マーケティング、エバンジェリズム、ときどき旅。

ホントに自分がなりたいのはマーケターかエバンジェリストか、はたまた旅人なのかを徒然に書いていくブログです。

スパイダーF3 で巡るオキナワの休日(次はオープンカーで)

沖縄で仕事があったついでに、一日延泊してかねてより気になっていたトライク(3輪車)・スパイダーで沖縄路を走ってきました。百聞は一見にしかず、ということで乗ってみてわかったこと、感じたことを書いておきます。

地方出張+レンタルバイクのススメ

仕事先でレンタルバイクを借りる、というスタイルはAWS在籍時から結構やっていまして、ブログにも書いたことが。

stilldayone.hatenablog.jp

で、比較的よく使うのが「レンタル819」という全国チェーンのサービス。

www.rental819.com

会員登録しておけば、同Webサイトから全国のチェーン店(運営は地場のバイクショップがやっているので、店舗数も用意されているバイク車種も結構多いです)でのバイクレンタルが可能。ヘルメットもレンタルできるので手ぶらで行っても大丈夫、です。特にバイクは天候が快適性を左右するので、直前まで様子を見ることが多いのですが、その意味でもこのWeb予約システムと全国チェーンの店舗ネットワークはありがたいですね、
で、時々どんなバイクがレンタル可能なのかネットサーフィン的に見ることがあるのですが、そこで見つけたのがコレ

www.rental819.com

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一度乗ってみたいと思っていたスパイダーが沖縄にあるではないですか。というわけで、いつか沖縄に行ったときに借りようと決めていたのですが、今回ついにそのタイミングが!

宅配3輪バイクとは大違い

仕事明けの土曜日、心配していた天気も問題なく朝から夏模様、ということでスパイダーのレンタル予約をしていたお店で初対面。想像よりかなり大柄です。

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車と比べてもこんな感じ。

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初めてのスパイダーということで、乗車前にいろいろとレクチャーを受けます。実は学生時代(30年前!)に宅配お好み焼きのバイトで3輪バイクに乗っていたことがあり、勝手にスパイダーも操作系は宅配3輪バイク的と思っていたのですが、レイアウト(前1輪 後2輪 → 前2輪 後1輪)以外にもいくつか独特なものがあります。

まずはブレーキ。フットブレーキのみで、ハンドルにはブレーキレバーがありません。前後連動ブレーキなのでフットペダルだけというのは合理的ではありますが、とっさの時にブレーキレバーを探してしまうことが結構ありました。これは慣れが必要。(お店の人の話では、オプションでブレーキレバーをつけることもできるようです)
ミッションはセミオートマです。左側のシフター(MTBのラピッドファイヤーシステムに似ています)でギア選択しますが、減速時のみオートで(ブリッピングしながら)シフトダウンしていきます。これはラクチン。

車体が結構重いので、車庫入れや切り替えしのためのリバースギアもあります。ほぼ車ですね。

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で、たっぷりの収納。これでも収納が少ないモデルのようで、トップケースが付いているモデルもあるようです。ヘルメットもフロントトランクに完全収納可。
パワーユニットはエンジン屋・ロータックス(BRP)製の1300cc3気筒で、パワーも申し分なさそうです。

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では、エンジン始動して、出発します。

ロードインプレッション

セミオートマとパワフルなロータックスエンジンで、走り出しも簡単。まずはクルマの流れに任せての走行です。で、コーナーに差し掛かって普段乗っている2輪バイクとの違いを実感。体がコーナー外側に押し出される感覚になります。考えてみれば当たり前で、バイクなら車体をイン側に傾けて(つまりハンドルはほとんど切らないで)曲がるわけですが、スパイダーはイン側に傾きませんので、乗っている人は外側に押し出されるわけです。で、そもそも曲がるにはハンドルを切らなければいけないので、このあたりは大きく感覚が違いますね。

で、ハンドリングは思いのほかクイック。ブレーキを使って前荷重をかけながらコーナーに入ると、ほんとによく曲がります。が、クイックに曲がろうとすればするほど自分は外側に押し出される感じになるので、外側のハンドルバーを押し出しながら体を支えるようなライディングスタイルになります。内輪も浮きそうになりますが、自分のコース取り、スピードでは浮くことはありませんでした。これはこれでなかなか面白いです。聞いた話ですと、これで峠道を走ると腕がパンパンになるらしいですが、確かにありそうです。

更に、バイクとの違いで大きいのは絶対転ばないという安心感。これは流しながら走っている気にはすごく効きますね。疲れ方が違います。
一方、タイヤの扁平率はクルマと同じなので、わだちの影響は結構受けますね。道はある程度フラットなほうが相性よさそうです。沖縄も良かったけど、北海道とかで長距離走ると、更に気持ちよさそう。

車体の大きさがあるので、駐車スペースは普通にクルマ用のところを使います。お店の駐車場でバックしていれていると、周りにいる人から大注目。特に子供たちの目が釘付けになりますね。ある程度慣れてきてから。追い越し加速なども試してみましたが、やはり早いですね。車重も結構あるはずですが、さすが1300cc、ゆとりのパワーでスピードが乗ります。200kmはかるく出るんじゃないかな。(出しませんけど)

今回は沖縄本島の南側を6時間くらい、海岸線を中心に走りました。沖縄はこうした足がないといけないお店が多いので、これを機に以前から行きたかった食堂やカフェにも立ち寄ってみました。

まずは海洋食堂で豆腐ンブサーを。

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百名ビーチ近くの絶景カフェ、Cafeやぶさちではシークワーサードリンクでクールダウン。

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ビーチにもよってみました。ピースフルですね。

https://www.instagram.com/p/Bk6yrfqhvZY/

Weekend on the beach.

これは途中のOjima Island(奥武島)で。

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このアングルで撮ると、ロー&ワイドなフォルムが良くわかります。個人的には、このリアからのアングルが一番かっこいいなと思ました。

さて、帰路につきます。大半は走りやすいシーサイドロードで、クルマの流れもスムースだったのですが、クルマ社会の沖縄では都市部に近づくと結構な渋滞に遭遇します。ここで、バイクとの決定的な違いに直面します。そう、すり抜けできないんです。

もともと、自分は無理にすり抜けするタイプではないのですが、都市部では赤信号のたびに一番前に出られるのは結構なアドバンテージだったりするわけです。スパイダーではそれがまったくできません。で、屋根もありませんから、渋滞の中で強烈な日差しにさらされ続けることに。

レンタル819に返却するころには、日焼け対策していなかった腕にくっきりと日焼けの跡が。沖縄の日差しをナメてはいけませんね。

スパイダーは買いか?

