降らなければそんなに寒くならないだろうということで、上は自転車用ジャージ、下はMAMMUTのライトトレッキング用のズボン。適度に防水性もあり、軽くて伸縮性もあるのでMTBに行くときにもよく使っているヤツを今回も投入。これ以外の予備(宿についた後、食事などで街に出る用途)で、モンベルのトレッキング用ズボンを一枚。

また、雨対策には、今回初投入のアイテムとして「ゴアテックス”相当”」の性能があるとされるイギリス軍のフィールドジャケットを入手。普通にゴアテックスなサイクリング用品を買えばよさそうなものですが、ゴアテックス”相当”」で一万円を切る価格にやられてポチっと。

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靴も雨のことを考えてゴアテックスで。こちらは今年から愛用しているサロモンのトレッキングシューズで、底がそれなりに固めなのも自転車のペダリングに向いてます。

 

バイス類は、iPhoneiPadと、モバイルバッテリー。この旅はGoogle Mapなしではとても大変ですし、その日の宿とかをとるのにもネット環境は欠かせないので、デバイス、電源ともある程度の冗長性を確保。

これに着替えとか入れていくと、あっという間にザックがいっぱいに。お土産を入れる余地はなくなりました。

さて、走り出す前の説明でだいたい終わってしまいましたが、次回は日本橋のスタートから。

ここまでの走行距離:0km