さて、半日乗ってみたスパイダー、いい点もたくさんありました。その安全性や、独特な乗り味(楽しい)、そしてバイクにしては収納もたっぷりで、二人乗りもきっと快適。1300cc3気筒エンジン(ロータックス製ってだけで、自分的にはポイント高いです)もいいフィーリングです。ちなみに、スパイダーはトライクなので、普通免許で乗ることができます(大型2輪面免許不要)。推奨しませんが、法律上はヘルメットをかぶる必要もありません。

オープンエアな爽快感もあり、いいことづくめのようですが、個人的には食指は動きませんでした。その理由は、「これならオープンカーを買ったほうがいいのでは?」ってことです。

バイクとしてすり抜けができないことに加え、バンクさせながらコーナーを抜ける爽快感がないのは、個人的にはマイナスポイント。大きさ的にも、通常のバイク用ガレージには収まりません。車とおなじ保管スペースが必要になります。

スパイダーがもつオープンエア、収納性、二人乗りの快適性、などのメリットを得ようとすると、普通にオープンカーが対抗に挙がってきますね。一般にオープンカーは収納性に欠けると思われがちですが、バイクに比べれば格段に収納力あります。

お店にUSEDのスパイダーが展示されていましたが、中古で230万円とけっこうな金額。

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これって、現行ロードスターの中古が買える価格ですよね。

www.goo-net.com

もちろん、その希少性やスタイル(メカ好きにはたまらない!)の良さがネガに勝つのであれば、スパイダー所有も十分ありな選択肢だと思いますが、自分的にはバイクとオープンカーにそれぞれ及ばない気がしました。その2台の良さを1台で兼ね備えると考えれば合理的ともいえますし、普通免許しかない状態であれば大型バイク的な爽快感を得る方法としてもアリだと思います。が、 自分のようにバイクの免許があってバイク自体も持っている場合だとすると。。。。

逆にいえば、所有よりレンタルでこの非日常性を楽しむのがおススメ、とも言えます。ご興味ある方は、沖縄にお越しの際にぜひお試しを。

というわけで、スパイダーに乗って、オープンカーの魅力に気が付いた、というオチでした。こんどはオープンカーをレンタルしてみよう。

 

 

 

パラレルキャリア月報 -- May 2018

5月のパラレルキャリア月報です。社内打ち合わせや、クローズドなセッションは例によって省略です。実はSSTRサンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー)に初めて参加して千里浜で感動のゴールランもしたのですが、これももちろんお仕事成分がないので省略。千里浜の写真だけ掲載しておきます。

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サマリー

この5月は初めて米国でのGoogle I/Oに参加したのを皮切りに、3月から仕込んでいたコミュニティリーダーズサミット in 高知、さらにAWS Summit Tokyo ではパラキャリ先のABEJAがキーノートでゲスト登壇するなど、ハイライトも多めでした。特にGoogle I/Oは、グーグルのHQ(Googleplex)の雰囲気や、Google I/Oのオーガナイズ等にも直接触れて、「グーグルらしさ」が自分なりにわかったようにも思います。

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今回のGoogle I/OもAI絡みのネタが多かったですが、一番のインパクトはやはりDuplexですよね。こちらのブログでも書いた通り、チューリングテストをパスするレベルのものだと思います。この夏には、Duplexの実テストが開始されるようですね。日本語でも早く触れるようになることを期待。

www.itmedia.co.jp

また、5月18日~20日の3日間は、高知に全国から(もちろん高知県内からも)コミュニティリーダーを集めて、カツオを楽しむ。。。いや、コミュ二ティの力をアピールする「コミュニティリーダーズサミット in 高知(CLS高知)」を開催。自分は、こうしたゼロからイチを作る企画が好きなんだなと実感した次第。「難しい」と周りから思われていることをやり切るのは楽しみでさえあります。CLS高知については、こちらのブログに思いやアーカイブをまとめていますので。よろしければぜひお読みいただけると。

stilldayone.hatenablog.jp

stilldayone.hatenablog.jp

そうそう、5月17日は、パラレルキャリア先であるオンライン決済プラットフォームであるStripeでJCBカードが利用可能に(これに付随してJCB経由でダイナースとディスカバーも対応可能に)なりました。利用者の方々の声はこちらの #JCB待ってたハッシュタグでもご確認いただけます。もともと、Apple PayやGoogle Pay、Alipay、WeChat Pay等で先行していたStripeですが、主要クレカブランドにすべて対応した(しかも料率は*最大で* 3.6%)ことで、かなり盤石な体制になったのではと思います。写真はStripeオフィスでの記者会見の際の、JCBの方と、Stripe COOのクレア、Stripe Japan 代表のダニエルとのフォトセッションの模様。

 

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関連記事はこちらで。

japan.cnet.com

登壇ログ

5月の登壇ログはコチラ

JP_Stripes Contributers Day (5/12) [Stripe]

全国10都市に展開した、Stripeのユーザーコミュニティ、JP_Stripes の各地のリーダーや登壇者の皆さんと、今後のコミュニティ活動の方向性についてオフラインで討議しました。ある程度、全国にコミュニティ活動が広がったときは、こうやってリーダー同士で考え方のキャリブレーションをしたり、今後のステップについてマイルストーンの共有をしたりするのは効果的です。全国規模のコミュニティを運営している方は、こうした会を持ってみるとよいかと思いますよ。

JP_Stripes にご興味ある方は、Facebookグループにもぜひご参加を。

www.facebook.com

CMC_Meetup Tokyo Vol.9 (5/15) [CMC_Meetup]

東京では9回目となるCMC_Meetup、今回は「円形ステージ」で有名なDEJIMAさんでの開催でした。

togetter.com

CMC_Meetup for B2C キックオフ(5/17) [CMC_Meetup]

CMC_Meetup 初の B2Cにフォーカスした会合。キックオフでは、プレゼンではなくディスカッション主体で参加者のコンテキスト固めができたと思います。

レポートはコチラを。

note.mu

CMC_Meetup in 高知 Vol.2 (5/18) [CMC_Meetup]

CLS高知のプレイベント的に、高知で2回目となるCMC_Meetup を開催。佐川町の堀見町長によるホワイトボードプレゼンが圧巻でした! 私のスライドはコチラを。

www.slideshare.net

コミュニティリーダーズサミット in 高知(5/18~19)

3月から高知県庁の有志の方々や、高知県内外のコミュニティリーダーの方々との共同で準備を進めてきた結果、素晴らしい3日間になりました。集まった方々によるアウトプットも下記の通りなかなかの数に!

  • メディア記事:4本
  • 参加企業のブログ:3本
  • 参加者のブログ:12本
  • 公開資料:10本
  • ツイート数:1,100以上

そして初ガツオも美味しかった!

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次回は戻りガツオの時期:10/13(土) に開催予定です。Save the Date!

私が進行したパネルの進行スライドはコチラ。

www.slideshare.net

INEVITABLE ja night #4 (5/23) [Still Day One]

Googleさんと定期的に開催している IBEVITABLE ja night の4回目。今回は元Cerevo、現Shftallでパナソニックグループに「出戻り」された岩佐さんとVUIについての対談でした。進行スライドはコチラ。

www.slideshare.net

当日の内容含め、VUIについての考えは、こちらのブログもご参照ください。

stilldayone.hatenablog.jp

GPU Deep Learning Community #8 (5/24) [ABEJA]

マクニカさんが運営サポートしている GPU Deep Learning Community をABEJAの新オフィス(白金高輪)でホストさせていただきました。こうしたAI絡みのミートアップであれば、場所のホストをABEJAでも進めていきますよ。ご興味ある方はご連絡を。

gdlc.connpass.com

会場はこんな感じです。

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その他、メディア掲載

ascii.jp


番外編:You are what you eat :-)

サンフランシスコにて

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麻生十番にて

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高知にて

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高知にて

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六本木にて

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金沢にて

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サブスクリプションビジネスの「ターボ」:コミュニティとカスタマーサクセス

5月のCMC_Meetup Tokyo Vol.9にカスタマーサクセスの伝道師:岡田奈津子さんに登壇いただいて以来、カスタマーサクセスとコミュニティの関係についていろんな会社やポジションの人と話す機会がありました。その中で、なぜこの二つがXaaS系の「サブスクリプションビジネス」に重要なのかを考えていたのですが、サブスクリプションのターボのような存在だと確信してきたので、自分なりに言語化してみるとこにします。

※写真はイメージです。

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出典:CarShowroom https://www.carshowroom.com.au/news/new-patent-tells-of-engine-with-a-turbo-for-each-cylinder/

事例:AWSにおけるコミュニティとカスタマーサクセス

まず、コミュニティとカスタマーサクセスがどのように機能していたか、サブスクリプションビジネス(従量課金ですが、モデルとしては間違いなくサブスクリプションです)では自分の在籍期間が一番長いAWSを例にファクトを見てみます。

私の在籍時には「コミュニティマネージャー」というポジションはAWS(ジャパン)にはありませんでたが、そのロールは一人マーケ時代の私や、歴代エバンジェリストの人が担当してきてJAWS-UGというコミュニティが出来上がっているので、ここは機能していたといえるでしょう。余談ですが、JAWS-UGの昨年(2017年)の活動実績は

  • 勉強会開催数:約260回
  • のべ参加人数:約9,300名

と、まさに自走するコミュニティの鏡と言える規模に成長しています。

もう一つの「カスタマーサクセス」についてはどうでしょう? 私が在籍中(2009年12月~2016年8月)のAWSには実は「カスタマーサクセス」というポジションは存在していませんでした。先日関係者に確認したところでは、2018年6月時点でもポジションや部署としては存在していないようです。では、「カスタマーサクセス」無しで、AWSクラウドサブスクリプションビジネスで今のような大きな市場シェアを取ることができたのでしょうか? 答えはもちろんNO。ちゃんと「カスタマーサクセス」を実行できる人やチームがいたのです。

「腕っぷしの強い営業」を採らなかったAWS

その中心となっていたのは、通常のサポートチームに加え、「営業」と、そこを技術的に助ける「SA(ソリューションアーキテクト)」のコンビネーションでした。それまでの(特に外資IT系全般の)良い営業像とは売り上げを上げられる人を指し、ハードウェアやソフトウェアライセンス等の売り切り系の製品の場合は、お客様が「使い始める」までが勝負でした。なので、導入後にハードやソフトがどれだけ使われるかには関心がいかない(もう代金は回収してしまっているので、当たり前といえば当たり前)構図となります。一方、AWSの場合はどうだったか? いくらお客様がEC2やS3を「使う」と言ってくれても、その時点では1銭にもなりません。実際にアプリケーションやサービスがAWS上で稼働し、その規模が大きくならないと(少なくとも継続利用されないと)売り上げが上がらないのです。そうなると、ワンショットでの導入金額ではなく、MRR(月々どのくらい使っていただけるか)や、LTV(どれだけ長く、たくさん使っていただけるか)でしか評価されません。となると、お客様のAWS導入プロジェクトや、AWS上で展開するビジネスが「成功」しなければ、MRRもLTVも上がらないので、営業とSAのチームは、お客様と伴走する力が重要になるわけです。

これは営業的には大変な仕事です。なぜなら導入を開始したお客様が増えれば増えるほど、「伴走」しなければいけない相手も増え続けるから、です。その一方で、新たなお客様の開拓もしなければいけません。そのためにはお客様に早く成功していただき、「自走」を促さなければならない。場合によっては、一時的に売り上げが下がっても、お客様に長く使っていただくために、よりコストの安い構成を提案することも日常茶飯事(AWS Trusted Advisor はこれがサービス化したもの)です。これらの活動は、いわゆる売り切りタイプの営業には向かないスタイルです。なので、私がAWSの営業ポジションの採用にも深くかかわっていたころは、「一発大きな契約をまとめる」方向に走りがちな腕っぷしの強い営業より、お客様と伴走できて、自走をお流せるタイプの営業の方を採るように心がけていました(もちろんそれだけでは採用になりませんが)。

逆に言うといわゆるライセンス売り切りと、クラウドサブスクリプションを、同一の営業が同一のお客様(やマーケット)にするという体制は、私の経験からはかなり難しいように思います。

スケールするために営業とカスタマーサクセスの機能を分ける

上記のように、お客様と伴走できるタイプのサブスクリプションビジネスにあった営業チームをそろえ続けるのも一つのモデルですが、そうした人材が無尽蔵にいるわけではないので、どこかで伴走の部分を分けたほうが、組織的にはスケールしやすくなると考えられます。おそらく、ここが「カスタマーサクセス」という部門やロールに急速にスポットライトが当たり始めている背景かと思います。

カスタマーサクセスの組織に求められること、については、岡田先生のこちらの資料に一度目を通すとよいかと思います。

www.slideshare.net

このプレゼンがあったミートアップの内容はコチラを。

togetter.com

レポートもあります。

backlog.com

詳しくは資料やツイートを見ていただくとよいのですが、カスタマーサクセスにとって重要なポイントを5つあげるとすると

  • カスタマーサクセスは顧客と「伴走」しても良いが、「代走」してはいけない。なぜなら最終的には顧客に「自走」してもらう必要があるから
  • カスタマーサクセスは「受け身」ではできない。顧客に「先回り」する力、体制が必要
  • カスタマーサクセスのKPIは契約継続率(売上数字は営業のKPI)
  • カスタマーサクセス対象の顧客効率的にカバーするために、ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチの3つに分類(テックタッチでボリュームゾーンをカバーできることが前提)
  • カスタマーサクセスは経営側のコミットが重要(XaaSビジネスは特に)

あたりに集約できそうです。

ちなみに、「ウチにはもうカスタマーサクセスの組織があるよ」という方、スライド内の「カスタマーサクセスが陥りやすい課題4選」に眼を通してください。

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①知見の俗人化:カスタマーサクセス担当がやめると顧客もやめる問題。→チームや仕組みでの対応必須
②業務の肥大化:特に東京は顧客に「会いに行ける」距離なので、ついつい会いに行ってしまう→スケールしない。テックを使おう
③組織の形骸化:カスタマーサクセス部門の名前がついていても、実態はカスタマサポートだったり、KPIを持っていなかったり、営業の下にカスタマーサクセスがついていたり。→名が体を表す体制に
④方針の迷走化:発生場所は経営より ←うむ案件

けっこう当てはまる組織が多いと思いますよ。

コミュニティマーケティングがカスタマーサクセスを必要とする理由

コミュニティマーケティングについては、自分のAWSでの経験をもとに、この3年ほどいろんなところでお話してきました。2016年に立ち上げたコミュニティマーケティングを考えるコミュニティ= CMC_Meetup のFacebookグループには、今や1,200名を超える方が参加いただいていますし、わかりやすい解説がマンガになるほど認知が上がってきています。

webtan.impress.co.jp

このコミュニティマーケティングを始める上で、欠かせないのが「ファン」の存在です。いろんな会社でコミュニティマーケティングを始めたいという相談を受けるのですが、思いのほか「ファンが見つからない」「ファンの育て方がわからない」という問題に直面することが多いです。実は、このファンを効率的に作りだす仕組みが「カスタマーサクセス」であると理解すると、コミュニティマーケティングとカスタマーサクセスが深い関係にあることがわかります。

AWSにはカスタマーサクセス部門はありませんでしたが、初期の営業+SAのチームがカスタマーサクセスを実行してくれていたおかげで、継続的にAWSのファンが生み出されていたという事実があります。で、このファンの人たちがコミュニティの1st ピンになることによって、コミュニティ活動が加速されるという関係性にありました。この仕組みをコピーしようとするのであれば、カスタマーサクセス部門がファンを量産し、コミュニティマーケティング担当者が、ファンを起点にコミュニティ拡大を図るという体制を作るのがもっとも効率的だと思います。

熱量の高いファンが、コミュニティを通じて見込み顧客に対するデマンドジェネレーション(自分ゴト化)を活発に行うことで、その後の新規顧客獲得をスムースにしたり、既存顧客に対してより良いユースケース紹介することで、クロスセル、アップセルの促進やチャーン防止を進め、MRR、LTV拡大に寄与するようになります。ちょうど排気ガスを利用して出力向上を実現するクルマのターボエンジンのようにマーケティングファネルの途中に過給機が付いているイメージ。図にするとこのようなモデルになりますね。

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コミュニティとカスタマーサクセスの「ターボ効果」

実際XaaSのビジネスをしている会社を見てみると、コミュニティマーケティングとカスタマーサクセスの両方の機能を備えていないところもまだまだ多いようです。その場合、従来のマーケティングファネル主体で案件化を進めることになりますが、売り切りビジネスと同様のファネルだと、サブスクリプションでもっとも重要なKPIであるチャーン防止も、カスタマーサクセスの助けなしで取り組みことになります。また、カスタマーサクセスがいないと、前述の通り「ファンが見つからない問題」に直面することも多そうです。結果、ターボのないエンジンと同じで、サブスクリプションビジネスの加速力に大きな差が出ると考えられます。

www.youtube.com

コミュニティとカスタマーサクセス、この二つの機能の連動がもたらすターボ効果は、サブスクリプションビジネスにおいて、とても有効だと思います。サブスクリプションビジネスのオーナーには、このターボの導入検討をおススメします。

 

 

【アーカイブ】CLS高知(2018/05/19開催)関連のアウトプット一覧

2018年5月18日(金)~20日(日)にかけて高知で開催された コミュニティリーダーズサミット in 高知(CLS高知)のアウトプットが、ありがたいことに開催1か月を過ぎても続々と出てくるので、そのアウトプットをアーカイブできるページを用意しました。

先日書いたブログの補完的な位置づけです。

2018年6月21日 6月25日現在の数的なアウトプットは以下の通りです。

  • メディア記事:4本
  • 参加企業のブログ:3本
  • 参加者のブログ:10本 12本
  • 公開資料:10本
  • ツイート数:1,100以上

CLS高知・当日のアジェンダ

eventregist.com

関連情報が掲載されるFacebookページ

高知県コミュニティサポーターズ - ホーム | Facebook

メディアによるカバレッジ

4本(2018年6月20日現在)

 <ITメディア>

www.itmedia.co.jp

<ASCII.jp>

ascii.jp

<ASCII.jp>

ascii.jp

<ニコニコニュース>

news.nicovideo.jp

参加企業によるカバレッジ

3本(2018年6月20日現在)

<イベントレジスト>

info.eventregist.com

<ビッグビート>

www.bigbeat.co.jp

<ビッグビート>

www.bigbeat.co.jp

登壇者・参加者によるブログ

10 12本(2018年6月20日 6月25日現在)

<落合さん (関東からの参加者)>

www.kissandcry.me

<大橋さん (関東からの参加者)>

blog.mamohacy.com

<大泉さん (関東からの参加者)>

medium.com

<山下さん (関西からの参加者)>

www.yamamanx.com

<坂上さん (キックオフパネル登壇者)>

note.mu

<松浦さん (グループ討議ファシリテーター)>

medium.com

<四宮さん (LT登壇者)>

note.mu

<四宮さん (LT登壇者)>

note.mu

<北川さん (LT登壇者)>

makikomitiger.com

<沖さん (LT登壇者) >

blog.r3it.com

 

<片岡さん (運営チーム)>

CMC_MEETUP IN KOCHI と コミュニティリーダーズサミット開催までの舞台裏https://yukataoka.wordpress.com/2018/06/20/cls/

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<小島(運営チーム)>

stilldayone.hatenablog.jp

  <小島(運営チーム)>

stilldayone.hatenablog.jp

登壇者スライド 

公開資料:10本

<キックオフパネル進行スライド>

www.slideshare.net

 <田名辺さん(北海道の楽しい100人/半農半IT事業者)>

speakerdeck.com

 <北川さん(JAWS-UG神戸/関西大学)>

speakerdeck.com

<四宮さん(地域クラウド交流会/ジョイゾー)>

www.slideshare.net

 <中山さん(リモートワークジャーニー/ネオラボ)>

www.slideshare.net

 <さん(kintone Café 愛媛/アールスリーインスティテュート:愛媛)>

www.slideshare.net

<小林 さん(Agile459/シーマイクロ:香川) >

www.slideshare.net

< 宇都宮さん(TECH LAB PAAK/SHIFT PLUS:高知)>

www.slideshare.net

< 竹﨑さん(コリビングスペースOUCHI/高知大学:高知)>

www.slideshare.net

<武市さん(土佐高同窓生交流会/集合写真家:高知)>

www.slideshare.net

 

ツイートまとめ

ツイート数:1,100以上

togetter.com

※最終更新:2018年6月21日 6月25日

地方でのコミュニティイベントの創り方 --つながりの起点になる「人」とその土地ならではの「Good Excuse」を探そう

5月18日(金)~20日(日)にかけて、様々な分野でコミュニティをリードする人たちが高知に集結する「コミュニティリーダーズサミット in 高知」のキックオフとなる会合(前夜祭、本篇、大人の遠足)が開催されました。参加者の熱量も高く、期間中のツイート総数は1,100を超える数になり、トレンド入りも。

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※撮影:集合写真家 武市 真拓 さん( http://fb.me/masahiro.takechi/ )

写真からも参加者の方の熱量が伝わってきますね。

東京から遠く離れた高知で、どうやってこの場が生まれたのか、これからどこに向かっていくのかについて、整理しておこうと思います。

「人」がコンテンツとなる場づくり

今回のコミュニティリーダーズサミット in 高知(以下、CLS高知)を開催するに至った経緯や概要については、こちらが詳しく書いたのですが、

stilldayone.hatenablog.jp

まとめると、このミートアップを起点に、高知県内と県外の人の継続的な交流につながる、具体的なアクションを生み出していく事をゴールに設定していました。言い換えると、様々なコミュニティ活動を生み出す母体となるコミュニティの立ち上げとも言えますね。

そのためには、この人とつながりたい!と思わせる魅力的な人たち=ロールモデル(リーダー)と、その人たちに会いたい、これをきっかけに行動したいと思う人たち=フォロワーが適切な比率で出会う場が必要だと考えました。

ちなみにフォロワーの存在がロールモデル(リーダー)を作り出す上でいかに重要かとという話は、こちらのTEDの動画を見るとよくわかります。

www.ted.com

今回、慎重にセレクションした上で登壇いただいたパネリスト、スピーカーの方々は以下の通り県外勢が多いですが、総勢18名(+進行の私)に。それぞれが自分のコミュニティをリードしていたり、コミュニティに大きな貢献をしているコントリビューターの方々です。

※並びは登壇順

ちなみに、今回の登壇者の方々はそれぞれご自身のハッシュタグ#九州バカ #武闘派CIO #ちいクラ #MakikomiTiger #おうちのみうちゃん 等々)を持っている方が多いのも特徴的でした。自分のハッシュタグがあるって、ラベルマーケティング的にも正しいアプローチだと思います。

告知はターゲットリスト+登壇者ネットワーク中心で

これだけ発信力のあるコミュニティリーダーが集まっているので、告知は私のほうで用意したターゲットリスト(登壇者と同じく自分のコミュニティを持っているような人たち)と、登壇者の方のコミュニティ経由での告知に絞り込む形にして(県内向けに、一部Facebook広告は実施しましたが)集客をしました。告知の画像もこんな感じで登壇者押しな感じに。

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なぜかというと、あまり不特定多数に告知してしまうと、フォロワーではなく、ワナビーズ(アウトプットをあまりせず、インプットだけ求めるタイプ)な来場者が多くなってしまう危険性があるからです。これは、私が主宰しているCMC_Meetup (コミュニティマーケティングについて考えるコミュニティ)でもよくお伝えするのですが、セミナーで来場者を集めるのが目的ならワナビーズな人を集客ターゲットにしても良いのですが、コミュニティの立ち上げの時期の場合はNGです。なぜなら、まだ少数なロールモデルな人の熱量をワナビーズが過剰に「消費」し、場合によっては「消火」してしまうことが多いからです。

一方、熱量の高いロールモデルに適切なフォロワーを混ぜると、更に熱量が増大することが多いです。ちょうど焚火の種火に枯れ木をくべる感じで、お互いが燃えて火が大きくなるのと似ています(ワナビーズは生木をくべるような感じで、最終的には火が消えてしまいます)。なので、コミュニティ立ち上げ時期には、ロールモデルとフォロワーを適切に集めることが重要になるわけです。CMC_Meetup では、この集団をコミュニティ構築に必須な「ファーストピン」と呼んでいます。

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「初ガツオ」がGood Excuseに

 上記のように「人」がコンテンツになることで、県外から適切な来場者を呼ぶ流れは作れるのですが、もう一つ重要なのが、なぜ「今」のタイミングで「高知」に行くのか? という意味付けです。参加した後は、高知のコミュニティリーダーとつながり、高知へのエンゲージメントが高まることは想定できるのですが、そもそもその前に「高知に行く」ことを納得してもらう理由(Good Excuse)がないと、コスト的にも時間的にも遠いところにある高知に来てもらうのは難しいですね。以下の交通費変形地図でも高知がかなり不利な位置にあることがわかります。

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実際に、最近はやっている「制県レベル」(どの都道府県に行ったことがあるか、でレベル測定測定するもの)での皆さんの投稿を見ても、高知「だけ」は行ったことがない、という人が多数いることからも、かなり強いGood Excuseが必要です。

下はマーケ業界でも「旅人」として有名なオイシックスの西井さんの投稿。日本国内外をこれだけ旅している方でも、きれいに高知県「だけ」が白地図です。

www.facebook.com

そこで、その地域でしか体験できない「͡コト」やその時でないといけない「旬な要件」がGood Excuseとして必要です。今回の高知訪問のGood Excuseにプッシュしたのが、「初ガツオ」を「高知のひろめ市場」で、「コミュニティリーダーの人たち」と楽しむ、というたてつけです。というわけで、企画されたのがこの前夜祭。

eventregist.com

ひろめ市場のやいろ亭前の席を30数席確保(この難易度は高知の人にしかわからないかもしれませんね)するという努力の甲斐もあり、前夜祭もSold Out!そして、登壇者同士の熱量も予想以上に高まり、2次会、3次会に流れていった人が多数。この熱量を見て、翌日のミートアップ成功をほぼ確信するに至ってました。

オフラインの場が生み出す「熱量」

先の前夜祭でもそうですが、同じ場を同じコンテキストで共有することが熱量を高めるうえですごく重要な舞台装置になります。で、この熱量がコミュニティが動き出すエネルギーにも直結するわけです。

この熱量を適切に高める上では、登壇者と聴講者という2軸ではなく、それぞれがピラーな関係で結びつくことが必要です。そのためには質問タイムや、ネットワーキングが欠かせなくなります。今回もセッションの後は極力質問を受けるようにしつつ、セッションが終わるごとに登壇者と参加者が交流できるネットワーキングタイムを設定していました。

あとは、皆がその場その場で感じていること、考えていることを「形に残す」作業も有効です。いろんなやり方があるかと思いますが、私はハッシュタグ付きで、ツイートを促すのが現時点では最も効果的だと思っています。今回も、ツイートがツイートを呼ぶ形で1.100を超える「熱量」が記録されたので、その効果を再確認した次第です。

togetter.com

アウトプットが次のアウトプットを呼ぶ連鎖

ミートアップのあと、できるだけ早く参加者のアウトプットが出てくるのが、流れをつくるうえで重要となります。今回もCLS高知の最中に「ブログを書くまでがミートアップ」と何度もお伝えしてアウトプットを促したり、CLS高知後もブログやメディアの記事が出るたびに登壇者同士のFcebookグループや、外向けのFacebookページで告知していったのが有効だったと思います。皆がブログ等のアウトプットをしているのを見て、「自分もアウトプットしよう」と思うようになるわけですね。

<メディア記事>

ascii.jp

www.itmedia.co.jp

 <参加企業の公式ブログ>

info.eventregist.com

www.bigbeat.co.jp

www.bigbeat.co.jp

<参加者ブログ>

medium.com

www.kissandcry.me

blog.mamohacy.com

note.mu

makikomitiger.com

次は戻りガツオの時期に

冒頭でも書いた通り、このミートアップはコミュニティ活動による人材交流をか発にするのが目的です。なので、このイベント単体で終わったしまっては意味が半減してしまいます。具体的には、このコミュニティリーダーズサミットで出会ったコミュニティリーダー同士が個々につながりあうことでコミュティを軸としたつながりがどんどん増えていく形を促していきます。たとえば、今回紹介された県外で成功しているコミュニティイベントのフォーマット(#ちいクラ や #北海道の楽しい100人 など)を、高知でも実践してみたり、高知のコミュニティ活動に県外スピーカーや参加者にもっと来てもらうためのお声がけを増やしたり、(ここが一番大事なのですが)高知県の人が、県外のコミュニティイベントに参加したり、登壇したりする、といった活動です。ちょうど下の図のような流れですね。

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もちろん、これはCLS高知の主催側である高知県庁の方々の理解と協力なしには成功は難しいわけですが、担当の方々が熱心に取り組んでいただいていて有難いです。県庁とコミュニティの協働モデルとしても、今後フォーマット化していけるといいなと。

今回始まった流れを更に拡大、加速させることを目的に、秋ごろにCLS高知・リターンズをやりたいと思っています。今回は「戻り鰹」がGood Excuseの一つですね。CLS高知・リターンズには、キックオフに参加した人たちのみならず、その人たちがその後にコミュニティ軸で知り合った人たちを「引き連れて」戻ってくる場ですね。開催日程としては10月後半の土曜日が有力です。日程は正式に決まり次第ご連絡しますが、戻りガツオを堪能したい人は今のうちにSave the Dateを!

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VUIはK.I.T.T.を目指す -- AIの進化がVUIをゲームチェンジャーに

5月に参加した複数のイベント(Google I/O、INEVITABLE ja night #4、AWS Summit Tokyo)を通して、音声によるインターフェース・VUI(ボイス・ユーザー・インターフェース)を取り巻く今後の流れが見えてきた感があるのでブログにまとめておきます。

実はみんな知っているVUIの将来像

実はVUIは昔からTVや映画でよく見慣れた光景です。最近ではアベンジャーズのアイアンマンに搭載されている「J.A.R.V.I.S」なんかは有名ですし、私の年代だとナイト2000に搭載されている「K.I.T.T.」あたりが代表格でしょうか?

www.youtube.com

このレベルに達するには、人間の意図をくみ取って「会話」する力と、その結果をクルマ等のハードウェアをコントロールする仕組みが必要となるわけですが、以前書いたAIと自動運転の関係を考えるとハードウェアの制御部分は結構いけるかもしれません。

stilldayone.hatenablog.jp

では、肝心の「会話」力はどの程度まで来ているのか?

チューリングテストをパスするAIの「会話」力

初めての参加となったGoogle I/O 2018。本題とはそれますが、レジストレーションが屋外というのがカルフォルニア! もし雨が降ったらどうするの?と心配してしまいますが、それはまず無いってことなんでしょうね。

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で、本番のキーノートも屋外のスタジアム。レジストレーションの出遅れから屋根がかからないBBQ席(こんがり焼ける、という意味)での参戦です。

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初めて見る生ピチャイ氏によるキーノートでは、主要なGoogleサービスにAIがどんどん実装されているところを紹介。その中でも衝撃的だったのは、やはりこのデモではないでしょうか?

www.facebook.com

ハイライトは、(動画開始後30秒くらいから始まる)AIアシスタントがお店に「電話」をかけて、スケジュール調整をする「Google Duplex」のデモ部分。お店の人が「ちょっと待って」と言うのを受けて、AIが"Mm-hmm"と答えるところは、会場がドッと沸きました。これって、完全にお店の人は「人間」相手に会話していると思ってしまうクオリティです。もちろん、これはデモシナリオなので、想定されたシーン以外だとこうはうまくいかないケースもまだあるとは思います。が、急速に進む機械学習Googleさんはこの表現を好みますね)の効果で、どんどん人間らしく振舞えるようになるでしょう。チューリングテストを楽々とパスすると思われるこの会話クオリティへの反響は、好意的なものだけでなく、倫理的な疑問を投げかける声もあったようで、Google I/O後にこのような声明を出すことに。

www.itmedia.co.jp

AIが電話できる= APIがない相手とも連携可能に

Google Duplex」がいつ正式ローンチするかわかりませんが、これが実用化されるとIT化されていない店舗やサービスを「人手を介さず」に取り込むシステムやサービスを作れるようになるわけです。これって、これまでのIT領域を一気に拡張するゲームチェンジャー的存在で、それ故新しいサービス提供者が台頭してくるようになると思います。

VUIというと、スマートスピーカーのように人間側から話しかけてAIとのインタラクションが始まるイメージが強いですが、AI側から会話がスタートするインタラクションもこれからどんどん増えていくと思います。まさにK.I.T.T.の世界。

VUIと家電の将来

このGoogle I/OでのVUI周りのアップデート情報も取り入れつつ、VUIにフォーカスしたイベント・INEVITABLE ja night #4 ~VUI がもたらすUXの不可避な流れ~が5月23日に開催されました。

<当日参加いただいた方がツイートしてくれたグラレコ図>

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togetter.com

このイベントで、最近パナソニックグループ入りで話題となったShiftall CEOの岩佐さん(元Cerevoと言ったほうがわかる方も多いかと)と、家電とVUIが今後どのような進化を辿るかについて対談させていただきました。実は岩佐さんに登壇をお願いしたのが、まさにこの「パナソニック出戻り」ニュースで渦中の時でしたね。岩佐さん、お忙しいところありがとうございました!

monoist.atmarkit.co.jp

 岩佐さんとの対談で、VUIによって、ITとインタラクションできるヒトやシーン(用途)が大幅に増えるという話を以下のゆでタマゴのような図で説明させてもらいました。

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例えば、皆さんの周りでもキーボードがまだそんなに使えない小学生がAlexaやGoogle Homeをうまく使うシーン(最近は算数の宿題をスマートホームにやらせる猛者が現れている模様)や、運転中やPC作業中に「ながら作業」的にVUIを使っている状況(車載エコーは結構おススメ)に出会うことが増えていると思います。この図は、そうしたVUIによるITの利用シーンや利用者層の広がりを表したもので、岩佐さんにも「秀逸」と評していただきました。

家電業界にとっても、この図と同じようにVUIはもう当たり前に実装する機能となってきている、と岩佐さんが現状について説明いただいた後に、「AI+VUIのような大きな技術や設計思想の変更は、家電ベンチャーには大きなチャンス」と言われていたのがすごく響きました。こうした技術転換の時には、旧来の成功体験が優位に働かないことが多いので、これまでの積み上げをもつメーカーよりも、この新しい潮流への迅速な対応力があある組織のほうが有利とのこと。これは、10年くらい前にクラウドが出てきたときの、既存SIやISVの対応を振り返ってみると、うなずける話です。

岩佐さんには、セッション登壇のみならず、INEVITABLE TVYouTubeチャンネルでもVUIについてお話いただいていますので、こちらもご覧いただければと。

www.youtube.com

家電からビジネスへ、そしてエコシステムのガラガラポン

そして、5月末に開催されたAWS Summit Tokyo 2018。この中で個人的に注目していたのがAlexa関連の展示やセッション。正確にはAlexaやAVS(Alexa Voice Service) AWSとは別組織のサービスやテクノロジーということになりますが、AWSとのインテグレーション範囲も多く、実際ユーザやインテグレーターからすると区別して扱う理由がないポジションにあります。なので、AWS Summit でもAlexa周り展示やセッションがたくさんあるのも当然かなと。

余談ですが、AWS時代のチームメンバーがAlexaチームに移籍していりして、Amazon内でもAlexa部門の人気が高いことがうかがえます。このあたりのリソース移動の柔軟さもAmazonの強味ですね。

展示エリア奥には、ホームユースとビジネスユースを想定したショウルーム的な体験デモコーナーもありました。お金かかってます!

注目は上の動画でも後半に出てくるビジネスユース(Alexa for Business) のデモ。今回はオフィスでの想定ですが、VUI特性を生かしてもっとパブリックなスペースや、キーボード利用が難しい現場(工事現場)なんかにも適用範囲が広がると思います。そうするとリビング利用を想定しているエコーでは雑然とした環境で使うのはちょっと難しそうで、AlexaやAVSと連動する新しいデバイスの必要性が出てくるかと。ただし、利用用途やクラウドAI側(音声認識力や会話力、連携するスキルの種類、など)の急激な変化に対応する力がないと、いいハードが出てこないように思います。ちょっと現場で聞いた話だと、ハードを作るまえに騒音のレベルや利用用途等を完全にスペックが固まる前提での開発(そして後戻りやピポットができない)体制のメーカーが多いらしく、それだと成功しない感がありますね。岩佐さんが言っていたように早いサイクルでアジリティ高く量産品(←試作品ではないところがポイント)が作れるメーカーに商機と勝機が来るように思います。

以前は、こうした新しい技術の流れが出てきたときは、既存ハードメーカー間で共通規格の綱引きが多く行われてきたわけですが、いまやWebと同じ文脈でハード回りの仕様もどんどんオープンに出てくるのも、以前では考えられない状況ですね。Google I/O前日に1.0が発表されたAndoroid Things のような開発キットはまさに新しいエコシステム構築の象徴のようなモデルかと。

jp.techcrunch.com

大きい者ではなく、速い者が勝つ時代

VUIを流行りのスマートスピーカーの技術とみていると、流れを見誤まりますね。クラウドAIの進歩と、次々と出てくるユースケースに対応したVUIハードウェアの開発がますます重要になるのは間違いないですし、ハードウェアの開発や販売を巡るエコシステムも大きく変わっていくのは不可避な流れかと。まさに「大きいものが小さいものに勝つ」のではなく、「速いものが遅いものに勝つ」ユニ・チャーム 高原社長の書籍での言葉)時代の到来といえます。

エコシステムの見極めと、動きの速さが新しい勝者を生む時代、楽しみになってきました! そしてナイト2000なモビリティはいつ出てくるのか、期待です。

とりあえず、雰囲気だけでも味わうためにこのキットをつけてみようかな。

middle-edge.jp

パラレルキャリア月報 -- Apr 2018

今月もギリなタイミングでのパラレルキャリア月報です。例によって、社内打ち合わせやクローズドなセッションは省いています。さて、4月はどんな活動だったか。

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サマリー

ブログにも書いたのですが、4月はバイクでの移動が多かったですね。ざっと1,400kmの移動距離。このBiz Tripだけで10日以上と月の1/3を使っている計算です。

 

stilldayone.hatenablog.jp

 福岡の滞在が長かったのは、ヌーラボの年一回のGeneral Meeting が福岡であったからです。今年も最終日のパーティーまで盛りだくさんでしたね。

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で、このバイク移動以外にも、札幌(JP_Stripes, CMC_Meetup)、秋田(CMC_Meetup)出張もあったので、ほぼ家にいなかったような。。。

ちなみに、4月が私の会社(Still Day One合同会社)の期末だったのですが、この1年での出張日数がちょうど100日でした。

あと、数少ない東京滞在日に StripeのCOO、クレアとJP_Stripes  の今後について話ができたのもハイライトですね。USサイドの理解があったほうが、コミュニティマーケティングを継続的に進める上でも当然プラスになるので。

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登壇ログ

4月の登壇ログはこちら

AI EXPO ABEJAブース登壇 (4/4) [ABEJA]

今年のAI Expoは、最近のAIブームを実感させる大盛況の展示会でしたが、ABEJAブースにも多くの人が。私もブースで1セッション持たせていただきました。

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八子クラウド座談会(4/7) [Stripe]

2016年12月の「AWSビジネス振り返り」セッションでの登壇から久々の登壇でした。今回はStripeの視点で、キャッシュレスへの不可避な流れを。

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Amaozn Pay、Line Pay、楽天Payをはじめ、交通カード系な方もいらしていて、日本の決済の暗部についてもいろいろお話ができてよかったです。オフラインの情報交換は有益なのを再確認した次第。

CMC_Meetup in サッポロ Vol.2 (4/9) [CMC_Meetup]

地方開催ではいち早く2回目の開催となった札幌でのCMC_Meetup。今回は東京からはヌーラボ・井上さんが参加されたほか、地元のスピーカーも数多く登壇いただき、より実践的な場になりました。私からはコミュニティマーケティングのおさらい的なお話を。

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JP_Stripes サッポロ  キックオフ(4/10) [Stripe]

CMC_Meetup に続けて、札幌で初のJP_Stripes を開催。こちらも地場の方が3名も登壇いただき、初回から濃ゆい内容に。

私からはオーバービュー的なお話を。

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JP_Stripes 福岡 Vol.3 (4/16) [Stripe]

福岡では3回目のStripe開催。私と福岡のコミュニティ運営メンバーである藤崎さんとどで、Amazon Go(シアトル)とトライアル(福岡)の比較セッションも。

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JP_Stripes 広島 Vol.2 (4/20)

広島ではユーザの方主導でのハンズオンセッション! なので、私のほうでは簡単なオーバービューのみ。

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ちなみに、ハンスオンのマテリアルもJP_Stripes の方が作ってくれたもので、この日もほぼ全員ハンズオンを完走できたというクオリティの高いもの。ありがたいですね。

CMC_Meetup in 京都 Vol.2 (4/23) [CMC_Meetup]

京都での2回目となるCMC_Meetup。今回は先に登壇者の皆さんにお話しいただき、最後に私のほうで各登壇者のお話からコミュニティマーケティング推進上のポイントとなるポイントを取り上げて解説するスタイルでした。初めてのパターンだったのですが、皆さんの腹落ち感が高かったので、これからもこのスタイルを使ってみようかと思います。

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Jimdo x Stripe 合同ミートアップ(4/26) [Stripe]

夜景がきれいなStripeの新オフィス(原宿)で開催された、JimdoとStripeの合同ミートアップ。Jimdoは特にドイツをはじめとするヨーロッパで高いシェアを持つCMSですが、Eコマースの機能にStripeがビルトインされていてすごく親和性が高い組み合わせです。セッションでは、実際の組み合わせのデモ等もご紹介させていただきました。Jimdo のユーザーコミュニティ:Jimdo Cafeも全国にあるようなので、今後もこんなコラボレーションが各地でできるといいなと思います。

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JP_Stripes 秋田キックオフ(4/27) [Stripe]

4月最後のセッションは、秋田でのJP_Stripes キックオフ。何気に日本海側では初のJP-Stripes 開催でした。開催をオーガナイズしてくれたneccoさんのApple Pay実装事例のほか、「代行のUBER」的サービスのトラパンツさんの事例など、濃ゆい事例を聞かせてもらいました。この代行アプリ、全国展開するとすごいかも!

トラパンツさんの発表資料はコチラを。

www.slideshare.net

私の資料はコチラに。

www.slideshare.net

今後も全国行脚します!

4月はJP_Stripes とCMC_Meetupでの全国行脚比率が高かったわけですが、今後もいろんな都市にお伺いする予定です。直近の予定はコチラをご覧ください。

JP_Stripes

eventregist.com

CMC_Meetup

eventregist.com

その他、メディア掲載

Amazon在籍時に感じたAmazonのDNAについての取材記事(日経クロストレンド)

trend.nikkeibp.co.jp

 

番外編:You are what you eat :-)

札幌にて

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札幌にて

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福岡にて

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福岡にて

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広島にて

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浜松にて

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